たまらなく孤独で、熱い街 -11ページ目

『百万光年のちょっと先』 古橋 秀之

百万光年のちょっと先 (JUMP j BOOKS)

百万光年のちょっと先
著者:古橋 秀之

(集英社・JUMP j BOOKS)

初版:2018年2月7日

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『ある日、爆弾がおちてきて』を読んだのはもう7年も前になるのか。

ガタがきてるメイドロボットが子供を寝かしつけるために毎夜語り聞かせるという趣向のショートショートが48編。

出だしは全部「百万光年のちょっと先、今よりほんの三秒むかし」。

SFも入っているけどどちらかというと寓話という感じで、それはそれでホッコリするけどもっとハードなのも読みたかったな。


『奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い』 木犀 あこ

奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い (角川ホラー文庫)

奇奇奇譚編集部 ホラー作家はおばけが怖い
著者・後書:木犀 あこ

第24回日本ホラー小説大賞 選評

(角川ホラー文庫)

初版:2017年9月25日

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「幽霊のコンテクスト」

「逆さ霊の怪」

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第24回(2017年)日本ホラー大賞優秀賞受賞作。

そういえば、ホラー大賞と横溝正史賞がいっしょになるような事を聞いたような気がする。

霊が見える(が臆病な)ホラー作家と、怪奇小説雑誌の編集者のお話。

書けない作家が実はデビュー作では(売れなかったが)凄い作品を書いていたというくだりは他の本でも読んだような。

売れなくてもいいものを残したいというのは作家の思いなのだろうか。

お話は怖くないホラーといったところで、楽しく読めましたがラストは少々切ないような。

『死刑にいたる病』 櫛木 理宇

死刑にいたる病 (ハヤカワ文庫JA)

死刑にいたる病
著者:櫛木 理宇

解説:千街 晶之

(ハヤカワ文庫JA)

初版:2017年10月25日

(2015年7月に早川書房より『チェインドッグ』にて刊行)

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大学生・筧井の良き理解者だった榛村は元パン屋の店主だが、連続殺人を犯し死刑囚となった。

そんな彼から一通の手紙が。

それは最後の一件だけは冤罪だからそれを証明して欲しいとのこと。

関わってしまった筧井が次第に榛村に取り込まれて行く様子が不可解だが気持ちが悪い。

マインドコントロールも一人なら分からないでもないが、個人の資質だけで大勢を「洗脳」することはできるのかね。



『ショートショートの宝箱』 光文社文庫編集部・編

ショートショートの宝箱: 短くて不思議な30の物語 (光文社文庫)

ショートショートの宝箱: 短くて不思議な30の物語
編者:光文社文庫編集部

(光文社文庫)

初版:2017年4月20日

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「虫の居所」荒居蘭、「泥酒」田丸雅智、「カタミタケ汁」梶尾真治、「待ち人来たる」橋本喬木、「致命的な科白ミスによるテイク2」三川祐、「宇宙飛行士の死」平山夢明、「ぼくの時間、きみの時間」八杉将司、「クレイジー・ア・ゴーゴー」飴村行、「阿房宮」加門七海、「ぼくにはかわいい妹がいた」海野久美、「冬のメリーゴーランド」工藤玲音、「墓屋」篠田真由美、「さかさま」高井信、「ふしぎな駄菓子屋」小狐裕介、「楽園になった男」吉澤亮馬、「裏庭の死体」成宮ゆかり、「魔物」我妻俊樹、「白昼」北野勇作、「君に会いたい」柴田千紘、「さびしいめがね」行方行、「愛している」井上史、「そ、そら、そらそら、兎のダンス」皆川博子、「死の扉」黒川進吾、「開封」堀晃、「あなたも一週間で歌がうまくなる」西崎憲、「キリエ」太田忠司、「機織桜」黒木あるじ、「海豹(あざらし)」深田亮、「隠者」井上雅彦、「約束変更線」江坂遊

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たまにはショートショートを読むのも、いいものではあります。

半分はまあまあだったかな。

お名前を存じ上げない作家の方が先入観がないだけ面白かったかも。

もっとガラクタみたいな粗いのも読みたかったが、ないものねだりというものでしょう。



『アメリカン・ウォー』(上・下) オマル・エル=アッカド

アメリカン・ウォー(上) (新潮文庫)

アメリカン・ウォー(上)
著者:オマル・エル=アッカド

訳者:黒原 敏行

(新潮文庫)

初版:2017年9月1日

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アメリカン・ウォー(下) (新潮文庫) アメリカン・ウォー(下)
著者:オマル・エル=アッカド

