JAPEX2026での入手品の紹介の続きです。
大正5年3月 大阪市内便の速達はがきです。
差立て局は難波局で、日付は大正5(1916)年3月28日です。
料金は葉書1銭5厘+速達料6銭(郵便区市内)=計7銭5厘で、分銅葉書に旧大正毛紙3銭切手2枚が加貼されています。
宛先は市内北区の大江橋です。
大阪市内便は東京市内便よりも格段に残存数が少ないので、どのような使用例も大切にしています。
「切手に学ぶ 世界の知識」
という標語が記載されています。知識の宝庫である切手や郵便について深く知ることが、人生をゆたかにする
と信じて活動しています。JAPEX2026での入手品の紹介の続きです。
昭和8年6月 東京市内便の速達はがきです。
差立て局は芝局で、日付は昭和8(1933)年6月7日です。
料金は葉書1銭5厘+速達料6銭(郵便区市内)=計7銭5厘で、楠公葉書に風景6銭が加貼されています。
この時代は速達の逓送スピードが速く、その日のうちに麹町局の到着印が押捺されて名宛人に届けられました。
この月をもって、速達のダブル料金(郵便区市内相互間6銭、二箇郵便区市内相互間12銭)時代は終わり、翌7月1日からは速達料金は一律8銭となります。このように旧料金が終了する最終月や、新料金の開始月の使用例は、コレクション展開上、有用なケースが多いです。
JAPEX2026での入手品の紹介の続きです。
昭和8年11月 東京→奈良あて内国航空私葉です。
差立て局は東京中央局で、日付は昭和8(1933)年11月22日です。
料金は葉書1銭5厘+航空8銭=計9銭5厘のところ、風景10銭が貼られており5厘過納となっています。
この時代は東京中央局~羽田飛行場間は速達として逓送されましたが、まだ奈良市内で速達郵便サービスは実施されておらず、大阪飛行場~奈良までの平面路は普通郵便として逓送されています。
奈良市内で速達が始まったのは、昭和10(1935)年10月1日からですが、その使用例は2~3例しかみたことがありません。
それにしてもこの葉書はコンディションが良いですね。昨日使ったばかりのような新鮮さがあります。
JAPEX2026での入手品のなかで最も嬉しかったのがこれです。
桜はがき15銭に1次新昭和1円青富士を加貼した、速達はがきです。
差立て局は大阪の東淀川下新庄局で日付は昭和22年1月30日。2.1ゼネストの2日前です。到着印は三重・佐那具局で翌1月31日となっています。
2.1ゼネストについてはネット上にも詳しい解説がいくらでもあるため、ここでは詳述しませんが、2月1日の実施を睨んで、直前の郵便物には画像のような付箋がつけられました。
スト自体は昭和22年1月31日午後、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)のダグラス・マッカーサー元帥が、日本経済の疲弊と社会的混乱を理由にストの全面禁止命令を発令し、日本共産党の指示や共同闘争委員会の決定により、実行直前の2月1日未明(1月31日夜〜2月1日)にスト中止が宣言されています。
この付箋は、局により仕様は区々であるものの、記載されている要旨はいずれも「ストになれば郵便電信等(郵便局が扱う業務)はすべて停止する」旨、同一です。
この付箋付きカバー/葉書それ自体は、特別に稀少性が高いという程ではなく、時間をかけて探せば入手可能なものですが、時を経て付箋がこのように完全な状態で残っているものは本当に少ないです。さらに速達便となるとその難易度は並大抵のものではありません。データが判読可能な速達使用例は、これまでに本例を含め3通程度を確認しているにすぎません。
2023年末頃に、この付箋がついた「速達カバー」を入手していたのですが、これでカバーと葉書が2通揃いましたので、2.1ゼネストの付箋つき速達の使用例として2点並べて1リーフ完成させられます。
というわけで、カバーと葉書が揃うまでは長い道のりでしたが、ようやくここまで来て、嬉しく思っています。こういう機会に恵まれることも、郵便史コレクション形成上の醍醐味の一つだと思います。
JAPEX2026の切手商ブースやオークションではそれなりの釣果があり嬉しく思っています。これからしばらくは、その一部をご紹介していきたいと思います。
画像は、入手したばかりの昭和17(1942)年11月の速達書状使用例です。
1次昭和1銭稲刈と2銭乃木8枚が貼られ、料金は書状5銭+速達12銭の計17銭です。
