巨星墜つ
オーディオ部屋でAmazonで注文していたジャズのCDを聴きながら、フとネットニュースを見てみたら坂本龍一さん死去のニュースが飛び込んできました。
あまりのショックに、慌ててCDラックから坂本さんの作品を引っ張り出してきて積み上げ、片っ端から聴き直しています。
1977年生まれの私はYMOをリアルタイムで聴いていた世代ではないけれど、YMOの音楽、坂本龍一さんの音楽は当たり前のように聴いてきて、ハマっていました。
YMOや坂本龍一さんの音楽に明確にハマったタイミングというのは覚えていないほど、自然に聴いていました。
戦場のメリークリスマスも、ラスト・エンペラーも当時、レンタルビデオ屋で借りて観たし、その後、自分で稼ぐようになってからはDVDやBlu-rayも買って何度も観たし、YMOや坂本龍一さんのCDやレコードもコンプリートは出来ていないけれどそこそこ揃ってます。
特に坂本龍一さんの作品では、1984年リリースの「音楽図鑑」から1999年リリースの「ウラBTTB」までの作品が好きで、「未来派野郎」や「メディア・バーン・ライブ」なんかは何回聴いたか分からないし、今でも聴くアルバムです。
晩年の作品は正直、あまり聴き込んでいませんでした。
あるタイミングからの政治的主張も、私の考えとは異なる部分が多く賛同はしていませんでした。
でも、それでも、坂本龍一さんの音楽はすっかり私に染み込み、体の一部になっています。
体調が悪そうな姿を見ると心が痛みました。
そして、逝去されたニュースを目の当たりにして本当に悲しくなりました。
坂本龍一さん、素晴らしい作品達をこの世に残してくれてありがとうございました。
これから坂本さんの残してくれた作品を聴きながら、ご冥福をお祈りしたいと思います。
ジャズ批評No.232 『マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2022』読んでね
気付けば今年初めての更新でした。
明けましておめでとうございます(苦笑)。
そんなわけで、ジャズ批評の最新号が発売されております。
毎年恒例の企画、皆さんの2022年に発売された作品からベストの5枚を紹介して貰う『マイ・ベスト・ジャズ・アルバム2022』と、音質の観点から2022年に発売された作品を紹介していく『ジャズオーディオ・ディスク大賞2022』が掲載されており、2022年に発売されたジャズアルバムのカタログ的な楽しみもある号になっています。
私も毎年、ライターの皆さんが紹介する作品を参考にさせて頂いております。
で、なんだかんだ今年も書かせて頂けたのですが、やはりマイ・ベスト・ジャズ・アルバムの「ベスト5」では紹介しきれない素晴らしい作品は数多ありますので、紙面で紹介出来なかった作品を簡単ではありますがご紹介させて頂きます。(手元にあった順で書いており、オススメ順では有りませんので予めご了承下さい)
GEIDAI PLAYS HONDA/ソプラノ・サクソフォン:本多俊之/東京藝大スペシャルウィンドオーケストラ
コチラの作品はジャズオーディオ・ディスク大賞の方でも紹介させて頂いておりますが、サックス奏者の本多俊之さんが、自身が客員教授を務める東京藝術大学の学生と教員陣(教授や准教授含む)とで結成したスペシャル・ウィンド・オーケストラと共演をした作品で、吹奏楽、ビッグバンドの楽しさが詰まっています。
大好きなフルート奏者高木綾子さんも参加をしているし、クラシックファンにもオススメ。
でも学生の皆さんも、在学中にこうして作品を形として残せるって、絶対良いよね。
ジャズ・ギタリストのレジェンド、中牟礼貞則さんの音楽活動70周年を記念して制作されたアルバムで、ゲストに佐藤允彦さんや渋谷毅さんなどのベテランを始め、石井彰さんや栗林すみれさんなどの中堅~若手ミュージシャンも参加して盛り上げている。
どの演奏も中牟礼さんのシットリとして哀愁のあるギターの音色が光っており、ゲストの皆さんも中牟礼御大との演奏を楽しんでいる様子が音になって聴こえてくるよう。
