たまらなく孤独で、熱い街 -19ページ目

『爛れた闇』 飴村 行

爛れた闇 (角川ホラー文庫)

爛れた闇
著者:飴村 行

解説:北上 次郎

(角川ホラー文庫)

初版:2013年3月25日

(2011年1月に角川書店より『爛れた闇の帝国』にて刊行)

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粘膜シリーズ以外を初めて読みました。

自分が何者か分からないままに拷問を受ける陸軍兵士と、どんなやねんとツッコミたくなるほどの性欲を持つ母親を持つ高校生の話が交互に語られ、当然ながら最後は合流するのだが・・・。

相変わらずグロさは健在ですが、登場人物はクズばっかりなので安心しして(?)読めますね。


『少女禁区』 伴名 練

少女禁区 (角川ホラー文庫)

少女禁区
著者・後書:伴名 練

第17回日本ホラー小説大賞 選評

(角川ホラー文庫)

初版:2010年10月25日

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「chocolate blood,biscuit hearts.」

「少女禁区」

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表題作は第17回日本ホラー大賞短編賞受賞作。

バンアレン帯から取ったかのような筆名だが、SFのアンソロジーで結構読ませてもらってます。

一作目は、財閥の姉弟が絶対的権力者から逃げて、生活の糧を得るために私生活を切り売りするのだが・・・。

ラストが少し面白かったかな。

表題作は、魔術師並の呪術の遣い手である少女と、彼女にいいように扱われている男の子。

和風ホラーっぽくてこれも面白かった。

しかし、この2編やアンソロジーのいくつかを読んだけど、あとあとまで印象に残るようなのはなかったな。


『ブラック・リバー』 S・M・ハルス

ブラック・リバー (創元推理文庫)

ブラック・リバー
著者:S・M・ハルス

訳者・後書:高山 祥子

(創元推理文庫)

初版:2016年9月9日

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2015年の作。

主人公の60歳元刑務官は「男は黙って〇〇〇〇ビール」みたいな昔気質の男。

かつて刑務所の暴動に巻き込まれた時に指を折られて、もうフィドルを弾くこともできないし日常生活にも支障をきたしている。

亡き妻との約束を果たすために18年ぶりにブラック・リバーへ戻るが、かつての「しがらみ」と折り合いをつけることができるのか・・・。

これが俺の生き方なのさと言われればそれまでだが、ストイックさに息が詰まりますな。

『不連続殺人事件』 坂口 安吾

不連続殺人事件 (角川文庫)

不連続殺人事件
著者:坂口 安吾

解説:高木 彬光、法月 綸太郎

(角川文庫)

初版:1974年6月10日

(1948年12月にイヴニングスター社より刊行)

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作家などのいわゆる自由業で色々と込み入った関係の人たちが、山奥の豪邸でひと夏を過ごすことになったのですが、連続殺人が起きてしまう・・・。

大勢の登場人物や次々と起こる殺人にあっけにとられるばかりで、話について行くのも大変でした。

それでも300ページ少々にまとめてあるので、文体に慣れれば読みにくくはなかった。

作者の自信のほどがうかがえる一編です。


『ロルドの恐怖劇場』 アンドレ・ド・ロルド

ロルドの恐怖劇場 (ちくま文庫)

ロルドの恐怖劇場
著者:アンドレ・ド ロルド

編者・訳者・後書:平岡 敦

(ちくま文庫)

初版:2016年9月10日

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「精神病院の犯罪」、「蝋人形」、「デスマスク」、「ヒステリー患者」、「高名なるトリュシャール教授」、「無言の苦しみ」、「究極の責め苦」、「地獄」、「生きている木」、「ベリギーシ」、「死児」、「もうひとつの復讐」、「死にゆく女」、「夜明け」、「助産婦マダム・デュボア」、「事故」、「強迫観念」、「恐怖の実験」、「恐ろしき復讐」、「告白」、「無罪になった女」、「大いなる謎」

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恐怖芝居専門のグラン・ギニョル劇場で座付作家として名を馳せたのが、アンドレ・ド・ロルド。

超自然的なものよりも、悪く言えば即物的な精神異常や錯乱や猟奇的なものが多く、怖いというよりは後味が悪い・・・。

面白いのも散見されたが、劇場で見るとまた違った怖さ面白さがあったかも。

『桶川ストーカー殺人事件 -遺言-

桶川ストーカー殺人事件―遺言 (新潮文庫)