訳者・後書:黒原 敏行

解説:池上 彰

(新潮文庫)

初版:2017年9月1日

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2017年の作。

温暖化が進んで沿岸部が後退した近未来のアメリカ。

化石燃料の扱いを巡って、第二次南北戦争が起こる。

合衆国が舞台というよりは中東が舞台のような錯覚に陥る・・・。

前半は南部の難民キャンプがメインだが、サラの怒りは正当なものだと思うにしても、結局は「眼には眼を」になってしまうのが今の中東の人々の怒りにも受取れてつらい。


『時空のゆりかご』 エラン・マスタイ

時空のゆりかご (ハヤカワ文庫SF)

時空のゆりかご
著者:エラン・マスタイ

訳者・後書:金子 浩

(ハヤカワ文庫SF)

初版:2018年2月15日

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 2017年の作。

基幹のアイデアはなるほどね、という感じだが、いかんせん長すぎ。

自分のミスによりユートピアからはじき出されてしまった主人公はなんとか元の世界へ戻ろうとするが・・・。

良く分からないが、オリジナリティも少しはあるかな。



『銀の弾丸(クトゥルー短編集)』 山田 正紀

クトゥルー短編集 銀の弾丸 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)

クトゥルー短編集 銀の弾丸 (クトゥルー・ミュトス・ファイルズ)
著者・後書:山田 正紀

(創土社)

初版:2017年12月10日

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「銀の弾丸」

「おどり喰い」

「松井清兵衛、推参つかまつる」

「悪魔の辞典」

「贖罪の惑星」

「石に漱ぎて滅びなば」

「戦場の又三郎」

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全部既読かと思ったが、書下ろしも1編入っていてラッキー。

どうみてもクトゥルフものでないのもあるが、書かれた本数が少ないから仕方ないよね。

なんでもいいんです、読めるだけで満足です。

古い2編はともかく、最近の作の面白さ充実ぶりときたら、たまりませんな。

『殺戮にいたる病』 我孫子 武丸

新装版 殺戮にいたる病 (講談社文庫)

殺戮にいたる病
著者・後書:我孫子 武丸

解説:笠井 潔

(講談社文庫)

初版:2017年10月13日

(1992年9月に講談社より刊行)

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シリアルキラーものが苦手だという事を再認識。

グロいのは我慢できても、犯人の感覚が気持ち悪い。

雅子が夢見た幸福な家族という幻想は、彼が一線を越える前からすでに破たんしていたのかも。

最後は少々驚いたけど、そこまで捻らなくてもいいんじゃないかと思わないでもない。

『活版印刷三日月堂~海からの手紙~』 ほしお さなえ

([ほ]4-2)活版印刷三日月堂: 海からの手紙 (ポプラ文庫)

活版印刷三日月堂: 海からの手紙
著者:ほしお さなえ

(ポプラ文庫)

初版:2017年2月5日

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「ちょうちょうの朗読会」

「あわゆきのあと」

「海からの手紙」

「我らの西部劇」

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三日月堂の第2弾。

今回もいいですね。

活版印刷の三日月堂や弓子さんはあくまでも黒子で、なにかしら悩みを抱えている人をそっとサポートする感じがいい。

さて、そろそろ弓子さんを主人公にした話になっていくのかな。

最後はあの機械が動き出したところで物語が終わりそうな気がする・・・。



【読書メーター】 2018年5月分

平成最後の5月が終わりました。

交流戦が始まりましたが・・・薮田・・・。

 