このアルバムを聴いているとウットリとした時間が過ぎていきます。
アルメニア人ピアニストTigran Hamasyanの作品で、曲毎にピアノトリオ、サックスとのデュオ、ワンホーンカルテットなどメンバー構成を変えて演奏しているので音の変化も大きく飽きません。
また、スピード感のある曲もバラードも、どの曲も一定以上の緊張感がありスリリング。
結構真剣に「対峙」しないとこの作品を楽しみきれないかもしれません。
が、一度ハマるとドップリ聴き込めてしまう1枚。
Last Day of Spring/VITALII KYIANYTSIA TRIO
ウクライナ人ピアニストVITALII KYIANYTSIAのトリオによる作品。
1曲目の「Spiral」から引き込まれてしまうシリアスな演奏は必聴です。
タイトル曲の「Last Day of Spring」もメロディーの美しいバラードで心に染みる1曲。
そしてエリック・サティの「Gnossienne」も曲の持つ妖艶さをたっぷり楽しめる演奏で素晴らしい。
マイ・ベスト~の方で紹介させて貰ったVADIM NESELOVSKYIの箇所でも書かせて貰いましたが、本作もロシアによるウクライナ侵攻前に収録された作品なので、もし今、この作品を再度収録することになったらどのように変わってしまうのか分かりませんが、2022年にこの作品が発売されたことに感謝。
デンマーク人作曲家・ピアニストMorten Schantzの作品で、どの曲もユニークで面白い。
変拍子や転調を多用する曲もあるが、それも自然と、必然的に展開していくので嫌味が無く「味」になっています。
どの曲も面白いのですが、タイトル曲の「Passenger」はドラマチックでオーケストラアレンジをしても楽しそう。
The Three Roses/Daiki Yasukagawa New Trio
ベーシスト安カ川大樹さんのトリオによる作品で、安カ川さんのレーベルDaiki Musicaの作品なので音質も流石!という1枚。
安カ川さんのオリジナル曲「Nocturne No.3」、なんて晴れやかで希望に満ちた曲なんでしょうか。55歳にしてこんな曲が書ける安カ川さんの感性に感激。
そして「Dona Dona」。そう、あの「ドナドナ」。哀愁はありつつも悲観過ぎずに美しい。
安カ川さんの美学が詰まった1枚のように感じます。
言わずと知れたジャズピアニスト高木里代子さんの流れるような流麗なメロディーと熱気溢れる激しいタッチの演奏を存分に味わえる本作。
1曲目の「Stella By Starlight」から高木さんの魅力たっぷりの演奏を堪能出来ます。そんなジャズ・スタンダードはもちろん、高木さんと言えば自身で作曲した曲もメロディーが美しくどっぷり浸ることが出来ます。
伸びやかに華やかに弾む演奏、ドラマチックに展開していくメロディー、どれをとっても素晴らしい。
ただ1点、個人的な好みにはなりますが、この躍動的な演奏を支える機動的なベースをウッドベースで聴きたかったかなぁ。
Fire in the West/NEIL SWAINSON
カナダのベテランベーシストNEIL SWAINSON率いる2ホーンクインテットの作品。
全曲NEIL SWAINSONの曲で、1曲目の「FIRE IN THE WEST」から小気味よいハードバップな演奏で一気に引き込まれます。
NEIL SWAINSONのベースとLewis Nashのドラムでドッシリと支えられたリズムセクションにより、ピアノ、トランペット、テナーサックスが縦横無尽に展開していき思わず唸ってしまう様なアドリブも展開され聴き応えのある1枚。
アルジェリア出身のマンドール奏者Anouar Kaddour Cherifによるドラム、ベース、バスクラリネットという異色の構成による作品で、これを「ジャズ」と呼ぶのに抵抗がある人も居るかもしれないけれど、いわゆるアラビック・ジャズ作品で有ることに間違いはありません。(アラビック・ジャズって、なんで途中で歌い出す曲があるんスかね?)
