VIVID Audio GIYA G1、やっぱりスパイクを装着する
6畳半のオーディオ部屋に導入したVIVID AudioのGIYA G1-S2ですが、低音が出すぎて部屋中が低音で満ちてしまうという問題がありました。
やっぱりね、部屋のサイズに対して大きすぎるんですよ、GIYA G1。
特に、上部はシューッと細くなっているのにエンクロージャの下部に行くにつれてどんどん太くなり写真で見る以上に大きいので、沈むような低音が出やすい構造になっているわけです。
それ故に、部屋に充満した低音が中~高域の繊細な音の邪魔をしてしまいます。
低音が邪魔をしないときの中~高音の音色と言ったら、もの凄く自然で繊細で、部屋の奥行きをモノともしない広大な空間を眼前に広げてくれるのですが、重低音が万円した部屋では繊細さが埋没してしまい、空間も狭くなってしまうのです。
なので、この低音を攻略しなければその後の調整もあったもんじゃない・・・と、どうしようか悩んでおりましたが、そう言えば・・・と。
現在、GIYA G1は搬入の際に標準で付けていたフラットフット(標準設置用の脚)を装着しているのですが、GIYA G1にはスパイクが標準添付されています。
設置作業中に失敗すると床か手に穴が開くヤツです。
このスパイクをスピーカー1台につき6個装着しなければならないのですが、70kgの本体、しかも寝かせて設置するスペースもないのでどうやって装着しようかと・・・
それにしても左右のスピーカーで12個もコイツを装着しないといけないのか。
ちなみに、このスパイクを下で受ける為のスパイク受けは付属しておりません・・・
さて、スパイクを装着すると決めたらスパイク受けを用意するしかありません。
思い立ったら吉日と、TAOCのスパイク受け「PTS-A」を発注です。
合計で12個必要だから、4個入りのPTS-Aを3箱買わないといけないのか・・・チョットした出費だなぁ。
そんな訳でTAOCのPTS-Aが届きました。
さすがTAOCのフラグシップスパイク受け「PTS-A」、アドバンスドハイカーボン鋳鉄製で1個115g、1箱で620g、3箱で1860gとかなりの重量です。
ちなみに、このスパイク受けと対になるスパイクがセットになったインシュレーター「TITE-35S4」はORACLEのCDトランスポート「CD1000mkII」で使用しています。
さて、そんなわけでスパイクの取り付けなのですが、試しに左チャンネルの片側3個はなんとか一人でスピーカーを傾けながら取り付けられましたが、残り3個はスピーカーをスパイクを取り付けた側に傾けながら取り付けなければならず、さすがに一人では二進も三進もいきませんでした・・・
ちなみに、スパイクを取り付ける前に取り付けていた標準のフラットフットはこんなヤツです。
そんなわけで、普段はオーディオ関連で家族に何かを手伝ってもらう事はないのですが、さすがに家族を召還。
スピーカー付属品のラバーのイボイボ付き軍手を付けてもらって、スピーカーを傾けた状態を維持してもらいます。
片チャンネル70kgのスピーカーではありますが、持ち上げるわけでは無いのでそんなに大変な作業ではないのですが、さすがに一人では無理。
そんな調子で何とか全てのスパイクを取り付け、GIYA G1用に特注した御影石のスピーカーボードにスパイクが穴をあけないように(割らないように)TAOCのPTS-Aでスパイクを受け、スパイクのネジを回しながら12か所全ての高さ調節が完了。
スパイクを取り付けるのに30分ほどかかってしまいました・・・
さぁ、これで準備完了です。
スピーカーの設置位置を再調整し、いよいよ音出しです。
まずはクラシックから。
グスターボ・ドゥダメル指揮、シモン・ボリバル・ユース・オーケストラ・オブ・ベネズエラ演奏、ストラヴィンスキーの『春の祭典』です。
演奏も抑揚に富んだ熱い内容なのですが、音が非常にクリアでステージの奥行きと幅が広大で、大太鼓が出てくる個所では盛大でキレの良い重低音が地面を揺らす「気持ちイイ」盤なので、オーディオをいじるとこの盤はオーディオチェックで良く使用します。
春の祭典出だしの静けさと奥行きの深さはフラットフット装着時でも既に感動モノでしたが、スパイクを取り付けるとさらに静寂感が増してステージの奥の奥までバッチリピントが合い、早速鳥肌モノです。
くぅ~、スパイクに付け替えたことで高音の静寂感もここまで増すのか・・・と、改めて実感。
そして、更に聞き進めていき、いよいよ大太鼓連打の近所迷惑必至な箇所に到達します。
正直、「スパイクに付け替えて低音がスポイルされて音が軽くなってしまったらどうしよう・・・」と心配していましたが、全くの杞憂でした。
地を這うような低音の量感はそのままに音の消えるタイミングが段違いで早くなって、部屋の中が重低音で満たされて中~広域の音が聴こえ辛くなってステージの奥行きが浅くなる・・・という現象が嘘のように解消されました。
すげぇ・・・改めてこの盤に収録された楽器の音、会場の空気、演奏者の気迫が生々しく体中に刺さってきて何という悦楽感でしょうか。
ヤバい、音楽を聴くのが改めて楽しくなった!!
