旧郵便法下の日本の急速郵便の発展 1933-1937 その7 | 郵便・切手から 時代を読み解く

郵便・切手から 時代を読み解く

切手コレクター必見! 経済評論家にして郵便・切手評論家でもある池田健三郎が、辛口トークと共に「ゆうびん」や「切手」を通じて時代を読み解きます。
単なる「切手あつめ」や「郵便物コレクション」とは次元の違う、奥深き大人のライフワークの醍醐味をお伝えします。

引き続き、TAIPEI2023への出品作品のリーフの一部をご紹介します。

 

この作品は9月9-10日開催の「スタンプショウ・広島2023」に展示することになっていますので、ぜひ現地で実物をご覧ください。

 

今日は会期も近づいてきたので、コレクションのハイライトを一挙に3点まとめてご紹介します。

 

画像は第9、34、66ページです。

 

台湾の急速便最古使用例です。昭和9年6月の膨湖局差立て台北市あて。この時代はまだ速達制度がないため書留別配達扱いとして逓送された書状です。台湾の別配達はこれ以外に見つかっていません。

 

こちらは昭和10年10月の台北市内への速達制度導入後の台湾における使用例として唯一の確認例。昭和11年12月の台北局差立て、同市内あて速達書状です。書留・配達証明・内容証明扱いが付帯しています。書状料金3銭、速達料金8銭が適用されています。

 

こちらは、書状料金が4銭に値上げ後の台湾島内速達書状です。台北局差立て基隆あてで、この料金時代の使用例も、このカバーが唯一の確認例となっています。

 

速達制度全国化前の台湾における急速便使用例が纏めて3通もみられるのは拙蒐だけであり、日本国内での展示は恐らくこの機会の後は当分ないと思われますので、ぜひ広島に足をお運びいただいて現物をご覧いただければ幸いです。