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赤道の下で起きる連続する奇跡物語

みなさま。


2012年7月1日。ケニア北西部。

エルドレット・タウンのランガス地域の人々は日本国外務省からの賓客、国際協力民間援助連携室山口室長を迎える興奮に沸き立っていました。


ランガスは泣く子も黙る人に怖れられたスラムです。

貧しい人たちの住むどちらかと言えばなおざりにされているゴミゴミした地域です。


外務省さんから助成を受けた道普請人ケニアはこのスラムでおっかなビックリの及び腰しながら「土のう」の道直し訓練を実施しました。ゴミの堆積したグチャグチャの凄まじい道です。以前追いはぎに人が殺されたところです。


訓練を受けるスラムの若者たちは「土のう」で道が直せるということを信じていない顔つきです。酔っ払いの叔父さんは「中国人か」。「道直しやて」。「機械が来るんか」。「土のうで道直すやて」。「法螺もええ加減にせんかい」と絡んできます。


見ることは信じられることです。ゴミの山のグチャグチャを10メートル立派な「土のう」の道に作り変えた時、私どもの訓練生はランガス・スラムの英雄になりました。


「土のう」技術。日本の援助。ランガスの住人は山口室長をもみくちゃの大歓迎でもてなしました



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2012年7月1日。日本国外務省の国際協力民間連携室山口室長が、エルドレットのランガス地域の「土のう」訓練現場を視察されました。なおざりにされているスラムに暖かい日本の援助を届けてくれたお礼にランガスの人たちは山口室長を大歓迎でもてなしました。記念植樹する山口室長です。



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テープ・カットで「土のう」の道の道開きをする山口室長です。



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歓迎陣のランガスの人々に取り囲まれて歓迎式典場に導かれる山口室長です。



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歓迎の踊りに無理やり巻き込まれしかたなく踊っている山口室長です。


視察を終え空港へ向かわれる時、山口室長は「「土のう」による道路補修訓練と「土のう」の道がケニア社会の役にたちケニアの人々から喜ばれていることが良く理解できました。しかし、「土のう」道路の持続的発展性を考えるときには、ケニア側の自助努力でどんどんと「土のう」の道が出来て行くようになって欲しいですね」と言われました。


これは難問です。答えの出ない禅の考案のようなものです。ケニア側の自助努力で「土のう」の道が出来て行くシステムの構築。山口室長のケニア視察以来、寝ても覚めてもこれが重い心の宿題になっていました。


しかし、奇跡が起こりました。


2013年5月20日から始まる週。奇跡の一報が飛び込んできました。


「エルゲヨ・マラクウェット・カウンテイ議会が、少なくとも一年に一本以上は「土のう」の道を建設して行くと議決した」という一報です。ケニア人の意志でケニアの予算により「土のう」の道が出来て行く。山口室長から課せられた宿題の解答が一年を経ずに得られたのです。



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2013年4月19日。エルゲヨ・マラクウェット・カウンテイの選出知事エンジニア・トルゴスに対する表敬訪問です。左から時計回りに、「土のう」訓練した若者のリーダー、農村道路公社エンジニア・チェセレック、道普請人ケニアの喜田、同エンジニアのキプエゴン、同パブリック・リレーションのメリー、知事のエンジニア・トルゴスです。


「土のう」の訓練をした地場の若者を動員してカウンテイ政府に売り込ませる。農村道路公社のエンジニアに「土のう」道路の品質をカンウテイ政府にきっちり説明させる。道普請人ケニアが表敬訪問するなど、手間暇をかけて真摯に説明すると奇跡も起きるのです。


ケニア側の自助努力で「土のう」の道が作られて行く。この持続発展性の突破口を開くことが出来た道普請人ケニアは残りの46カウンテイ政府にエルゲヨ・マラクウェット・カウンテイの既成事実を全力で広めていきます。


外務省の梅田国際協力局長による「土のう」訓練現場の視察物語

みなさま。


今回も道普請人ケニアにはとてつもなく名誉なことが起こりました。



2013年2月15日金曜日、在ケニア日本大使館の秋山書記官より電話です。

「喜田さん」。

「2月26日火曜日午後外務省の国際協力局長に「土のう」の現場に行ってもらっていいですか」。

「ははははい」。

「あああありがとうございます」。

「だだだ大歓迎します」。

腰を抜かしそうになりどもりながらの返答となりました。


ありえないようなことです。国際協力局長のケニア出張は2月25日26日27日の3日間。限られた時間の中で農村道路の補修現場を視察して頂けるなんて。名誉な奇跡です。



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外務省さんの助成によるナイロビ近郊の「土のう」の道作り訓練現場です。ここに外務省国際協力局長が視察に来られるということで一大衝撃になりました。



