映画探偵室 -1953ページ目

映画「美しき諍い女」物語編(12)

リズの対応は早かった。頭を触り 任せて
   









氷で冷やす

首筋を氷で冷やす。







しかし,床に倒れこんでしまった。

それに覆いかぶさるようにして,バルタザールを抱き上げようとする。
(やりすぎじゃないのか? 探偵)

床でも 抱き上げる











椅子に座らせ まあ飲め











乾杯 画家がブランデーを気付けに持ってきた。

「乾杯!」  やはりボケている。









や,眼鏡がない。

眼鏡がない









ごっつん,パルドン,失礼。
テーブルの下で ごつん,失礼











ニコラ肩を 見送る女性陣









消え行く男性陣 きっとアトリエに忘れたんだ。ニコラ,肩を貸してくれ。


男性陣は闇に消えていく。何か策謀のにおいがする。

(探偵は関与しておりません。)








結局後片付けは女の役目。

手伝うわ 別の部屋に移動









しごとを片付けながら女同士の会話が弾む。

「彼,どうしたの?」

「何でもないの。たまに起こるのよ,発作みたいに。」

女達は別の部屋に移動した。 「後はフランソワーズに任せるわ」(注1)
彼と会う前は
「聞いていい? 彼と会う前は何を?」

「建築家志望だった。

でも,才能がなくて...」でも才能が無い








「なぜ?」






「だって,彼と暮すのは簡単じゃないもの。

ほんと,耐え難いわ。」


「私もイヤな女だからうまく行ってる。

こうしか,生きられないもの。」

簡単じゃない ワタシも嫌な女










他に夢は





「他に夢はなかった?」

「彼と暮らすことだけ。簡単じゃなかった....」


「私も片手間に仕事してるの。」

「片手間はイヤ。」

「本は出版されたの?」
彼とくらすだけ





「ええ,中学生向きの本だけど,出たわ。」

「どんなはなし?子供の本って好きなの。」

「軍事独裁政権で働く外交官の娘が....




本は出版されたの 軍事独裁政権











主人公が独裁者
主人公で,彼女が独裁者の息子と恋をして革命が起きるお話,

題は「国防機密は金色の瞳」。


「面白そう。」







手慣らしで書いた

「下らないわ。手慣らしで書いただけ。片手間仕事はイヤだし

彼に頼りたくない。」


「一年前はたがいに似てた。

でも個展以来何かが変ったの。私が闘ってる。」



1年前は似てた 個展以来











気が弱い
「彼は気が弱そうね。」


「最後には傷つけ合う関係よ。」

「分かるわ,経験ある。」







最後は傷つけあう 経験ある











彼が勝ったのね
「彼が勝ったのね?」

「だれも勝ってない。傷を残したまま和解したの。

固い約束よ。もう,壊れないわ。」







誰も勝ってない 先輩として











一方,男性陣のほうはどうだろうか?〈続く)


注1:フランソワーズはメイドの名前であるが,彼女の娘であるマガリの父親が誰であるかについては,明らかにされていない。

映画「美しき諍い女」制作過程編(7)

少し後戻りするが,
尻の線 この姿勢から察するに,画家が目指しているものは「重力」に逆らった,あるいは重力から自由な形態である,ともいえる。さらに言い換えれば,最終的に目指すもののための基礎を得ることであろう。左側に見えている着色された絵がこれと同じ構図でないことが,それを証明している様だ。





一方,このような注文を受けたモデルは自分の中では何をしようとしているのだろうか?


