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個性あふれるボランテイア物語

みなさま。
2月22日(水)、今年最初の学生さんボランテイアが3人やって来ました。
今回は道普請人京都スタッフの酒井さんが同行・引率です。
2月23日木曜日、ボランテイアは大成建設さんの助成で施工中のリモイ・ナショナル・リザーブの「土のう」の道を見学しました。
サイトはアフリカ大地溝帯の一部。ケリオ・バレーの谷底で、標高1100m気温35度の熱帯乾燥サバンナです。野生象が600匹棲息している公園です。


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野生の象が棲んでいるリモイ・ナショナル・リザーブに作った「土のう」の道の上で
おもいっきり飛び跳ねているボランテイアです。右から長野君、滝川さん、梶山さんです。
象さんに踏み潰されなくて良かった。



2月24日(木)からは3泊4日のホーム・ステイをしました。宿泊先は道路補修訓練中のオアシス・グループです。ホストの家に荷物を置くやいなや「土のう」による道直し訓練に参加しました。


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黙々と側溝堀りに汗を流す長野君です。東京大学の土木工学の
修士課程在学中です。人力施工、アフリカの現場。長野君がどんな
レポートを書いてくれるか楽しみです。


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子供たちになつかれてしまった滝川さん。直した道の上を
子供たちに連れ回されています。



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梶山さんも側溝堀り。つなぎの作業着が板についています。
英語が得意な梶山さん。腰が入っていて道作りもなかなかの
ものです。


「土のう」の道作りを体験し、ホーム・ステイを終えたボランテイアはある小学校を訪ねました。パナソニックさん助成の事業でアフリカの小学生の「夢」を絵に描いてもらうためです。

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教室で自己紹介をしているボランテイアです。どんな絵が出来上がったかは
楽しみにしていて下さい。近未来に道普請人京都が展示会を
します。



日本から遠く離れたケニアで異文化体験をした3人のボランテイアは2月28日ナイロビに向けエルドレットを後にしました。
東アフリカ・ケニアにおける「土のう」の道作りとホーム・ステイが鮮烈な記憶としてボランテイアが創り出していく人生にプラスに働くことを祈るばかりです。

成長が著しいキピプエゴン物語

みなさん。
今回は道普請人ケニアのスタッフ、キプエゴン君のお話です。
キプエゴンは2011年ナイロビ大学工学部の土木工学科卒です。
新卒で採用しました。道普請人ケニアのエンジニアリングの補強のためです。

関係する道路省とかケニア農村道路公社の上級職員が全員土木工学部卒業者なので、なんか道普請人ケニアは格好がつかない感じがありました。
ジュグナは自称テクスタイル・エンジニアリング短卒(これは多分に嘘)です。
ビオットは農学部園芸学科卒。
松本は農学部畜産学科修士卒。
喜田は農学部園芸学科卒。
常勤スタッフにエンジニアリングが解っている者がいないのは大きな弱点でした。

面接した時の小声の弱々しい返答ぶりが気になりました。
「腹が減っとん」。
「もっと大きな声で話してくれん」。
「もっと気合入れて」。
「君は田舎もんか」。
「道普請人は田舎もんしか採用せんの」。
ともかく2011年9月から試験採用しました。

道普請人ケニアは現場中心主義。「土のう」テクノロジーの泥まみれ土まみれの現場で鍛えに鍛えました。キプエゴン君、叱咤激励に耐えること耐えること。さすが生粋の田舎者です。

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また1本、道が完成しました。完工式で一発ぶっている我らがエンジニアの
キプエゴン君です。


学卒者はエリート。
ましてエンジニアなら嫁にやろうかのケニア。
この社会環境で「土のう」を担いで走り回るスタッフに成り上がってきました。
オフィスに帰るとスマートに国連ILOのプロポーザル書きもこなします。