桶川ストーカー殺人事件―遺言
著者・後書:清水 潔

後書:猪野 憲一

(新潮文庫)

初版:2004年6月1日

(2000年10月に新潮社より刊行)

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  読んでいる間もさまざまな感情が浮き沈みしていましたが、読み終えた後も言葉にならない「なにか」が胸に沈んでます。

記者クラブにも入れない(まともに警察に相手にされない)週刊写真誌が、その警察より早く真相に迫るが・・・。

警察官も一人ひとりは真摯に努力されているだろうことは想像するまでもないですが、「組織」という得体のしれない妖怪のなかでは自己保身が優先されてしまうのか。

「運命」と片付けるには、ストーカーに殺され、救いを求めた警察に裏切られ、さらに印象操作までされた詩織さんが哀れでならない。

さらに、あとがきで著者の娘さんが事故で亡くなられた無念さが涙を誘います。

『丘の屋敷』 シャーリー・ジャクスン

丘の屋敷 (創元推理文庫 F シ 5-1)

丘の屋敷
著者:シャーリイ・ジャクスン

訳者:渡辺 庸子

解説:植草 昌実

(創元推理文庫)

初版:1999年6月18日

(『たたり』を改題。1987年にハヤカワ文庫NVより『山荘奇談』にて刊行)

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1959年の作。

長らく病弱な母親の世話をしてきたエレーナは32歳。

長らく外に出たこともなく姉の家族も大っ嫌いな彼女に訪れた転機は、幽霊屋敷でしばらく暮らすことでしたが・・・。

屋敷に着いた時から「なにか」に憑かれちゃったのかな。

ホラーとは言っても直接「なにか」がでてくることはありませんが、それだけに不気味さが少しは感じられた。

だけど、この作者とは合わないな。

直接的な「くじ」の方が、間接的な「お城」や「屋敷」より分かりやすかったせいかも。


『死と呪いの島で、僕らは』 雪富 千晶紀

死と呪いの島で、僕らは (角川ホラー文庫)

死と呪いの島で、僕らは
著者:雪富 千晶紀

解説:大森 望

(角川ホラー文庫)

初版:2016年9月25日

(2014年10月にKADOKAWAより『死呪の島』にて刊行)

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第21回日本ホラー小説大賞受賞作。

伊豆諸島の東端にある須栄島というところが舞台で、島民から疎まれている打保椰々子という女子高生と、彼女のことがとても気になる白波杜弥という同級生。

序盤はいろいろな怪奇現象が起こり興味を持たせてくれたが、中盤からゴチャゴチャしてきて少しまとまりに欠けた印象。

ホラーに始まり、青春もので終わったかな。

 

『庵堂三兄弟の聖職』 真藤 順丈

庵堂三兄弟の聖職 (角川ホラー文庫)

庵堂三兄弟の聖職
著者:真藤 順丈

解説:平山 夢明

(角川ホラー文庫)

初版:2010年8月25日

(2008年10月に角川書店より刊行)

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第15回日本ホラー小説大賞受賞作。

死者の弔いと遺族へ形見のために、遺体を解体して色々な「製品」に加工するお仕事を家業としている庵堂家。

父親の七回忌に、どう見てもフツーじゃない三兄弟が揃うが・・・。

表面的にはグロいし下品だが、つりこまれて読みふけるとあら不思議な感覚が。

読後は清々しくなってしまうというホラーでした。



『夢巻』 田丸 雅智

夢巻 (双葉文庫)

夢巻
著者・後書:田丸 雅智

解説:尾崎 世界観

(双葉文庫)

初版:2016年7月17日

(2014年3月に出版芸術社より刊行)

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「蜻蛉玉」「妻の力」「大根侍」「みみずの大地」「白メガネの男」「リモコン」「文字」「試練」「千代紙」「干物」「綿雲堂」「かぐや姫」「タナベくんの袋」「星を探して」「ネギシマ」「岬守り」「白石」「分割」「ギタリスト」「夢巻」

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この作者には期待しているんだけど、なかなか「これ」というのに当たらない。

この本も半分はまあまあだが、読んでてツライものも多い。

「大根侍」や「ギタリスト」には脱力したし、日常に異物を放り込んでかき混ぜるパターンにも飽き飽きした。

ほとんどが日常を舞台にしているが、なんかせせこましい(方言?)印象を受ける。

世界はもっと広いじゃないか。

空想の世界ならなおのこと。