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地球を塗りかえる物語

みなさん。


トヨタ自動車さんの助成のお陰で道普請人は壮大な構想を地上で

実現しつつあります。


北緯1度20分、東経35度にチェランガニという山系があります。
頂上が3,000mを超す山群です。
チェランガニ山系はケニアの五大水源地の一つです。
チェランガニ山系はビクトリア湖、ナイル川、エジプトに至る壮大な水系の源 でもあります。


チェランガニ山系は土地なし農民が侵入して森の木を切り倒し農耕を営んでいました。大切な水源地の用をなさないのでケニア政府は

侵入民に国有林の外に移住してもらいました。



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本来自然林でなければならないチェランガニ山系が切り拓かれ
畑になり草山になっている現状の風景です。地域住民、森林
公社と協働で道普請人は元の自然林に還すための植林を行って
います。


道普請人はチェランガニ山系の森林再生に名乗りを上げた最初のNGOです。騒ぎ回って大事に持ち込む得意技を駆使し地域選出国会議員、県知事、  地域住民、森林公社を巻き込んで森林再生の連携体制を整えました。
森林再生の植林部隊の主役は地域住民です。30,000本を超す植林用苗木は森林公社の無償提供です。チェランガニ国有林のどこに植林するかは地域住民と森林公社と道普請人で話し合って決めました。


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植林部隊の主役チェランガニのお母さん、お父さん方です。
日常が登山生活の豪傑たちです。森林公社のレンジャーズ
もライフル片手に植林に参加です。


30ヘクタール余りの植林を完了しました。まだ雨が降り続いているので、さらに10ヘクタール植林します。



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左からコミユニテイのお母さん、森林公社職員、道普請人
スタッフのビヲット君が在来樹木のクロトンを植えています。
官民協働によるチェランガニ山系の森林再生活動の一コマ
です。



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お父さんも植えます。お母さんも木を植えます。豊かな
森になって子供達が自然の潤いに恵まれた生活が送れる
ようにとの願を込めています。


先日、国会議員環境委員会が視察に訪れました。騒がしく賑やかな森林再生活動が中央政府レベルに認識され大きな前進です。


「チェランガニ山系は、ビクトリア湖、ナイル川、エジプトを経て地中海に注ぐ  全長7,000kmの国際的に極めて重要な水源地なん」。これが私の最近のスピーチの定例句になっています。



2011年8月9日記

昼飯の問題物語

みなさん。


前に長崎大学の医学部教授に質問したことがあります。「先生ラーメン屋さんの列にならんで35分」「やっとラーメンが来ました」「割りばしを割った途端に電話です」「患者が目を回しています」「先生ならどうします」「ラーメン食ってから駆けつける」「食わずに駆けつける」。教授は「うむむむ」「それは難しい哲学的な問題やなあ」と答えました。


私どもの現場は飛びっきりの辺鄙な田舎。オフィスから片道150km。道中何が起きても不思議でない毎回の冒険物語。訪ねるのに決心がいるくらいの悪路です。


現場に着けば炎天下の砂漠みたいな所の7km歩きや急峻な崖の登山が待っています。


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摂氏35度の炎天下、マセンゲの木の回廊を延々たどって
ペルケラ川の土手積みの現場に向かっています。


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急斜面を下っている登山隊です。ああ間違ったNPO
巡回指導です。下っただけ登らなければ帰れません。



お父さんお母さん方は律儀ですから連絡を入れると私らの到着を現場でえんえん待っているわけです。


「昼飯」を食わずに行くと、空腹でふらついて転んだり、滑って川に落ち込んだりします。そうするとお父さんお母さん方は手をたたいて大笑いします。人の難儀を笑いと喜びの種にするのです。怒って「あんたらええ加減にせんかい」「仕事じゃ仕事じゃ」と言うとまた高笑です。


「昼飯」を食って行くと、「ははあん」「飯食ってきたやろ」「わたしら待しとって」とニタニタ顔の目線で責められているようで罪悪感に陥ります。


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巡回指導に出た時に哲学的な問題となる典型的な昼食
です。ヤギ肉のグツグツ煮(チェムシャ)、トウモロコシ
団子(ウガリ)とヤギの内臓のグツグツ煮(マツンボ)が
テーブルに並んでいます。

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これも典型的な昼食です。ヒツジの焼肉(ニャマチョマ)

です。


NPOにとっても「食っていくか」「食わずにいくか」は判断に迷う哲学的な問題ではあります。

2011621日記

ちょっと良い話物語


みなさま。

2011531日、バリンゴ湖近くのムガンボ・グループを訪ねました。

公益信託 大成建設自然・歴史環境基金さん助成のプロジェクト完了日です。

グループは騒ぎ回ることで国会議員選挙区開発資金700,000円を獲得しました。

資金を利用してブルドーザでペルケラ川の新水路掘りをしました。

ペルケラ川の氾濫でグループの居住地が毎年洪水にみまわれていたからです。

見事新水路にペルケラ川が流路を変えています。

川と居住地の距離が少し遠くなりました。

新しい川岸には念のため土のうを積んでいます。



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ペルケラ川が新しい水路をゆるやかに流れています。
土手には「土のう」を2段積んでいます。この上に
川の土砂で被いをします。マサイの親戚のお母さん
お父さん方、頭が下がるぐらい良くやってくれました。


「ありがとう道普請人さん」。

「あんたらには感謝しきれんの」。

「あんたらが来てくれたけん私ら自分自身を変えることができたん」。

2002年から洪水洪水言うだけでわたしらなんもせんかったん」。

「今年1月あんたらが私らを起こしてくれたん」。

「あんたらが私らに気付かしてくれたん」。

「あんたらの勇気付けでやったらやれたん」。

嬉しい演説ごっこで成功プロジェクトが終了しました。


余談ですが、
プロジェクト実施中グループに男の子が生まれました。
その子は私にちなみ私のマサイ名「レンカケニア」と
名付けられました。レンカケニアはマサイ語で昇る
太陽の意味です。


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プロジェクトの完了式風景です。ブッシュに始まり
ブッシュで終了したプロジェクトです。別れは
マサイ・ダンスで見送ってくれました。


201162日にはカプタベー・グループの代表二人がオフィスを訪ねてくれました。トヨタ財団さんの助成で「土のうの道を」2年間やったグループです。三井物産環境基金さんの助成で苗作りもしました。16,000本の苗を作りグループの資産を64万円増やしました。グループは「道直し」OGOBが設立したウアシンギッシュ・ルーラル・デイベロップメント・アソシエーション通称協会のメンバーです。

「わたしらの苗どんどん売れとん」。

「ほんで農業省に応募したら12万円くれることになったん」。

「ほんから国会議員選挙区開発資金にも応募したん」。

「ほんだらまた当たって60万円もらえることになったん」。

「道普請人が来てくれてからわたしらの未来が開けてきたん」。

「今日はグループを代表して感謝を伝えに来たん」。



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カプタベー・グループが作り上げた苗圃場風景です。
三井物産環境プロジェクトでカバーした4グループ
の内一人当たりの苗生産数ではトップの成績でした。
柱がいがんでいるのと日よけが貧乏くさいのが愛嬌に
なっています。


二つのグループは奇蹟のスピードで成長しています。成長の引き金を引いた道普請人ケニアが追い抜かれそうな雰囲気。格好がつかないので頑張ります。


201164日記