みなさん、こんにちは毎月院内向けに発行している「花川病院DIニュース6月号」をブログでご紹介します
今月は「薬の保管」について記載しています
雨の気になる季節になりました近年、北海道でも「蝦夷梅雨」という6月中旬から下旬にかけて10~15日程度の梅雨に似た時期があります気温、湿度の変化は薬にも影響があることがあります。体調を崩すのはいつも突然ですいざという時に活用できるよう、正しく保管しましょう
食料品と同じように、薬の保管にも注意が必要です。薬の成分が変質すると作用に悪影響を及ぼしたり、保管の不注意が子どもの誤飲事故を招いたりする可能性があります。薬の効果を保ち事故を防ぐために、保管の際のポイントをいくつか紹介します
① 高温・多湿・直射日光を避ける
薬は温度・湿度・光等の影響で有効成分が分解されてしまう事があります。そのため、製薬メーカーが「一定の条件で有効成分が分解されるか」および「製剤が安定かどうか」の試験を行い、その結果で保管方法が決められています。一般的に薬の保管場所は暗くて涼しい場所が適しています。
② 冷所保存の指示がある場合は冷蔵庫に保管する
主にシロップ剤や目薬、坐薬、未開封のインスリン等です。但し、シロップ剤は子供がジュースと間違えて飲んでしまうことが時々ありますので子供の手の届かない所に置きましょう。冷所保存の薬は凍結させないよう、扉側に置く等して注意してください。凍ってしまうと、薬が変化し、室温に戻しても元に戻らない場合があります。また、室温保存の薬を冷蔵庫で保存すると、冷蔵庫内の湿気や取り出した際の温度差によって結露し変質の原因になるので注意しましょう。
③ 薬以外のものと区別して保管する
食品、殺虫剤、防虫剤等と一緒にしまっておくと、間違って飲んでしまう危険があります。救急箱や薬置き場など、薬だけを保管する場所を決めましょう。また、薬は個人ごとにとりまとめておくと、誤飲の防止につながります。
④ 薬は容器を移し替えないように保管する
薬を他の容器に入れ替えると、何の薬か分からなくなったり、どうやって飲むものか分からなくなってしまい、本来の効果を発揮できません。また製薬会社は薬の性状に応じて包装に工夫を加えて対処しているので、シートから出して保管したり他の瓶に移し替えたりせずに保管してください。
⑤古い薬は捨てる
薬には使用期限があります。それを過ぎたら、もったいないと思わないで、捨てるのが基本です。(捨てる際は、お住まいの市町村の分別に従って捨ててください。)使用期限内でも、保管中に外観変化があるものは使用しないようにしましょう。
また、年に1回は薬箱を整理することを推奨します。
☆医療用医薬品(病院や調剤薬局でもらったお薬)
それぞれの患者さまの症状に合わせて治療に必要なだけ渡されるものですので、薬を処方された日数が使用期限です。
時がたち、同じ症状だからといってまた飲んだり、他の人にあげたりするのはやめて下さい。
原則正しく服用して使いきって頂くものですが、事情により余った場合は、薬剤師に相談してください。
☆ 一般用医薬品(OTC医薬品)
箱やラベル等に使用期限の記載があります。使用期限とは、未開封のまま適切な条件のもとで保存した場合、
メーカーが品質を保証する期限のことです。開封後は早めに使うようにしてください
⑥子供の手の届くところにお薬は置かない
乳幼児や小児の手の届かない場所(高いところ等)に保管してください。
そして、子供の目を引くようなお菓子の缶等には保管しないよう注意しましょう。
体の調子が良くて飲まなかった薬のことを[残]と言います。残薬は薬の適正使用や医療費の観点から社会問題の一つとなっており、厚生労働省の資料によると残薬の金額は年間500億円にもなると言われていますご自宅に残薬があると、飲み間違いの原因となってしまいます。飲み忘れにより余った薬なら、次回に処方日数を調整(残薬調整)することが可能ですので医師や薬剤師に相談しましょう
いかがだったでしょうか?何かわからない事があれば、花川病院の薬剤師にお気軽にお尋ねくださいね。(室内)