お次はジャズ。
録音は1974年とオイラが生まれる前のアナログ録音された作品なのですが、コイツがXRCD24としてリマスタリングされ、最新録音盤に全く引けを取らない楽器の生々しさ、1974年当時の熱気を堪能できる名盤です。
1曲目の「OLD FOLKS」の静かな中村誠一さんのテナーが異様に生々しく、まさに目の前で中村誠一さんがテナーを、向井滋春さんがトロンボーンを吹いています。
スパイクに変更した事で、このバラード曲でも音階に関係なく各楽器の音離れが格段に良くなり、今までよりも明らかにステージが広くなって「スピーカーの存在が消える」錯覚を何度も、何度も味わえました。こんなに見た目が際立ったスピーカーなのに。
2曲目のスピード感MAXのスリリングな「TOPPU~:A Gust」ではドラム、ベース、テナーサックス、トロンボーンが一斉に疾走するのですが、音が団子になったり楽器同士が音をかき消し合うこともなく、本当に1974年の都市センターホールの特等席でライブを聴いている様です。
ものすごく気持ちイイ!!
さらにお次は、先日ライブに行って以来、再びハマってしまっている上原ひろみさんの「Spectrum」です。
ピアノソロ作品ですが、縦横無尽に鍵盤と楽しく格闘する上原ひろみさんの演奏がピアノソロになったことで更に昇華され、とてもピアノソロとは思えない音の広がりと迫力、世界観に圧倒されます。
特に、力強い左手の連打でピアノなのにベースやバスドラムの様に迫力溢れる低音が広がるのですが、スパイクに交換をしたことで低音の音切れが進化して、低音の弦がハンマーで叩かれる瞬間が見えるような生々しさが出てきました。
この左手の演奏を如何にスピーカーからリアルに出せるかで、目の前にピアノがある「様」に聞こえるのか、目の前にピアノが出現するのかが変わるのかもしれません。
あ、今、上原ひろみさんがニッコニコした笑顔をこっちに向けながら演奏しています・・・!
いやはや、VIVID AudioのGIYA G1、やはりスパイク装着は必須だったんですね。
これでこんな狭い部屋でも、もっともっと、G1 GIYAを追い込めそうです。
今後はスパイク受けを交換して音質アップを目指そうかな?
いや、でも・・・スパイク受けを交換するだけでもまたエラい苦労しそうだしなぁ。
兎にも角にも、GIYA G1の底力の一端にまた、少し触れられたような気がします。
やっぱりオーディオは面白い!!
音楽を聴くのがどんどん楽しくなってくる!!!
VIVID Audio GIYA G1に苦戦中
一昨日の8月28日にBlue Note TOKYOで聴いた上原ひろみさんのライブを反芻しながら土曜日と日曜日の2日間、バカみたいに上原ひろみさんの昨年発売の作品『Spectrum』をローテーションで聴きまくっております。
SHM-CD盤とSACD盤の両方を持っているので聴き比べをしながら聴いているのですが、いわゆるオーディオ的に言うと「空気感」のようなピアノの響きのキレイさはSACD盤に分があるのですが、力強さやそこにピアノがあるという「実在感」はSHM-CD盤の方が説得力があるなぁ・・・等と今更ながら感じております。
それはそうと、10日前にオーディオルームに導入したVIVID AudioのGIYA G1ですが、とにかくスゴい。
やはり化け物スピーカーです。
とにかく部屋が狭いなかでもめいっぱい設置幅を取り、数度の単位で内振りにしたり外振りに角度を変えて調整をしながら聴いているのですが、音の空間表現が生半可ではありません。
さらに、このふっくらとしたエンクロージャの左右に設置されたウーファーからは狂気を感じるような低音が、ものすごいスピードで飛んでくるので設置角度を少しでも誤ると部屋中に低音が充満して音楽を聴くどころではなくなってしまいます。
このスピーカー、ここまで低音が出るのか・・・
それと、スピーカー自体が非常に反応スピードが速く、まさに音が洪水の様に体中に押し迫ってきます。
なるほど、本来ならこの無尽蔵に飛んでくる音を飽和させないように広い部屋で鳴らさなきゃいけないんだなぁ・・・と、改めて大型スピーカーの鳴らし辛さを実感しております。
ホント、ライオンと虎を6畳半のオーディオルームで飼っている感じです。
ライオンと虎を飼ったことはないけど。
そんなこんなで大苦戦をしながらも、小編成の演奏ならかなり鳴らせるようになってきました。
おかげで今、目の前でほぼ実物大のグランドピアノが目の前に広がり、ほぼ等身大の上原ひろみが演奏しています。
もっと追い込めばまさに目の前に実物が現れそうです。
VIVID AudioのGIYA G1、本当に底が見えないスピーカーです。
アンプを変えたら、更に本気を出してくるのでしょう。
はやくフルオーケストラが目の前に出現するように頑張って調整をしなきゃ。