差立て局は沖縄の首里局で日付は昭和17年11月6日(昭和20年に沖縄戦の空襲により焼失し廃局に)。日田(大分)局の到着印が押捺されていますが、日付は11月11日ですので、速達便ながら到着までに5日を要しています。
速達郵便物に対する到着印は、逓信省(郵務局)が「行政簡素化に伴う郵便取扱規程等改正に関する件」の通牒を発したのが11月4日であり、それを以て実際に規程が改正・施行され、昭和17年11月16日から同21年9月15日まで戦時下及び戦後の人員・物資不足等から省略(取りやめ)となりました。
この使用例はその直前(10日前)の差出となっていますので、このカバーではまだ到着印は「省略」されず規定通り押捺されています。
因みに、省略したままでは郵便事業への信頼回復は困難という判断により、戦後復興期の昭和21年9月16日に速達郵便物への到着印押捺は復活となりました。これがそのまま今日に至っている、といいたいところですが、そうもいきません。
今度は合理化名目により令和2年9月30日をもって「到着印の押捺」は終了、送達スピードは検証不可能な状況となり今日に至っています。
つまり現行の速達郵便は戦時下並みのサービス水準ということです。これは情けないことですね。
ここはやはり現行の「省略」はやめて、以前のように速達郵便への到着印押捺を復活させ、郵便逓送の透明性と信頼の確保を図るべきだと思いますが、郵政の「業務改革」の方向性はそれとは逆方向に向かっています。今度は消印の時刻表示を省略するための試行が行われています。消印のC欄に三ツ星(★★★)を入れれば戦時下と全く同じになりますね。
全国切手展JAPEX 2026が会期最終日を迎え、今日も浅草に出かけてきました。今年も、様々な方と交流し、情報交換し、ときには激励をいただき、まことに有難い機会でした。ありがとうございます。
あらためて受賞者の皆様にお祝いを、また設営に当たられた関係各位にはお疲れさまでしたと申し上げます。
展示作品毎の個別の受賞結果については、いろいろな受け止めがあるでしょうが、利害関係がないわたくしの立場からの感想を一言でいうと「国際展基準を謳うJAPEXでありながらも、国内独自基準という性格が色濃く出た審査結果」ということになるかもしれません。
今後、国際展に歩みを進める方は、JAPEXでの評価は一応受け止めつつもこれに拘泥することなく、国際展のスコアのみを参照指標として作品の向上を図っていくのが良いかもしれないと感じました。
なお、いち参観者の目線から、来年に向けて改善されたら良いと思うことは次の通りです。
・従来は毎回設定されていたと思われる、「スローガン」、「テーマ」を明示する:これがないとイベントは焦点が定まりません。仮に設定されていたとしても、公式ガイドやウェブサイトに掲出しなければ誰にも伝わりません。
・審査の信認向上:国際展準拠を標榜する以上は当然、(全員は難しいにせよ)国際展審査員資格保有者に審査されたいのが出品者の本音でしょう。ましてや競争展出品すら未経験の方に審査されるのはやはり違和感を感じるとの声もきかれましたので、対応が望まれます(そもそも国際展クリティークを受けたことのない方が、どうやってクリティークをやるのでしょうか…)。
・ステージイベントのダイバーシティ:時間枠が限られるステージイベントだけに、より多様性のある講師・テーマで参観者を迎えていただけるとなお良いです。ピンポイントの話題や郵趣に関連する周辺知識に関する解説もあってよいですが、せっかくの全国切手展なのですから例えば「○○切手収集の魅力とポイント」といった郵趣本体のプロモーションに直接繋がる内容を期待したいところです。なお、仮に協賛企業の意向が企画の自由度に影響するケースがあるとすれば、それは本末転倒ですので、無条件で協賛に応ずる企業と契約すべきでしょう。
さて午後からは7Fの特設フロアで開催されたジャパンスタンプの公開オークションに参加してきました。
フロアではホットな競りが続き、カタログ表紙の東宮婚儀(不発行)未使用4完が300万円、旧小判45銭未使用田型が310万円といった高額落札もみられました。
因みに会場で配布された注意書きのなかに、「オークションをお楽しみください」というフレーズがありましたが、これは大切なことですね。
これを読み、私自身、オークションそれ自体をどれくらい楽しみにできているのかしらと改めて自問自答した次第です。オークションはコレクション(作品)制作のプロセスにおいて、どうしても補強しなければならないモノを手に入れる「調達+戦い」の場であり、競りの最中の苦しみと支払いの痛みは、入手できたときの喜びといつも背中合わせだからです。そうした苦しい側面を排除して、純粋に「お買い物」としてのオークションを楽しみたいものだと感じたところです。