本作はジャズオーディオ・ディスク大賞の方では候補に挙げさせていただきましたが、マイ・ベスト~の方では他の作品を紹介したかったので挙げられなかったのですが、好きで何度も繰り返し聴いた作品です。
マンドールという楽器の特殊な音色はもちろん、アラビック・ジャズならではの独特な世界観、メロディーが堪らない1枚です。
VIM'N'VIGOR/Joe Farrell & Louis Hayes Quartet
最後はリイシュー作品。
オリジナルは1983年に録音・発表された作品ですが・・・ジャケットのインパクトが凄すぎです・・・
サックス奏者Joe FarrellがドラムにLouis Hayesを招いたカルテット構成の作品です。
1曲目の「ARAB ARAB」ではヘヴィーでハイスピードなトリオの演奏をバックにJoe Farrellのソプラノサックスが疾走するのが格好良いのなんのって。
70年代以降衰退をしていくジャズのなかでもゴリゴリにジャズをしている作品。
最後、5曲目のタイトル曲「VIM'N'VIGOR」も出だし2分のメロディアスなピアノソロから突然始まるカルテットの熱い演奏。
最初から最後まで格好イイ。(ジャケットはともかく
はぁ・・・年末からズッとジャズ漬けだったので最近はクラシックやPOPSの比率が若干高かったのだけれど・・・『BLUE GIANT』を観ちゃったからまたジャズ漬けになりつつある今日この頃です。
2022年、大宮の武蔵一宮氷川神社の大湯祭と十日市に行ってきた
毎年恒例の大宮の武蔵一宮氷川神社で12月10日に開催される催事「大湯祭」と、酉の市の「十日市」ですが、コロナ以降、2020年は中止、2021年は屋台の出店を取りやめ熊手販売も店舗数を削減、さらに時間を短縮しての開催だったため、旧大宮市民としては今年の例年通りの開催を願っておりました。
ただ、流石に未だコロナの影響もあり、屋台などの数は例年の約4分の1にあたる250店(2019年は出店数が約1000店舗)に抑制しての開催となりました。
そんな、あくまで抑制された開催であったとしても、土曜日、17時で終了ではない「十日市」が開催されるのであれば行かない訳にはいかないのです。
と、言う訳で、大宮駅で降り立ち、本当は東口の一の宮通りを通って二の鳥居から氷川参道に入っていけば良いのですが、せっかくなので一の鳥居から歩いて行きたいと思い、大宮駅東口から旧中山道を南下してさいたま新都心近くの一の鳥居へ。
一の鳥居の入り口は歩道と片道1車線の一方通行の道路が通っており、人通りは少なめ。
でも、流石今日は十日市。
普段よりは歩行者が多かった感じです。
で、一の鳥居から歩くのは久しぶりなのですが、なんだか以前よりも歩きやすくなった印象。
参道脇にも新しいお店がチラホラ。
以前から一の鳥居から二の鳥居までの区間は静かで散歩をするのに良い参道だなと思っていましたが、参道脇にこういうお店が増えてくるとさらに散歩しやすい環境になってきてイイ感じです。
大宮区役所が参道脇に移転してきたからなのか、参道の途中は歩行者専用になっていたり、「憩いの場」的な雰囲気が強くなったなぁ。
そんな氷川参道も二の鳥居まで来ると一気に人の数が増えてきます。
この二の鳥居は大宮駅から一の宮通りを歩いてくると合流する場所で、十日市の屋台もこの二の鳥居の周辺から出店をしているので、ここからは歩くのが大変になる程の人出になります。(一の鳥居からの区間は通りの幅が狭いので屋台の出店が規制されているんだっけ?)
ただ、確かに屋台の出店数が減っています。
いつもは参道の両サイドに隙間無くギッシリと。
更に参道隣の道路の両サイドにも同じく隙間無くギッシリと屋台が並んでおり、そこを人混みが押し合いへし合いでなかなか先に進めない・・・という状況になるのですが、今年はこんな感じです。
参道の片側と参道横の道路の片側に、ギッシリじゃない感じで屋台が並んでいます。
普通に考えれば「なんだ、結構屋台多いね」と感じるかもしれませんが、例年はこんな感じなので・・・↓
屋台が少なくなった分歩きやすいっちゃ歩きやすいのですが、それでもかなりの人出でまっすぐは歩けない感じでした。
やはりみんな、十日市を待ってたんですね・・・
で、二の鳥居から屋台を横目に歩いて行くとわりかしすぐに三の鳥居に到着します。
この三の鳥居をくぐると氷川神社の境内に入ります。
約2kmの氷川参道散歩もここで一区切りです。
境内に入ると、楼門手前の橋までの間にたくさんの熊手屋が並んでおり、彼方此方から熊手を買ったお客さんへの三本締めが聞こえてきます。
この熊手屋も昨年は出店制限でスカスカだったのですが、今年は昔通りとまでは言いませんがお店の数も戻ってきて活気も戻ってきました。
以前のようにごった返している熊手屋と参拝客の隙間をすり抜けながら氷川神社の楼門まで到着しました。
写真を撮って楼門をくぐろうとしてハッとしました。
イカンいかん、家から持ってきた去年の熊手と御守りを納めて居なかった・・・
ということで、踵を返して熊手と古神札の納所に行って熊手と御守りを納め、再び楼門へ。
お辞儀をして門をくぐればようやく拝殿と本殿に到着です。
拝殿でお詣りをして今年一年(未だ20日以上あるけど)のお礼をして、御朱印の行列を横目に新しい御守りと熊手を授かって境内を後にしました。
と、さぁ、ここからは十日市の楽しみの一つ。
屋台巡りだ!!
