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のどかな農村を騒がしく驚かす道普請人物語

みなさま。

いつものことですが、道普請人が登場すると、のどかな農村の空気が急速に一変します。

「ななな誰なんあの中国人みたいなん」。
「日本人やて」。
「道普請人やて」。
「土のうで道直しに来たんやて」。
「あほう時間の無駄じゃ」。
「土のうで道が直せるわけがないわい」。
遠巻きに集まってきた村人達は反日常的光景に野次馬根性まんまんです。

説明が始まる。マラム土が着く。轍掘れを掘り始める。マラム土を穀物袋に詰め始める。掘った所に土のうを敷き始める。土のうを突き固め始める。固まった土のうの上をマラム土でおおい始める。おおったマラム土を道路表面の形に整えて突き固め始める。晴れていれば一日に40mのぐちゃぐちゃ道がピカピカの道に生まれ変わります。

目の前で起こる連続の奇蹟。
村人達は口を開けたまま「ああああ」。
ほっぺたをつねりながら「ほんまかこれ」。
「土のうで道が出来てもうたがな」。

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グループ農民は何かに捕り付かれたように乗りに乗って道直を進めています。

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道直しの用土が乾き過ぎていれば強く突き固めることができません。
用土を湿らせるための水汲みです。


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散水しながら路面を固めています。振動式路面固め機。
道普請人が使用する唯一の機械です。


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お母さんと子供がロバにジャガイモを背負わせて市場に向かって
います。恥ずかしそうに小声で「道直してくれてありがとう」と
言いました。


ペテン師呼ばわりされることから始まる道普請人の道直し。直し終わって必ずかけられる
恥ずかしそうな小声の「ありがとう」。これを励みに無限にあるぐちゃぐちゃ道を1mまた1m。道普請人の無限への挑戦は続いて行きます。

2012年道普請人ケニアの1月物語

みなさま。

2012年。年頭の道普請人ケニアの状況をお報せします。

おかげさまで、おおわらわの忙しさです。

日本国外務省から助成頂いている道路補修プロジェクトが驚異的なスピードで進んでいます。
1月20日にはエルドレット・オフィスからナイロビ方向に約50km、
マザル・グループの道路補修約200mが完工します。

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過去、マザル・グループは深い轍掘の悪路のため生活が難渋していました。


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現在、マザレ・グループの人々はこんなに良い道路に直して
しまいました。


1月23日から1月27日はオフィスから約10kmのシマット・グループが道直しをする予定で用土のマラムはサイトに搬送済みです。
1月30日から2月3日はエルドレットの町中のランガス・グループが道路補修に取組みます。


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エルドレットの町中のランガス・グループが挑戦するのはゴミの散らばる
凸凹道です。どんな良い道に変えられるのか楽しみです。


トヨタ自動車さんから再度助成頂いている「チェランガニ山系森林再生プロジェクト」も
マラクウェット・イースト県のお父さん、お母さんが元気に汗を流しています。

大成建設さんから助成頂いている「野生象の繁殖地リモイ・ナショナル・リザーブのアクセス道路補修プロジェクト」もケニア・ワイルドライフ・サービスと仕事の段取りを打合せ済みです。

ケニア・ワイルドライフ・サービスはケニアの野生動物が生息しているナショナル・パークや
ナショナル・リーザーブを管理する政府機関です。

このように士気と鎚音の高い道普請人ケニアの一月の状況です。
今年もみなさまの御支援のほどお願い申し上げます。

道普請人のチーム・ワーク物語

みなさま。

ホーム・ページでおわかりのように、道普請人は東南アジアとアフリカに散らばり
「土のう」の道作りを展開しています。

2011年9月11日現在の道普請人の散在状況は次のとおりです。

理事長の木村亮教授はフィリッピンから日本へのフライト中です。

理事・事務局長の福林博士はパプア・ニューギニア。アジア開発銀行のプロジェクトで汗を流しています。

職員・京都本部事務長の酒井はガーナで道作り中です。

研究員の本庄はケニア・ナイロビで論文の草稿を練っています。

ケニア駐在の喜田と松本はエルドレットでホーム・ステイを終える京都大学の3人の学生
ボランテイアを迎えに行こうとしています。

道普請人は、世界に散らばりながらも木村教授を核に各人の知恵、技術、経験を寄せ合う全員プレイのチームとして機能しています。

2011年9月7日、ケニアで道普請人にとって画期的な出来事が二つありました。

一つ目は、日本国外務省から道普請人ケニアに助成して頂けることになったことです。
木村理事長の代理として喜田が在ケニア日本国全権大使閣下と署名式を行いました。

二つ目は、ケニア農村道路公社総裁との協議の結果、道普請人と農村道路公社がお互いにパートナー関係を樹立することで合意したことです。

このことは、日本国政府とケニア政府が同じ日に「土のう技術」「土のうの道」の有効性を
確認し認知したということです。

これは、ケニアでの出来事ですが、道普請人チームの知恵と努力の総和で成し得たことです。チーム・ワークによる一歩前進です。

ひょっとしたら、ケニア農村道路公社とのパートナー・シップ樹立がなぜ画期的なことなのかという疑問がわくかも知れませんね。お答します。

道路は公共財でケニア共和国の財産です。外国のNGOが勝手な工法で道路補修を実施することは法的に許されません。「土のうの道路補修工法」はケニアにとってまったく新しい
技術です。
ケニア政府の道路行政を担う機関が道路補修の新規技術として公式に認知・採択して始めて政府仕様工法になるわけです。

ケニア農村道路公社とパートナーになるということは「土のう技術」をケニア政府が
公式に認知・採択したということです。

道普請人は、今後ケニア国土のどこででも「土のうの道」を展開してよいとの政府の公式のお墨付きを得たことになります。

ここまで来ると、道普請人ケニアにとって、後は道路補修資金だけの問題です。

日本国外務省に助成してもらえることが決まったので、日本国政府資金で「土のうの道」を
伸ばして行くことができます。

先に農村道路公社資金で施工したマラクウェット・イースト県の道路の評価が高く、
公社職員から返り注文が来ると知らされています。

ニャカチェというビクトリア湖に近い国会議員選挙区からもケニア政府資金による道路補修の引合いがきています。

開発途上国で活動を展開するNPO/NGOの中で、道普請人のように相手国のなけなしの
政府開発資金を獲得できる可能性を持つ組織がどれだけあるでしょうか? 
道普請人は不可能に近いことをチーム・ワークで一歩一歩成し遂げて行っています。

今後ともNPO法人道普請人に御支援頂けますよう御願申し上げます。