全国切手展JAPEX 2026が10月30-11月1日の3日間の会期で始まりましたので、浅草に出かけてきました。
今回も出品者ではなく、審査やイベントなど運営側にも関わっていませんので、完全に気楽な参観者の立場です。
参観前にまずは腹ごしらえ。こちらで美味しい天丼をいただいて、いざ会場へ。
会場の外観です。いつも通り会場の外には多くの観光客などが行き交っていますが、中は閑散としてものです。この看板だけで1500円の入場料を払って参観しようというひとがどれくらい出てくるのでしょう。
今年は小判切手発行150年にあたり、郵政博物館からの特別展示は、小判切手・葉書の貴重な原板が。
昼頃には審査結果が公表されました。受賞された皆様、おめでとうございました。
因みに、チャンピオンクラスのグランプリは、長竹さんの旧大正毛紙切手に。
一般競争クラスのグランプリは、吉田氏の日本のクラシック・ステーショナリーへ。
イベントスペースでは、中島・水原賞を受賞された槇原さんが記念講演をなさいました。非常に興味深い内容でした。
閉場後の17時から30分間は(特非)郵趣振興協会の会議へ。
正会員・賛助会員全員を対象に、事業説明やフリーの質疑応答を実施する貴重な機会となりました。会員の意見を聴取する機会を封じている他の郵趣団体も見習うべきではないですかね。
その後は郵趣家有志で会食へ。有意義な一日でした。
来年6月末からスロバキアの首都、ブラチスラバで開催される世界切手展SLOVPHILEX 2027 コミッショナーからのお知らせが更新されました。
それによると、展示作品のエントリーが12作品、90フレームに到達した由。
通常はFIP世界展においては最低60フレームの確保が望ましいとされているようですが、これを大幅に上回る作品数を確保されたのはご立派ですね。
殊に遠隔地、しかも日本の郵趣家にとっては馴染みの薄いスロバキアの地で開催される展覧会に、これだけの出品数を集めるのは容易なことではなかったでしょう。
この間、直接の呼びかけはもとより、SNSやメールなどを駆使して各所で出品慫慂をされているのを目にしましたが、それらの取り組みが見事に奏功して90フレームの確保に漕ぎ着けられたのは素晴らしいことだと思います。
私自身も、コミッショナー選対会議において山田コミッショナー選出に賛同したひとりとして安堵するとともに、この展覧会に出品することにいたしました(エントリーが無事にアクセプトされると良いのですが…)。
従来の国際展においては、積極的な出品物確保に取り組むこともないまま現地に赴き、結果的に展覧会主催者から十分な待遇(ホテルの無償供与や日当の支給)を受けられないことに不平・不満を述べたり補償を求めたりする残念なコミッショナーもいたようです。しかしながら、本年11月のPHILATAIPEI2026(台湾世界展)以降を対象とする民主的な選出プロセスによって選任されたコミッショナーは、今回の山田氏を含めていずれも積極的な活動を展開され成果を挙げておられるのは素晴らしいことです。
改めて、山田コミッショナーのこれまでのご努力に敬意を表します。
PHILATAIPEI2026 コミッショナーからのお知らせが更新されました。
出品者がコミッショナーに作品を託すに際しての手続きをお知らせしています。
重要なご連絡ですので、出品者におかれましては必ずご一読の上、ご対応をお願いいたします。
来月のPHILATAIPEI2026に向けて、作品作りが大詰めを迎えています。
今回は飛脚~小判までの急速便のメインコレクションを出品する予定で、大物を複数追加しての「背水の陣」。当然、これまで審査員から示唆いただいた改善策をすべて反映し、全リーフを改作して臨むことになります。
昔と違っていまは作品制作は殆どPC上で行い、最終段階で印刷→現物貼り込みとなりますので、この段階にならないと実際のマテリアルをいじる局面にはなりません。
というわけで、いつも最終段階ではリーフの調達のために銀座・伊東屋に赴くことになります。お客さんの少ない時間帯を狙うのですが、最近はペーパークラフト専門フロアの7Fでさえ、訪日外国人で売り場が埋め尽くされているので、目的を達するにはなかなか骨が折れます。
それでも数百種類ある中から、きまった種類を指定して発注するので、順番がきてしまえばあとはスムーズです。
作品提出まであと1か月半、できる限りのことをやって天命を待ちます。