・・・と、思ったのですが、屋台で外れるとガッカリ感が半端ないし、結構歩いたのでちょっと休みたい・・・。
ということで今回は(も?)参道脇にある『氷川だんご』の店内に入って一息つくことに。
氷川だんごもお店の前には団子や甘酒、酒まんじゅうを求める行列が・・・
しかし、店内で飲食をする人は実はあまり多くないので穴場だったりします。
で、今回オーダーしたのはコチラ。
冷やしあめ
氷川セット(磯辺焼きだんご、揚げまんじゅう、酒まんじゅう、梅こんぶ茶)
味噌こんにゃく
いやぁ・・・ホッとするわぁ・・・。
結構歩きっぱなしだったので、気温は低いものの結構からだが熱くなっていたので、冷やしあめの優しい甘さと肉桂の香りで最高に癒やされる。
そしてほのかに甘くなった口を磯辺焼きだんごの醤油と焦げの香ばしさでリセットし、揚げまんじゅうと酒まんじゅうをパクり。
そして再び甘くなった口を梅こんぶ茶でリセットし、再び口の中を味噌こんにゃくの甘塩っぱさで満たす・・・エンドレス。
いやぁ、やっぱり氷川だんご、良いですなぁ。(夏はかき氷だしね)
で、氷川だんごで一息ついた後、参道から少し駅寄りにそれたところにあるレコードショップ「GRIS GRIS」で中古レコードを物色。
店主に話を聞いたら、やっぱり十日市の時だけ毎年来るお客さんも居るらしい。
まぁ、私も似たようなものですが・・・
で、熊手とレコードを片手に再び参道へ。
晩ご飯には未だ少し早い。
試しに久しぶりに行こうと思っていた参道の一の鳥居寄りにある台湾料理屋『台湾茶房e-one』を覗いてみるも、未だ準備中。
ただ、店内に店長と女将さんが居たので声をかけて夜のオープン時間18時で予約をさせてもらい、再び参道をぶらぶら。
今日も決行歩いたなぁ・・・
どこか喫茶店で時間を潰そうか・・・と言うことで、たまにジャズのライブの開催しているカフェバー『BIS』で時間を潰すことに。
さっき氷川だんごで飲み食いして、更にこの後ご飯を食べるというのに・・・
カシス・ペリエと、まるごとリンゴのアップルパイを注文。
カシス・ペリエは初めて頼んだけど、ペリエにお好みでカシスシロップを混ぜて飲むというのが面白い。
で、ここに来たら頼まなきゃいけないのが、マスターの奥さん手作りのアップルパイ。
サックサクのパイ生地の中にメチャメチャジューシーなリンゴが丸々と入っており、熱々のリンゴとパイをハフハフ言いながらアッと言う間に完食です。
この甘酸っぱい林檎の味とパイ生地のバターの香り、そしてほんのり香るシナモンの香りがたまらんですね。
で、そうこうしているといよいよ時間も18時に。
BISを後にして台湾茶房e-oneへ向かいます。
久しぶりのe-oneなので何を頼もうかな・・・と思っていたのですが、残念ながら頼もうと思っていた麺線はお昼の営業で売り切れてしまったとのこと。残念。
というわけで、コチラを注文。
台湾コーラ(黒松沙士)
揚げワンタン
台湾小菜
炸花枝丸(イカ団子揚げ)
台湾香腸(腸詰め)
魯肉飯
他にも色々と食べたいものはあったのだけれど、団子、アップルパイなどなど食い過ぎで、これでギブアップ。
あぁ・・・なんだか台湾料理ってホッとするような味の料理ばっかりだよなぁ・・・(台湾コーラも慣れれば美味い)
今度は食後に豆花を食べられるだけの胃の隙間を空けて来よう・・・
いやはや、今日は一日、十日市を堪能致しました。
屋台の数が少し残念ではありましたが、昨年の「屋台なし」、一昨年の「中止」に比べれば、やっぱり楽しい十日市でした。
土曜日だったと言うこともあり日中から参拝者も非常に多く、十日市の醍醐味を思い出せた一日でした。
来年は完全復活での開催を期待しています!!
久しぶりに楽しかった!!!



























