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郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

引き続き、TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

この作品は9月9-10日開催の「スタンプショウ・広島2023」に展示することになっていますので、ぜひ現地で実物をご覧ください。

 

今日は会期も近づいてきたので、コレクションのハイライトを一挙に3点まとめてご紹介します。

 

画像は第9、34、66ページです。

 

台湾の急速便最古使用例です。昭和9年6月の膨湖局差立て台北市あて。この時代はまだ速達制度がないため書留別配達扱いとして逓送された書状です。台湾の別配達はこれ以外に見つかっていません。

 

こちらは昭和10年10月の台北市内への速達制度導入後の台湾における使用例として唯一の確認例。昭和11年12月の台北局差立て、同市内あて速達書状です。書留・配達証明・内容証明扱いが付帯しています。書状料金3銭、速達料金8銭が適用されています。

 

こちらは、書状料金が4銭に値上げ後の台湾島内速達書状です。台北局差立て基隆あてで、この料金時代の使用例も、このカバーが唯一の確認例となっています。

 

速達制度全国化前の台湾における急速便使用例が纏めて3通もみられるのは拙蒐だけであり、日本国内での展示は恐らくこの機会の後は当分ないと思われますので、ぜひ広島に足をお運びいただいて現物をご覧いただければ幸いです。

 

引き続き、TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

この作品は9月9-10日開催の「スタンプショウ・広島2023」に展示することになっていますので、ぜひ現地で実物をご覧ください。

 

画像は第6ページです。左右いずれも大阪市内発着便で北区から東区あての使用例です。

 

 

左右とも、堂島ビルディング内局の差立て、大阪東局を経て受取人に逓送されたものです。

 

9月になりましたが、秋の気配はなく、猛暑が続いています。体調を壊さないよう気を付けましょう。

 

TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

この作品は9月9-10日開催の「スタンプショウ・広島2023」に展示することになっていますので、ぜひ現地で実物をご覧ください。

 

画像は第6ページです。左右いずれも東京市内発着便です。

 

この年の7月から速達対象となった品川地区関係の使用例を示しています。

 

 

左の速達葉書は品川原町局の差立て、牛込局を経て受取人に届けられました。

 

右の速達書留書状は品川鈴ヶ森局の差立て、四谷局を経て受取人に逓送されたものです。

 

週末週初は地方出張等で慌ただしく過ごしており、ミッションを終えて東京に戻りましたら「郵趣」9月号が届いていました。

 

雑誌の紙面のなかで、役員体制の紹介がやけに淡泊なのが印象的でしたが、利益相反の可能性が指摘される中で更迭となった前専務理事が(顧問ならば兎も角)会長に就いていたのは驚きでした。

 

これまで、財団の会長職はすべて例外なく理事長経験者が就任する慣例でしたが、これを破って専務理事しか経ていない者を会長に就けることの背景や意義については、とくに協会運営の経費を負担している正会員に対し明確に説明がなされるべきでしょう。ちょうど来月は札幌で全国会員大会もありますので、みなさんに説明するには良い機会ではないかと思料いたします。

 

なおJPSの定款第38条は、「会長及び顧問は、理事長の諮問に応え、理事長に対し助言することができる。」と規定しています。

 

したがって、この規定を踏まえて理事長は会長に対し、これまでの経営判断や不明瞭な事柄に関する説明を行うよう「諮問」し、会長は理事長に対し、助言ではなく、しっかりと「説明」を行ったいただきたいと、一人の正会員として考えています。

 

TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

この作品は来月の「スタンプショウ・広島2023」に展示することになっていますので、ぜひ現地で実物をご覧ください。

 

画像は第5ページです。左右いずれも東京市内発着便です。

 

東京市内便というとありふれていると思われるかもしれませんが、料金改正直後の使用例はなかなか手に入りません。本来ならば2通とも7-8月のものにしたいところですが、まだ果たせていません。

 

 

左の速達書状は赤坂局の差立て、日本橋局を経て受取人に届けられました。2倍重量便のため、6+8=14銭分の切手が貼付されています。

 

右の速達書状は新橋局の差立て、小石川局を経て受取人に逓送されたものです。

 

TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

画像は第4ページです。左右いずれも大阪市内発着便です。

 

 

左の速達葉書は大阪上福島局の差立て、平野局を経て受取人に届けられました。

 

右の速達書状は大阪中央局の差立て、天下茶屋局を経て受取人に逓送されたものです。

 

TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

画像は第3ページです。

 

 

この書状は一見すると状態が悪く(1枚貼付切手が脱落)、通常ならば到底展示対象とはならないのですが、代替できるものがなく、極めて貴重な使用例であることからやむを得ず使用しました。

 

これは、満州国の新京から東京あての航空速達書留書状なのです。この時代はこのカバー以外に確認されているものはありません。

 

差立て局は新京局で昭和8年7月6日、東京中央局の到着印が押捺されています。

TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

画像はタイトルリーフに続く第2ページです。

 

 

1933年7月1日から速達料金はそれまでの同一郵便区市内相互間6銭/二箇郵便区市内相互間12銭から、一律基本料金8銭に改訂されました。

 

従来のいわゆる市内便は2銭の値上げとなった一方、2区間便は4銭の値下げとなりました。

 

左の速達書状は新料金適用4日目の初期使用例(東京市内便)です。下谷区から目黒区あて。

 

右の速達葉書は、同じく12日目の使用例で、世田谷若林局から小石川局高田分室を経て目白あてです。世田谷区は1933年7月1日から速達対象なので最初期の使用例に該当します。

 

リーフの上部には、1933年7月1日から速達取り扱い対象となった地域を地図にプロットしたものを提示しています。

 

国際切手展に出品した後は、いつも自分でプライベートな「作品集」をつくって、改めて審査員の指摘事項を確認し、次なる改善に向けた対策を練ることにしています。

 

これを展覧会終了後にできるだけ早く実施しないと、いつの間にか忙しさに紛れて後回しになってしまい、忘れがちになるので、さっそく画像データをプリントアウトし、オフィスの近くのキンコーズに赴いて製本してきました。

 

表紙をつけます。

 

一応、奥付も。左下にシリアルナンバーをいれてみました。

 

タイトル頁

 

フレームの様子もこうして記録に残します。

 

後で記憶を辿りやすいように、説明の頁も設けました。

 

こうしておいて、書斎の書架に差し込んでおくと、隙間時間にいつでも取り出して検討することができるので便利です。

 

いまやコピー代も安くなり製本費用もさほど掛からないのでお勧めの手法でございます。

 

全部で5冊つくって、2-3冊は自分用、残りは交換用など(他の展示者の方でご自身の作品集と交換してもよいという方はお申し出ください)にしようと思っています。