感心したのは、ジャッショ・マレル・グループの道の施工の仕様です。在ケニア日本大使館の山田公使が開通式に来て下さる予定になっている大事な道です。キプエゴン君さすがにエンジニア。路面にきっちり糸を張っています。直角は直角。並行は平行になっています。現場の美しいこと。私どもの理事の福林博士の施工現場と同じ美しさです。


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若きエンジニア・キプエゴンが指揮しているジャッショ・マレル・グループの
道路補修現場風景です。2012年3月15日に在ケニア日本大使館の山田公使が
この道路の開通式をして下さる予定です。



「キプエゴンこれやこれや」。
「君ほんまもんのエンジニアや」。
「この施工の仕方美しいわ」。
「仕事は美しくやらんとなあ」。

小声のピプエゴンですが、若い優秀なエンジニアが採用できたものだと嬉しい気分になりました。

ケニア共和国大統領賞候補物語

みなさま。

2012年1月24日火曜日の今日。
道普請人ケニア事務所のあるエルドレットはケニア晴れです。

郊外約10kmのシマット・グループでは道直しが進んでいます。

オフィスでは国連ILO : International Labour Organization 、国際労働機関との会議の準備が進んでいます。

在ケニア日本大使館との会議の日時の設定も進んでいます。

次の道路補修をする予定地がエルドレットの町の中。
市街と町域の道路を管理する国家機関であるケニア都市道路公社との公文書の交換も進んでいます。

道普請人のごくごくありふれた普段の一日です。

突然、耳に響き良い言葉が事務所に飛び込んできました。
「Presidential Award」。
「プレジデンシャル・アヲード」。
「ケニア共和国大統領賞候補」。

電話してきたのは国家環境管理公社です。
「おたくチェランガニ・ヒルズの森林再生計画やっとるやろ」。
「おたくの農民グループの活動」。
「ケニア共和国大統領賞の候補になっとん」。
「書式があるけん即記入してくれん」。

御存知のように道普請人はトヨタ自動車さんの助成でナイル川の源流の一つ、チェランガニ山系の森林再生に取組んでいます。

サイトは私どものオフィスから160kmの泥田道を突っ切った辺境も辺境の片田舎のマラクウェット・イースト県です。
森林再生のため樹木の苗作り。山系斜面の表土の保全のため土のうを使っての
テラシング(段々畑化)。これに取組んでいる農民グループの活動が大統領賞候補に選ばれているとのことです。

グループとプロジェクトを開始したのが2011年1月。当時のメンバー数はたったの12人。現在、傘下に303人のメンバーを持つ立派な組織に育ってきています。

2011年1月から12月の期間に、グループは118,500本の苗木を生産してチェランガニ山系の森林再生に貢献しています。




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12人で始めたグループの原苗圃場です。ここを勉強場にして、近隣の他のグループを
巻き込みメンバー数を303人に増やし、1年間で118,500本の苗木を生産しました。



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グループ農民の「土のう」を使ってのテラシング作業光景です。
急な斜面の表土が流亡するのを防ぐ大切な環境保全作業です。


このプロジェクト、小さな事を大事にしていく道普請人の得意技で騒ぎ回りました。
小さなグループを勇気づけ元気づけました。苗作りが地域のビジネスになるような仕組みを作りました。
そのために地域選出国会議員を活動に巻き込みました。
国有林再生と環境に係る関係省庁も活動に巻き込みました。
40ヘクタール余りの国有林、学校、小さな水源に地域住民総出で植林しました。



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日本からやって来た京都大学の学生ボランテイア。彼らはチェランガニ地域に植林した
苗木が新芽を出し健全に育っていることの証人になりました。


「Presidential Award」。
候補でも良いのです。
辺境の活動。
人に知られ難い地道な活動。
知られざる活動を何人かがケニア共和国大統領賞に値すると評価してくれたのです。
アソシエーションの大きな励みになります。
道普請人の大きな励みになります。

素敵な響きを事務所にもたらして下さった元種はトヨタ自動車さんです。

ありがとうございます。