ボディーワーカーとして最初に徹底的に学んだことを、いまもう一度確かめているお話。その4。 | ボディーワーカー小笠原和葉オフィシャルブログ

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ココロとカラダに安心を再教育していく『プレゼンス・ブレイクスルー・メソッド』を主宰、また横浜市都筑区、緑と光があふれるボディーワークスペース『BodySanctury(ボディ・サンクチュアリ)』でクラニオをベースとしたオリジナルのボディーワークを施術しています。

その3。


ずいぶん間がまたあきましたので
軽く復習しますと



自分が感じることは、感じてよく
それを大事にして良いのだということ



について、途中までお話しました。


何しろ私達は、
「マインド」への刺激と情報量が多すぎて
自分の中心となるものを
「外のこと」
に置きがちです。


正しいことが外側にある、という感覚です。


わたしも、長いこと、自分の感覚を大事にして良い、
という「文化(?)」と無縁にやって来ました。


その結果、体を壊してもなおストレスに気づかなかったお話を
その2。
で書きました。



いろいろなきっかけがあり
ボディーワーカーとして勉強を始め
その最初に学んだのが
エサレンレジスタードトレードマークボディーワークという
ゲシュタルト心理学とオイルマッサージをベースにした
ボディーワークでした。



エサレン研究所 photo by Chigusa Fukushima


アメリカのエサレン研究所から先生がやってきて、
国内とアメリカ・エサレン研究所にてトレーニングを受けるわけですが
ボディーワーカーとして新しいスタートをきろうと
鼻息あらく意欲満々だった私は、最初のトレーニングで拍子抜けしました。


なんかこう・・・
ぬるい、笑。


参加者がサークルになってシェアなどするわけですが
その時のルールが、
人が言ったことにアドバイスしたりコメントしたりしない
というもの。


えー、それってこうなんじゃない?
とか
それはこういうふうに考えたらいいと思う、
っていうようなことを一切言わない、
そんな場所は初めてでした。


それから、トレーニング自体も
技術をぎゅうぎゅう詰め込んでこない
常になんだか「バッファ」がある、そのことが
この前のめりの私にはもどかしくて。


その頃の私は、まだアトピーがかなりひどく
(その状態でオイルマッサージのトレーニングを受けること自体マゾですが)
特に背中を、みんなに見られることに抵抗がありました。


ある日、トレーニングのテーマが「足」の時があって
足なら、背中を見られなくてすむ!と思って
それまで敬遠していたデモセッションのモデルに立候補しました。


ところがですよ、
脚を見るのであっても、まずは背面からスタートするのですねデモセッションは。
そうやって、パーツを切り離す慣れ親しんだ考え方から
全身がひとつづきのものであるというふうに
意識をシフトしていくわけですが。


なにしろ、まさかの背面をみんなの前でさらすことに・・。


先生のデモが始まって、生徒の人たちが、ストロークをよく見ようと
一歩一歩、マッサージテーブルに近づいてくる気配を感じると
私の目からはぽたぽたと涙が流れ
下に引かれていたビニールシートの上に
音を立てて落ちていきました。


シャー(という女性の先生でした)は、その気配に気づくと
セッションを続けていいか私に問いかけ
わたしはとりあえずyesと答えて、
最後までデモセッションは終わりました。


デモセッションが終わると、
シャーは私を呼び出して語りかけました。


わたしは
てっきり
シャーは私に
「あやまってくれるもの」
と思っていました。


わたしは、背中を見られたくなかった、
脚のモデルだと思って立候補した、
でも背中を見せることでとてもいやだったし、
傷ついて涙が出たのだ、
そういえば、シャーは謝るだろうと思っていた。


「そうだったの、それはショックだったわね、
ごめんなさい
最初にデモセッションの手順をちゃんと
説明しておけばよかったわ」


などというように。


謝って欲しい、のではなく
そういうもの、だと思っていた。


でもシャーの態度は違いました。


まず
「これから練習セッションが始まるけれど
あなたは、どうしていたい?
一緒に練習に入りたい?
それとも少し離れてここにいたい?」
と、わたしに問いかけました。


ここにいたい、
と私が言うと
今度はこう問いかけました。


「そう。わかったわ。
今は練習に入りたくなくて、ここにいたいのね。
私はここに一緒にいた方がいい?
それとも一人で、今のプロセスを味わいたい?


プロセスを味わう。


わたしには、聞いたことがない言葉でした。
というか、言語として知ってはいても
そういうアイディアはなかった。


なにかは、「プロセスしていくんだ」という、そのアイディアが。
そしてそれを、「一人で味わう」、という選択肢があることを。


わたしは、シャーが一緒にいることは「OK」だと、
たしかそんなふうに答えて
まだぐずぐずと泣いていました。


シャーは
静かにわたしと、ただ一緒にいました。


少し気持ちが落ち着いてきた頃
シャーは小さな声で問いかけました。


今あなたは、何を感じているのか、
What do you feel now?
と。


またずびずび泣きながら、
脚のモデルだと思って云々の話を
一通りしました。


それはごめんなさいね、を予想しながら。


するとシャーはまた聞くのでした。


そう。それで涙が出るのね。
そしてあなたは今何を感じているの?
What do you feel now ... ?now...?


泣いた理由を語り終えると、
私にはもう語るべきストーリーは
ないように感じていました。


でもそこで、now....
いま、私が感じていること・・・
と意識を向けると
一気に
自分のアトピーがなかなか治りきらないこと
(ヨガでかなり良くなったとはいえ)
気兼ねなくオイルマッサージを受けて
何も気にせず温泉に入り
「ふつう」に過ごせている仲間に比べて
(そう、その頃の私は「ふつう」にたいそう憧れていました!)
自分がめんどくさく、カラダに関わろうとする人間として
なにか劣っているような、そんな悔しさが
一気に溢れてきました、また涙とともに。


アトピーに苦しんでいたけれど
ヨガで一発逆転して
今は元気に、人に体と心のつながりについて伝えている
ヘルシーな(笑)ボディーワーカーとして
これからの人生をリスタートしていきたいのに
そうすんなりいかないもどかしさ。


こんなことを
自分考えていたのか!と
驚きながらそれをシャーに伝えると


Be patient.(あせらないで、←和葉訳)
と。


あなたは、ここに来てからももうずいぶん変わっている。
その自分を見てあげて。
変化を認めて。
と。


それからティク・ナット・ハンの話など静かにしながら
わたしの「プロセス」を一緒にすごしてくれました。


シャーは、終始、とてもとても静かでした。
慰めたり、もちろんあやまったり、アドバイスすることもなく。


私の波紋が広がっていくのを
邪魔しないようにしているかのように。


被害者になって、ただ泣いている私と
「加害者」になったシャー、はそこにいなくて
ただ私の「プロセス」だけがあって
しずかに問いかけられるうちにそれが文字通り
「プロセス(process/進行)」して
よくわからないけれど全く新しい感覚になっていました。


そして翌日から
アトピーがまたぐん!とよくなっていったのでした。


こんな風に、今までだったら

なにか出来事があって、
それに対する即座な反応があって

と進むところを

何かが起こる、
(そして往々にしてそれは
「外で起こっている」ことのように感じるのだけど)
外で何が起こっているかではなく
「あなたの中で何が起こっているの?」
を問いかけられ続けるトレーニングの日々が続きました。


自分の感覚が中心に置かれる文化、
との出会いでした。


ということで
この連載もまだ続く^^







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