5月の読書メーター
読んだ本の数:17
読んだページ数:5,641



NIGHTS OF THE LIVING DEAD ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド 死者の章 (竹書房文庫) NIGHTS OF THE LIVING DEAD ナイツ・オブ・ザ・リビングデッド 死者の章 (竹書房文庫)感想
いきなりの「デッドマンズ・カーブ」の面白さに引きずられて読み終えましたが、和製の『屍者たちの帝国』のバラエティさに比べると、ほとんどが発生直後の状態を描いているので、そこがやや不満かな。まさかの宇宙もの「軌道消滅」や純愛ものもあったけどね。「生者の章」にも当然期待します。364ページ
読了日:05月01日 著者:ジョージ・A・ロメロ,ジョナサン・メイベリー
路傍 (集英社文庫) 路傍 (集英社文庫)感想
著者の名前くらいは知ってましたが、『パルプ』(チャールズ・ブコウスキー)の解説を読んで、どんなものを書いているのかテキトーに選んで一冊読んでみました。知識があってどことなく醒めているような主人公と、純粋すぎるようなツレとのチンピラ二人の物語。目先のことしか考えていないようなデタラメぶりながら、著者が主人公の姿を借りて「お前にできるかな、でもお前には無理だろう」とうそぶいているような心持にさせる。でも読後感はさわやかとまでは言わないが、悪くはない。238ページ
読了日:05月03日 著者:東山 彰良
ベンハムの独楽 (双葉文庫) ベンハムの独楽 (双葉文庫)感想
購入してから結構寝かせて、読了してからも最低1ヵ月は寝かせてしまうので、私の読了日はいいかげんなものです。で、何冊かある読了本の中からどれかを選んで2日に1冊くらいの割で拙い感想を書くわけですが、この本は全く内容を思い出せないので焦りました。余談ですが、短編集で各編すべてが横文字のタイトルというのも何冊かありましたが、かっこいいと思ってつけるのかどうか分かりませんがやめた方がいいですね、だって目次を見かえしても全然内容が想起されないから。つまりはそういうこと(何が?)。341ページ
読了日:05月05日 著者:小島 達矢
ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫) ひきこもりの弟だった (メディアワークス文庫)感想
家族とは一体なんでしょうね。家族内の憤りはどこへぶつければいいのか。でも、環境によっておそらく人は変わることができる(かもしれない)。啓太は千草によって良い方へ変わったと思っておこう。345ページ
読了日:05月07日 著者:葦舟 ナツ
秘匿患者 (ハーパーBOOKS) 秘匿患者 (ハーパーBOOKS)感想
読み終えて気になったのは、果たして辻褄はあっているのだろうかと。精神医療施設に送られてきたジェイソンという患者。だが、担当医のリーサに病歴やら経緯やらは明かされない。なにか重大なことが隠されているのか・・・。 しかし作者は焦らしに焦らしてイライラすることも。最後は結局このネタになってしまうのか、という残念感が漂う。430ページ
読了日:05月09日 著者:ジョン バーレー
ケレスの龍 ケレスの龍感想
シーナのSFでは何が魅力かと考えると、得体の知れない動植物やそれらの造語もそうだが、「ゾーン」に迷い込んでしまったかのような先が見えない展開の妙があった気がする(全部とは言わないが)。これも北政府ものの終戦後らしいが、なんか視界良好でワクワク感がないなと思っているうちに宇宙に飛び出してしまい、今度は説明調になってとてもじゃないが楽しめない。以前にもつぶやいたかもしれないが、こういうものを書くには物語の圧に負けないパワーが必要なんだろうな。251ページ
読了日:05月11日 著者:椎名 誠
アラスカ戦線〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV) アラスカ戦線〔新版〕 (ハヤカワ文庫NV)感想
1944年に日本軍はアッツ島を占領し、飛行場の建設を開始。目的はアメリカ本土への空爆だが、天候が不順なアラスカ上空の気象情報を把握するために精鋭11名をアラスカへもぐりこませるが、これを察知したアメリカ軍もアラスカを知り尽くした男たちを送り込む・・・。過酷な大自然を舞台にしたプロ同士の知力体力の限りを尽くした戦いに、最後までだれることなく血わき肉躍らせますし、紅一点のヌナミウト族の娘・アラトナの存在も大きい。第二次大戦ものにはまだまだ優れた作品がたくさんあるんですね。488ページ
読了日:05月13日 著者:ハンス=オットー・マイスナー
だれの息子でもない (講談社文庫) だれの息子でもない (講談社文庫)感想
この作者の本は9冊目で、どれもそこそこ楽しんで読めるのだが、これは傑作だというのにはなかなか当たらない。各家庭に携帯型対空ミサイルが配備された近未来という設定で、これはコメディかなと思ったがそうでもないような。亡くなった人のネットアバターを消去する仕事をしている僕の前に、女に入れ込んで逃げて死んだろくでもない親父が現れる・・・。全体にコミカル調ながらラストはしんみり。未来が神林に追いつけないなら、私は彼の背中すら見えないのかといささか寂しくなったな。373ページ
