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2013年初頭の道普請人ケニア物語

みなさま。
2013年おめでとうございます。
私ども道普請人ケニアは1月3日から今年の仕事を始めました。
トヨタ自動車さん助成の環境プロジェクト。三井物産さん助成の環境プロジェクト。日本国外務省さん助成の「土のう」による道路補修訓練プロジェクト。これらが去年から年をまたいで動いている実施中のプロジェクトです。
再助成が大きく期待されている案件もあります。それは去年実施した国連ILOプロジェクトの2013年度バージョンへの再支援です。
現在の道普請人ケニアのスタッフ数は、ケニア人6人、日本人3人の計9人です。外務省プロジェクトの予算規模が大きくなり、仕事量をこなすためスタッフが増加しました。期待どおり国連ILOからの助成を得ることができた場合には、土木工学士をさらに2名採用する計画です。


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道普請人のケニア人スタッフです。手前左から時計回りにエンジニアのコリンズ君、環境・園芸・総務補佐のビオット君、エンジニアのキプエゴン君、会計補佐・渉外のメリー、エンジニア補佐のジュグナ君です。国連ILOプロジェクトの再助成に備え、案件実施のシュミレーションをしている風景です。

道普請人ケニアの「土のう」を利用しての道路補修訓練活動地域も拡大傾向にあります。
2012年10月から2013年9月を期間とする外務省プロジェクトではナイロビ郊外のキアンブー、ムランガにおける10箇所の農民グループを対象とする「土のう」訓練が予定されています。
期待されているILOプロジェクトの助成が決まれば、ビクトリア湖畔のキスムからナイロビの東側のマチャコスまで一挙に「土のう」による道路補修訓練地域を広げなければなりません。
そこで私どもは今年のできるだけ早い時期に「道普請人ケニアのナイロビ事務所」を稼動させる予定にしています。在ケニア日本大使館、国連ILOとの折衝やナイロビ近隣地域での「土のう」訓練への便益を図るためです。


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2009年にエルドレットで始めた「土のう」による道路補修訓練活動。2013年の今年、西はビクトリア湖畔のキスム、東はナイロビをとおり越してマチャコスまで訓練活動域が一挙に拡大する雲行きです。

「土のう」技術と工法がケニア政府の正式道路整備技術として採択された現在、道普請人ケニアは2013年をさらなる飛躍の年として真摯な努力を継続していく所存でございます。
今後とも宜しく御支援頂けますよう御願い申し上げます。

NPO法人道普請人の「土のう」技術がケニア政府公認の道路整備工法となった物語

みなさま。
私ども道普請人の理事長木村亮教授は神出鬼没です。先にポルトガルから電話で「ブログさぼっとったらいかん」の注意が来たと思ったら、2012年12月9日には南スーダンへの道すがら急遽ナイロビに来て「舟盛り寿司」の前で「ブログ、ブログ」です。冷汗が出ました。


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すぐブログを書くように指示を受けながら木村先生の心づくしのお寿司を頂きました。ケニア・スタッフの松本さんが喜び顔で舟盛り寿司をながめています。2012年12月9日、ナイロビの「故郷」にて。


外務省プロジェクト。国連ILOプロジェクト。現場活動を急転回させることにかまけていました。半年もブログを書くことを休んでいました。ごめんなさい。


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国連ILOスタッフによる若者訓練の現場視察です。2012年7月12日、エルドレット郊外のカプタベエーにて。

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木村理事長と酒井職員の国連ILOへの表敬訪問です。ナイロビ郊外のギギリにある国連コンパウンドでランチをとりました。左から時計周りに木村先生、酒井職員、ILOのエンジニア・キダヌ、松本ケニア・スタッフ、ILOスタッフの小笠原さん。2012年8月16日、ナイロビの国連にて。

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在ケニア日本大使公邸における晩餐会の一こまです。左から木村理事長、高田大使閣下、道路省道路次官エンジニア・キリモ、道路省大臣Mr.フランクリン・ベット。2012年8月16日のことです。

こんなことの矢先。道普請人にとって歴史的なことが起こりました。
2012年12月13日のことです。
道普請人ケニアは、道路省から道路大臣が発表する「ケニア政府の2013年―2017年の道路整備政策書」のお披露目式に招待されました。
ケニア道路行政高官、道路整備を支援するドナー諸国代表者など200人余りが招待されていました。
お披露目式上、ケニア農村道路公社のムワンギ・ムインギ総裁により「土のう」技術と工法が成功プロジェクトの事例として招待客にプレゼンされました。
招待客に配布された道路整備政策書「Roads 2000 Strategic Plan 2013-2017」には「土のう」技術と工法が記載されています。
このことは、「土のう」技術がケニア政府公認の道路整備工法に採択されたということです。
したがって、今後ケニア国土のどこであろうと「土のう」を利用しての道路整備や補修が合法的になったということです。


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2013年―2017年版、ケニアにおける道路整備政策書の公式発表を宣言する道路省大臣フランクリン・ベット氏です。2012年12月13日、ケニア国際会議場にて。

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ケニアの道路整備政策書のお披露目式において記念撮影中のケニア道路行政の高官達です。前列椅子に座っているのが左から道路省事務次官エンジニア・カマウ、道路大臣フランクリン・ベット氏です。同じく2012年12月13日、ケニア国際会議場にて。

このように「土のう」は、ケニア道路省の技術として採択されました。奇跡に近いこの成果はみなさま方の御助成の賜物であります。同時に神出鬼没の理事長 木村 亮 京都大学教授を総帥とするNPO法人道普請人総員のチーム・ワークの力によるものと自負するところであります。

以上

国連ILO物語

みなさま。
相変わらずアフリカは障害物競走の大陸です。
コンピューターがつぶれたり。
勝手気ままに停電したり。
必要な時にインターネットが繋がらなかったり。
人の人生を邪魔する災厄の連続。
でも痛めつけられっぱなし状態で居続けることはできません。
建設的な方向に大きく舵を切り幸福度を増進させる風が国連から届けられました。

国連ILOのエンジニア・キダヌから電話です。
「Mr.キタ」。
「道普請人ケニアとの契約」。
「契約の準備が整ったけん」。
「ナイロビに署名しに来てくれる」。


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国連ILOのチーフ・テクニカル・アドバイザー、Mr.キダヌです。
彼と共に20組織の若者グループ500人を訓練して「土のう」を使っての
道路補修業者に育成するのが今回署名したプロジェクトの目的です。


前回の日本国外務省との契約の前例に準じ、私がNPO法人道普請人理事長木村亮京大教授の代理として、2012年5月20日にILOとの契約書に署名しました。

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2012年6月4日、国連ILOプロジェクトの道路補修訓練を開始しました。エルドレットの市街道路を訓練地として5グループ125人の若者を訓練しています。

道普請人ケニアがNGO活動を開始したのは2009年1月です。活動開始から3年5ヶ月の時を経て、草の根レベルから始めた「土のう」の道路補修活動は、今回、国連のILOプロジェクトとして採り上げられることになりました。
この成果と業績はひとえにみなさまがたの御支援を有効活用できた賜物と深く感謝致しております。道普請人ケニアは引き続き真摯な活動を続けてまいります。今後ともみなさま方の御支援を頂けますよう御願い申し上げます。