いつできるのかわからないけれど、そこがオーディオの面白いところ。飽きないところ。
それにしても、やっぱり上原ひろみ、スゲェなぁ
上原ひろみ "SAVE LIVE MUSIC" BlueNote Tokyoに行ってきた
8月28日(金)、前週の土曜出勤の代休を取って表参道へ。
今日はピアニスト「上原ひろみ」がBlue Note TOKYOで開催している16日間のロングラン公演の1つ目のプログラム「~Spectrum~」の4日目を聴きに行くのです。
上原ひろみさんの作品はどれも大好きで、昨年発表されたアルバム「Spectrum」はジャズ批評の2019年マイベストアルバムで取り上げさせてもらうほど聴きまくりましたが、これまでライブには行けておりませんでした。
なので、このコロナ禍で「え?ライブに行くの?」と眉間に皺を寄せられても、この日が待ち遠しくて仕方ありませんでした。
というわけで、本日一緒にライブに行ってくれる美女と表参道ヒルズで待ち合わせなので、いそいそと表参道ヒルズへ。
う~ん、普段のオイラにはほぼ無縁の施設なんだけど・・・。
それにしても平日とは言え17時前でこんなにも人が少ないか・・・大丈夫か、ニッポン。
で、一足先に表参道ヒルズに到着していた美女からメッセージが届き、イタリアンダイニング「フラテリパラディソ」でお茶をしようということで、3階に到着すると「おーい!後藤さーん!」と声をかけられ、振り向いたら久しぶりに会ったM女史はやっぱり美女でした。
というわけで、フラテリパラディソで1日限定15食のかき氷「ヘーゼルナッツ香るエスプレッソのグラニータ」を注文。
美女は車の運転があるのでノンアルコールで、オイラはお酒が飲めないのでノンアルコールで(笑)。
ほろ苦いエスプレッソのかき氷が生クリームのコクと甘さ、ヘーゼルナッツの香ばしさでどんどん行けてしまう。
最近食べているかき氷のサイズに比べると小さいので(笑)アッという間です。
本当はリキュールが香ってもっと美味しいのかも。
それにしても、かき氷を食べながらM女史と久しぶりにじっくりお喋りするので話が尽きない、止まらない。
気付けばライブ開始まで15分になり、慌ててBlue Note TOKYOへ。
M女史とひょこひょこ歩いてBlue Note TOKYOに到着。
到着時点で18時1分。
ちょうど1曲目の演奏が始まったところでした。
既に演奏が始まっていたので1曲目の演奏が終わるまでは会場の端っこで待機です。
それにしても1曲目のカレイドスコープの演奏、さすがだ。
鬼気迫る演奏で、ここからでは上原さんの背中しか見えないけれど、ピアノソロでここまで熱を感じるものなのか。
何度も聴いたカレイドスコープのはずなのに、こんなに鮮烈で次の展開にウキウキするものなのか。
カレイドスコープの演奏が終わり、いよいよ席に通されます。
ペアシート席でステージにこんなに近いのか。
しかも、ちょうど演奏中の上原さんの顔、手の動きがしっかりと見える素晴らしいポジション。
頑張って席料をプラスしてペアシートにしてよかった・・・・。
演奏は「Whiteout」「Yellow Wurlizer Blues]「Blackbird」と続き、圧巻だったのが「Rhapsody in Various Shades Of Blue」。
どの曲も上原さんの熱気、楽しさ、哀愁、気迫を感じる演奏でしたが、「Rhapsody in Various Shades Of Blue」は曲の展開が凄まじく、こちらも何度となくCDで聴いているはずなのですが、演奏中ズッとニヤけっぱなしになってしまう程に感動しっぱなしでした。
このまるで子供が無邪気におもちゃ箱をひっくり返したような野放図な楽しさと、じっくり練られて丁寧に、丁寧に作り込まれた構成、思わずグッと心臓を捕まれるような瞬発力のある打撃音。
やっぱり上原ひろみさんは凄まじいピアニストです。
超長時間に及ぶ「Rhapsody in Various Shades Of Blue」が終わり、会場中が感動の拍手で一杯になります。
それでも声援は上げられず、スタンディングオベーションも出来ません。
グッとこらえつつアンコールへ。
最後に「Spectrum」で再び会場中の聴衆を圧倒し、ライブは終了しました。
本当にアッと言う間の出来事でしたが、最高のライブでした。
ピアノのソロライブとは思えない高揚感です。
美女と一緒に最高の音楽を楽しむ、なんて贅沢な時間なんだ。
ライブ終わりに、B1Fでお土産の上原さんのサイン入り赤ワインを受け取ってお店の外へ。
あぁ・・・日中に比べるとずいぶん涼しくなったけれど、未だ結構湿度が高いなぁ。
今日のライブでは、コロナ対策として店内で食事の提供が無かったので、ライブ終わりにM女史と御飯に行くことに。
裏路地に入ってお店を探そうかとウロウロしたけれど、あれぇ、こんなにお店の明かりって少なかったっけ?