読了日:05月15日 著者:神林 長平
時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫) 時間線をのぼろう【新訳版】 (創元SF文庫)感想
むかーし、中古でかったSFマガジンで読んだが、ウブだったので色々と興奮した覚えが・・・。過去へのタイムトラベルが可能はいいけど、例えば同じ人が同じ時間の同じ場所に今後行く分も含めて100回タイムトラベルを行うとすると、それ自体が歴史となっているので1回目に行こうが100回目に行こうが、常に100人の「自分」がいるんじゃないのかな。次第に増えていくというのはどうかな。こまけーことだと思うけど、ここが一番釈然としなかった。艶笑もの時間トラベルSFで「おかしゅうてやがて悲しき」。373ページ
読了日:05月17日 著者:ロバート・シルヴァーバーグ
最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA) 最後にして最初のアイドル (ハヤカワ文庫JA)感想
しかし凄いSFが現れたものだ。アイドルやソーシャルゲームや声優の話がいつの間にか宇宙を巻き込んだハードなSFになっている・・・。妄想の赴くままに書かれたような印象も受けるが、どうしてどうして考え抜いて書かれているのだろうな。ぶっとんだSFを読みたい人は読んだ方がいいかも。少々お腹にもたれて胸焼けもしますが・・・。334ページ
読了日:05月19日 著者:草野 原々
ささやく真実 (創元推理文庫) ささやく真実 (創元推理文庫)感想
これは本格もののなかなかの傑作じゃないかな。誰が犯人でもおかしくないと思わせる状況からの、ウィリング博士の詰めがしなやか。なるほど、ヒントはあちらこちらに散りばめられていたのに気がつかなかった。邦題も色々な意味にかけられているようでナイスです。314ページ
読了日:05月21日 著者:ヘレン・マクロイ
化石少女 (徳間文庫) 化石少女 (徳間文庫)感想
空いた口が塞がらないとはこのことか。とある高校で次々と殺人事件が起きるが、解決もしないが学校閉鎖もしないのが分からない。ただ一人古生物部の部長・まりあだけが生徒会役員に罪をなすりつけるようなトンデモ推理をするがお守り役の彰が他言をとめる。どれほどの動機があって犯人は重大な一線を越えてしまったのか、分からない。トンデモ推理の一事例がたまたま合っていたからって、どうして他の推理も合っていると思うのか分からない。分からないことだらけですな。394ページ
読了日:05月23日 著者:麻耶 雄嵩
幻想郵便局 (講談社文庫) 幻想郵便局 (講談社文庫)感想
もしかして隠れSFかもと思って読んでみたら、ミステリ要素もある幻想寄りの小説でした。幽霊でも妖怪でも死神でもあやかしでもいいけど、どうせ出すなら徹底的に怖がらせて欲しかった。この世ならぬ者が出てきてホッコリする話は似たようなオチになりがちだが、怖がらせるには作者(や読者)の想像力が試されると思うので。296ページ
読了日:05月24日 著者:堀川 アサコ
巨神計画〈上〉 (創元SF文庫) 巨神計画〈上〉 (創元SF文庫)感想
インタビュー形式で物語は進む。少女・ローズが偶然見つけた巨大な人工の手。そして物理学者となったローズは自ら巨大ロボットの残りを探すプロジェクトに加わる。インタビュー形式というのは徐々に全体が見えてくる過程が面白いけど、いらいらすることも多い。上巻の終盤で急展開したが、果たして・・・。329ページ
読了日:05月26日 著者:シルヴァン・ヌーヴェル
巨神計画〈下〉 (創元SF文庫) 巨神計画〈下〉 (創元SF文庫)感想
下巻はいささかゴタゴタ続きのようだが、思わぬヒキに続編も期待を持たせる(かなあ)気がする。ただ、このインタビュー形式を続けられると少々ツライかも。267ページ
読了日:05月28日 著者:シルヴァン・ヌーヴェル
トラウマ日曜洋画劇場 (彩図社文庫) トラウマ日曜洋画劇場 (彩図社文庫)感想
たしかコンビニで見つけて、「お、町山さんの本か」と思って購入したんだよな。なかなか面白かったし、目次をみるとなんとなくその洋画劇場のカラーが透けて見えるのは不思議。どうしても見たい(または再見したい)というのはいくつかあったが、機会があれば見てみたいのは結構あった。286ページ
読了日:05月30日 著者:皿井 垂
ルーフォック・オルメスの事件簿(盛林堂ミステリアス文庫) ルーフォック・オルメスの事件簿(盛林堂ミステリアス文庫)感想
創元推理文庫の『冒険』に比べるとちょっとインパクトに欠けるかな。さらに横田順彌のオマージュだかパスティーシュだかは全然面白くない。唯一の救いは北原尚彦のものがオルメスらしさを感じる事ができたくらいか。でもこの本を出してくれた出版社や編者には感謝です。218ページ
読了日:05月31日 著者:カミ

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