京都駅前に「羅城門」がある。

羅城門は時代のなかで「羅生門」と呼

ばれるようになり、芥川龍之介の作品

にもなる。

 


 

京都駅前の羅城門

 

映画「羅生門」

映画「羅生門」は、芥川龍之介の『藪の中』を

原作とし、『羅生門』を源(もと)に描く。

 

ときは平安時代の末、ところは京の都が乱れて

いた頃、羅生門がその舞台となる。

盗賊が侍夫婦の夫を殺害し、男(盗賊)と女(

妻)はそれぞれ違った証言をする。が、こ

の事件を目撃していたものがいる。

 

 

 

羅生門

 

京の山中で、侍とその妻が森の中に襲われる

事件がある。本当に何が起きたのか、真実が

さだかでない。

 

 

(証言者)

盗賊・多襄丸(三船敏郎)

悪名高き盗賊で、武士の妻の美貌に魅かれ、

夫との戦いに勝ち、妻を奪いとり犯し、夫

を殺したことを誇るように証言。

 

侍の妻・真砂(京マチ子)は、夫と盗賊が

争い、縛られた夫に「私は殺されてもかま

わない」といい、犯されたと証言。

 

夫・金沢(森雅之)

死体で発見された夫は巫女による降霊で

証言。言葉巧みに多嚢丸に山奥まで連れ

て行かれ、樹に縛られ、妻を手籠めにさ

れたという。

 

(証言と目撃者)

夫の目の前で妻が盗賊に犯された。

盗賊は弥勒菩薩のような女を犯し、自分の

ものにしたいと欲望する。

犯された妻は、蔑視した夫の眼差し、言動

に震える。

盗賊と侍が剣をもち戦っていた。

 

その場にいあわせた目撃者は男(多襄丸

と女(妻)、そして杣売りと旅法師の4人。
 
男と女に起こった記憶と真実は何だったのか。
 

 

夫・金沢(森雅之) 妻・真砂(京マチ子) 盗賊・多襄丸(三船敏郎)

 

 

杣(そま)売り(志村喬)

夫の遺体の発見者で参考人として検非違使

に出廷する。そこで矛盾した3人の証言を

聞く。

旅法師(千秋実)

生前の金沢夫妻の目撃者で、参考人として

検非違使に出廷。
 
「羅生門」

羅生門で夫の目の前で妻が盗賊に犯された

話をする4人。

放免(加東大介)

河原で倒れていた多嚢丸を発見し、検非違
使に連行する。

下人(上田吉二郎)

雨宿りの際、杣売りと旅法師の話を聞く。

 

旅法師(千秋実)

「私はこれ以上恐ろしい話たくさんだ!

聞きたくない」

杣売り(志村喬)

「嘘だ!みんな嘘だ!」

「多襄丸の話も、女のはなしも」と言う。

杣売りはホントのことを知っていたが、

事件に巻き込まれるのを恐れ言えなかった。

下人(上田吉二郎)

「本当のことを言えないのが人間だ。」

「この世のなかで手前勝手でない人間は

生きていけない」と。

 

羅生門から赤ん坊が泣くのを聞く。

下人が赤ん坊の肌着を奪おうした。

これをお前なんかに資格がないと、女の

短刀を盗んだ杣売りに言い返す。

このとき、男は赤ん坊を奪い、自分の子

として育てると羅生門を去っていく。

旅法師は、羅生門でかすかにある人間の

良心に希望を見出すのであった。

 

 

 

下人(上田吉二郎) 杣売り(志村喬) 旅法師(千秋実)

 

 

映画「羅生門」と京都

羅城門は平安京の正門で、のち近代にはいり

謡曲、文学に「羅生門」表記され、芥川龍之

介の小説に「羅生門」があり、昭和26(195

1)年黒澤明監督、橋本忍・黒澤明脚本による

作品。

この作品で第12回ヴェネツィア映画祭で金獅

子賞、第24回アカデミー賞で名誉賞を受賞し、

日本の映画が国際的に知られるようになり、

「羅生門」で映画産業が国際市場に進出する

契機となる。

制作会社は大映京都撮影所で、配給の大映社

長は京都出身の永田雅一で、アカデミー外国

映画賞を受賞のときに、スピーチする。

 

 

京都駅ビル内の京都劇場まえの羅城門

 

 

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