往馬坐伊古麻都比古神社 (往馬大社)
(いこまにますいこまつひこじんじゃ)


大和国平群郡
奈良県生駒市壱分町1527-1
(P有)

■延喜式神名帳
往馬坐伊古麻都比古神社 二座 並大 月次新嘗 の比定社

■旧社格
県社

■祭神
往古麻都比古神
往古麻都比賣神
氣長足比賣尊
足仲津比古神
譽田別尊
葛城高額姫尊
気長宿禰王


「生駒山」そのものをご神体とする社。「生駒山」は饒速日神が鎮まる山とも言われ、記紀に神名の出ない伊古麻都比古神は、饒速日神のことではないかとされる説が根強くあります。
◎文献に現れるのは雄略三年(458年)のこと。それ以前より鎮座し、山をご神体とする古代祭祀形態を残す社となれば、その説を受容したくなるのは当然の成り行きでしょうか。
神名帳では二座とあるので、饒速日神と三炊屋姫の夫婦神といったところかと。公式では産度神(産土神)としており、真相は不明。饒速日神が鎮まる前から信仰があった可能性も十分にあり得るかと思います。
◎そのご祭神は「火燧木神(ヒキリギノカミ)」と呼ばれ、火を司る神とされています。歴代天皇の大嘗祭では浄火を興す道具としての火燧木が当社より献上されています。なお、うち一座は祈雨の幣も授かっています。
◎中世の八幡信仰興隆の影響を受け五座が加わり、ご本殿は七棟が連座する姿は圧倒的。
10月第2週の例祭では、風神の龍田大社、水神の廣瀬大社ととともに火神の往馬大社が朝廷からの篤い崇敬を受けてきました。現在もその火祭りの壮大さは受け継がれているようです。

*写真は過去数年に渡る参拝時のものを掲載しています。








こちら側から見えるのは4~5棟、反対側から3~4棟見えます。