シートと一包化とは?~メリットデメリット~【薬剤科】 | 湘南慶育病院オフィシャルブログ

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こんにちは!薬剤科ですニコニコ

 

皆さんは病院や調剤薬局で

お薬を受け取る時、どのような形

お薬を受け取りますか?

 

風邪をひいたときや、花粉症でお薬を処方されたときの多くは

「PTPシート(Press Through Package)

渡されることが多いと思います電球

PTPシートと似た包装で、「SP包装(Strip Package)」

いわれるアルミ箔やセロファン等を使用した、ラミネート包装もあります。

風邪や花粉症など、一時的な症状に対しては

上記のようなシートが多いです薬

患者さんによっては、毎日決まったタイミングで

服用するお薬(常用薬)の場合は

()包化(いっぽうか)にて

調剤されることがあります。

一包化とは

数種類の服用タイミング同じお薬をPTPシートや

SP包装から取り出して、

1つの袋にまとめる(分包)することです上差し

 

当院では入院中・退院時の多くは一包化にて調剤しています。

 

それぞれの調剤の方法にメリットデメリットがあります。

比較しながら簡単に紹介したいとおもいます。

シート(PTPシート・SP包装)

メリット

1.       調剤に必要な時間が少ない(待ち時間が少ない)。

2.       包装されていることでお薬の識別が簡単である。

3.       シート状のためかさばりにくい

4.       包装されていることで湿気・酸素・光・紫外線から守られる

〇デメリット

1.        手が不自由な人や力がない人には取り出すことが困難である。

2.        1回の服用タイミングに服用する錠数を確認しながら服用する必要がある。

     また、種類が多かったり飲み方が複雑な処方の場合に飲み忘れの可能性が

     高くなる(服薬管理が困難)。

3.        包装から取り出さずに服用してしまう(誤飲)可能性がある。

4.        包装に記名や日付等を記入することが難しい

 

一包化

●メリット

1.       手が不自由な人や力がない人でもすでに錠剤が取り出されているため、

    分包を開封できれば容易に服用できる。

2.       服用タイミングごとに服用するお薬がすでに分けられているため、

    飲み忘れの可能性が低くなる(服用コンプライアンスの向上)。

3.       お薬の種類が多かったり飲み方が複雑な処方の場合、

    分包することで飲み忘れや飲み間違えの可能性が低くなる。

4.       包装からすでに取り出されているため、誤飲の可能性は低くなる

5.       包装に記名・診療科・日付/曜日・服用タイミング・入っている薬の名前や錠数が

    記載できる※1ため、違う患者さんへの投薬や違う日付での服用のリスクが減少できる

    ※1:当院での分包についてです。分包の表示は各医療機関や調剤薬局で異なります。

〇デメリット

1.       錠剤を取り出して機械で分包するため、調剤に時間がかかる(待ち時間が長い)。

2.       包装から取り出すため識別が困難になる。お薬によっては製薬会社独自の

    記号が刻印・印字されているだけの錠剤が多くあり、見分けがつきにくいお薬が多いため。

3.       服用タイミングごとに分包するため、日数や服用タイミングが多い分かさたかくなる

4.       湿気・酸素・光・紫外線に弱いお薬は分包できないため、分包せず調剤せざるを得ない。

5.       1回分にお薬が全てまとまっているため、どのお薬がどのような薬効を持っているか

    分からなくなる可能性があります。

6.       お薬の内容に変更や追加があった場合、変更や追加の内容に合わせて

    調整する必要があります。

 

シートと一包化はそれぞれ良い点悪い点があると思います。

服用する患者さんの環境や背景に見合った方法で調剤することで

服用コンプライアンスは向上すると思いますウインク

そのため、医療機関にかかった際には病院薬剤師調剤薬局の薬剤師

相談するのも良いかもしれませんキラキラ

 

(薬剤科)