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梅田国際協力局長をお迎えするためのプロジェクト看板が立ちました。「農民組織の持続的な活性化に向けた「土のう」工法を用いた農道整備事業」と英語で表示されています。


待ち合わせ場所から極めつけの悪路を45分。やっと現場に到着しました。



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スーツを着ておられる方が外務省の梅田国際協力局長です。局長の左側のコリンス君とポーリンが「土のう」工法の説明をしています。



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梅田国際協力局長にも「土のう」を並べて頂きました。


梅田国際協力局長は地域の長老や訓練生の代表からの多くの謝辞を受けられました。それらに答える形で「地域の人々の生活に即役立つ道の直し方を見せて頂きました」。

「私は日本に帰れば、人々の生活にこれほど役立つ訓練がずうっと継続して行えるような処置をとるよう外務省内に指示を出したいと思います」と述べられました。


うれしい梅田局長のお話です。国際協力やっとってよかった。NGOやっとってよかった。道普請人やっとってよかったと思いました。



ケニアとガーナの「グロリオーサ」物語

みなさま。

松本さんは出張のためナイロビからエルドレットに向かい車を運転中。

本庄さんは外務省さんのプロジェクトで、エンジニア・コリンス君とポーリンさんに動向してナイロビ郊外のギチツ・グループの「土のう」訓練に同行。


ビオット君はトヨタ自動車さんの環境プロジェクトのため辺境のマラクエットで住民の水源に動物が入らないように有刺鉄線の柵を張っています。

ジュグナ君はこれも片田舎のライキピアで三井物産さんの環境プロジェクトの池掘り中。


会計のメリーさん、エンジニア・キプエゴン君と喜田はエルドレット・オフィスで執務中。

これが今日現在の道普請人ケニアの動きです。三つの現場で同時並行して「土のう」と環境の訓練が進行しています。2013年3月4日のケニア国あげての総選挙をひかえ駆け込みの大忙しの一日です。


忙しい時こそ忙中閑。のんびりくったりのどかさが必要ではないでしょうか。そこで野に咲く艶やかな野生の花「グロリオーサ」物語です。


みなさん「グロリオーサ」という花をご存じですか。アフリカ原産のユリ科の花です。派手で希少でけっこう高価な花です。私は専門が園芸なのと以前フローリストだったので車を運転しながら通りすがりのブッシュに咲いているのを見つけることができます。


続く写真が派手派手しいケニアで見られる「グロリオーサ」です。「土のう」訓練の帰り道で見つけました。



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これが雨期に咲くケニアの野生のグロリオーサの花です。花と葉が写っています。葉の先にはキュウリと同じような触手があり、触った物に巻き付いていきます。



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ケニアの農場の境によく見られるランタナに巻き付いて咲いているグロリオーサです。左下にピンボケですがランタナの花も見えています。




次の写真がガーナで見られる「グロリオーサ」です。20129月、NPO法人道普請人の仕事で木村亮理事長、スタッフの酒井さんとガーナの首都アクラで会合しました。アクラ郊外のコミユニテイの人々に木村先生の指揮で「土のう」による道路補修のデモンストレーションをしました。その帰り道で見つけました。



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ガーナの「グロリオーサ」はケニアのと比べてあまり華やかでないです。

サバンナの風のブログ-ケニアとガーナの「グロリオーサ」物語
あまり華やかさはなくても黄花の「グロリオーサ」も特異な形態でやはり魅力のある花ですね。


これを書いている内に松本さんがナイロビから無事到着しました。そこで「おまけ」にケニアとガーナーのバオバブの写真をサービスします。


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ケニアのインド洋岸近くの乾燥サバンナにそびえ立つバオバブの樹です。根元右下に人が立っています。




サバンナの風のブログ-ケニアとガーナの「グロリオーサ」物語
ガーナの大西洋岸で見つけたバオバブの樹です。


別にえこひいきではありませんが「グロリオーサ」も「バオバブの樹」もケニアのものがガーナのものより華々しくて立派に見えてしかたありません。