鼻ふくらむ この姿勢が相当つらいものであることは,マリアンヌが胸を大きく膨らませ,鼻で息をしている(腹式呼吸している)ことからも分かる。


画家がありきたりの「美しい肉体」や「セクシーさ」を求めているのでないことはもう知っている。もちろん,言葉で表せることを表現しようとはしないだろう。今までに生きてきた歴史を見せることもできない。

結局,今生きている自分の肉体をどこまで正直に曝すか,ということになろう。自分自身の闘争を見せることである。

これを引き受けることは,それこそ内臓だけでなく,骨まで画家の目に曝すことを意味する。偽りは通じない。ある意味で,神の前に立つことである。

その覚悟がなければ,モデルはつとまるまい。それがどんなに勇気のいることか。

いっぷく後,画家は次のポーズを指示する:    休憩は終わりだ,この椅子に凭れて。
休憩おわり もたれて













そして,それを誘導するために画家がモデルにかける言葉(つまり,演出,つまり,闘争)はなんだろうか?
背骨が浮き出る 「背骨が出るように首を下へ,

手は伸ばすんだ。」










「その手は....ここに置いて,そうだ。」
手はここ 「つりそうよ。」

「手足が?」

「きっとそうだ。そのとき言え。」









足に体重を 「一方の足に体重をかけて。」

「首筋がひきつる。」

「忘れるんだ。」






描き始めたのは腰から背中への線である。

腰から背中の線 じっと下を











何を考えて

自分よ くそ












つったわ 動かせ











顔はみたくない

顔を向けるな








出来上がり2 できあがり1












こんどはどうする
さあ,脱いだわよ。今度はどうするつもり?






足はこう,

手はこう,

背筋をぎゅっと!


負けないわ!
手はこう 足はこう











背筋を なにするの


木炭1 正面












目を入れると 目を描きいれると,女が生き始めた...












次は背中を。

木炭(黒チョーク?)で背景を塗りつぶす。
黒く塗れ 背中









髪の毛
新しい黒チョークで髪の部分を




ベージュのチョークで縁取り。

次に筆でぼかす。

ベージュの顔料筆で縁










振り返って見ると,画家は新しい紙を用意していた。
振り返ると 新しい紙











ひと休み じゃあ,一服。少し面白くなってきたわ(探偵の読み)







昔,イレーヌというモデルがいた。妙な女だった。

君に少し似ていた。

このポーズで彼女を描いた...


今度のポーズ 君に似てた











臨時参考資料:ゴヤ「裸体のマハ」


裸のマハ

映画「美しき諍い女」物語編(11)

暑い夕方だった。蝉の声がまだまだ聞こえている中で,様々な思惑を秘めた食事が終わった。

厳しい顔

「疑念を抱かせたなら,彼を許さない。」

「彼を愛してる?」

「なんて質問のしかたなの。困ったひとね。」

「私が気に入った証拠だろ?,大いに楽しんで飲もう。」


「乾杯!」

「人生に乾杯!」


画家は機嫌がいいようだ。

「いいワインだ。うまい。」

疑心を抱かせたら なんて質問











気に入った証拠 大いに楽しんで











乾杯 人生に乾杯











メイドがデザートのタルトを運んできたが,この夫婦とメイドとの関係はどうなのだろう(探偵の余計な疑惑)。タルトが来た 例のタルトだ












列車でひき殺す これでも冗談か











子供たちの素行が 楽しい話題が取り上げられた...


「...いい人たちだったわ。ご主人が奥さんを列車で殺したけど,
かれはうちの上にある家で首を吊ったの。

ユゼスの女公爵の....家だった。子供たちは素行が悪くなったわ。」


「全員が農学校にいくことになった。」
マリアンヌは思わず吹きだした。 

「12人もいた。」

噴出す ニコラが好きか











熱愛しているのは分かる いつもこう










絵のほうを大切に

「ニコラが好きか?

彼も君を熱愛している。それは一目瞭然だ。」

「怒らないで,いつもこうなの。」
「聞き流してるわ。」
「彼が君より絵を大切にしたら?。君なら絵のために彼を犠牲にできる?」

「もし彼が挫折したら,私が破滅させるか,分かれるわ。」

「二人で破滅か。」
かつてバルタザールは マリアンヌの見解 二人で破滅か 残酷な真実











バルタザール思い出す 私は破滅しなかった











「画家は残酷な真実を求める。」        「でも私を破滅させていないわ。」

「しかし,危うかった。」

実は危うかった リズは嬉しい











突然,

え,どうしたの 一瞬何かが










突然倒れた テーブルに頭を打ち付ける音がして,バルタザールが倒れた...