☆夢のわだ・中岩・滝つ河内


大和国吉野郡
奈良県吉野郡吉野町宮滝・喜佐谷
(展望台有り・P無し)


「吉野川」に「象の小川」が合流する地点に、風光明媚でまた神聖な史跡が集中しています。

「夢のわだ」はまさしくその合流地点。他の二ヶ所もすぐ側にあり一望できます。

この地は斉明天皇から持統天皇に至るまで「吉野宮」が営まれた宮滝遺跡の眼前。
天皇らがこの霊地を拝したことと思います。

また遺跡は縄文時代から人々が生活した地でもあり、縄文時代からの信仰対象であった可能性も。

「河内」とは宮ぼめの詞章に用いられる言葉。読みは「かふち」、現代語では「こうち」。

万葉集 巻1に以下の歌があげられています。

「やすみしし わご大君の 聞し食す(きこしめす) 天の下に 国はしも 多(さわ)にあれど 山川の 清き河内と 御心を 吉野の国の 花散らふ 秋津の野辺に 宮柱 太敷きませば 百磯城の 大宮人は 舟並めて 朝川渡り 舟競ひ 夕川渡る この川の 絶ゆることなく この山の いや高知らす 水激つ 瀧の都は 見れど飽かぬかも」

「秋津の野辺」は比定できていないようです。宮滝遺跡周辺のことであろうとはされていますが。

目に留まるのが「水激つ」と「瀧の都」、そして「舟」。

現在の雅なものとは異なる風情だったようです。「舟」が並び、競っていたということは今よりも遥かに水量があったのでしょう。

激しい流れの畔に宮を造るとは

概要については案内板を撮影した下の写真に譲ります。


この絵地図は上が南で下が北。

桜、紅葉の季節は桜木神社周辺への観光客でいっぱいになると思います。

この合流地点が「夢のわだ」。

この一連の岩が「中岩」なのであろうと思います。

この辺りが「滝つ河内」でしょうか。