1人だったらいくらでも散歩がてら店を探しながら歩くのだけれど、さすがにM女史に申し訳ないので表参道ヒルズの中のお店で食事をすることに。
何を食べようかとM女史と相談をした結果、フレンチバール「バール ア ヴァン パルタージェ」で食事をすることに。
本当だったら軽くお酒でも飲みながらお食事を・・・という事になるのでしょうが、M女史、この後運転をして帰らなければならないのでノンアルコールビール。
食事はオイラが適当にあれやこれや注文をしてみました。
最初の一品はアミューズのコーンスープ。
濃厚なコーンの香りとコクが胃袋を活性化させます。
さぁ、食うぞ!!
でも、上に乗っているトウモロコシの髭はもう少しカリッとしていた方が食感を楽しめたのかなぁ。
2品目はフォアグラのマカロン。
濃厚なフォアグラをマカロンでサンドした面白い逸品。
マカロン生地が結構甘いのでフォアグラが負けそうなのですが、フォアグラのレバ臭さをマカロンの甘さが見事に包んで、最後にフォアグラの濃厚な甘みが口に残ります。
そういえば、フォアグラのマカロンって初めて食べたのはBlue Note TOKYOだったかも。
あの時は竹炭のマカロンだったけど。
3品目は鮮魚のカルパッチョ。
皿に彩られたジェノベーゼソースと、鯛の下のミニトマトの下に敷かれたレモンソースを和えながら食べるカルパッチョ。
それぞれのソースと香草が淡白な鯛の味わいを華やかにして、鯛ならではの身の甘みをしっかりと味わえました。
ミニトマトも含め、ごちゃっと全てを混ぜて食べるとどんどんおいしくなります。
4品目はフォアグラ・トリュフ・牛肉の冷製ロッシーニ。
肉の周りにパラパラッとかかっているのはスライスされたフォアグラで、食べていくとどんどんフォアグラが溶けてソースになっていきます。
さらに肉にかかっているトリュフソースの香りがフォアグラのクドさをサッパリとさせ、それらをレアに火入れされた牛肉に絡めて食べると、牛肉、フォアグラ、トリュフのすべての旨味が口いっぱいに広がり幸せになる一皿でした。
5品目はオマール海老と帆立のポワレ。
ジェノベーゼソースで食べるオマール海老の腕~爪の肉、そして大きくプリッとした帆立のポワレ。
甘みの強いレア気味に火入れされたぷりっぷりの帆立がジェノベーゼソースの爽やかな香りとマッチして素晴らしい。
オマール海老は爪肉なのでプリッとした食感というわけでは無いけれど、オマール独特な海老の香りとジェノベーゼソース、香草の香りがマッチしていてアッという間に感触です。
出来ればオマールの身の方も食べたかったなぁ。
6品目は仔羊のロースト。
仔羊の肉は低温調理の後、軽く直火で炙っているので、とても柔らかくほのかに香ばしい香りで、ナイフで切らずとも口の中に頬張ってもぐもぐとしているうちに身は解け、肉の旨味を存分に味わえる逸品でした。
ローストされた野菜もまた、美味い。
7品目、最後の一品はラザニア。
とても軽い口当たりで、濃厚なミートソースが楽しめる最後の締めの食事としてはイイんじゃない?
上に乗っていたのはモッツァレラだったのかな。トロッととろけるふんわりと柔らかな食感とラザニア生地のプリッとした食感のコントラストが楽しい一品でした。
いやぁ・・・おなかいっぱいです。
食事中もM女史と色々おしゃべりをしましたが、こうやって二人きりでじっくり話したのっていつぶりだろう。
・・・というか、はじめてか??
最高の美女と最高の音楽、美味いかき氷と御飯。
これ以上の休日は無いでしょう。
M様、今日はお付き合いをいただきどうもありがとう!!
これからもズッと、よろしく!!