『世紀末の詩』'98年10~12月期に日本テレビ系列の月10で放送されたドラマ『世紀末の詩』のノベライズ。

1話ごとにゲストが登場し、“愛”とは何か、をテーマにしたオムニバス形式のドラマでした。


どの話も古典的なものや引用的なものが多く、コレといって目新しいものはありません。つまりベタ一辺倒のいつもの野島 伸司さんということです(笑い)。

けれども、だからこそ、考えされる内容になっていますし、身近に感じることができました。

これは野島 伸司さんなりの愛の形をかいま見れる一冊です。


今回のお話は何といっても主人公たちの衝撃的な出会い!お互いに自殺しようとしたビルで向かい合ってしまうというその設定が面白かった。ここで結局一体何だったのかミアとの出会いもあるのですが・・・。これはどうなんでしょう??とにかくこういったものを登場させたかったような気がしてなりませんでした。

天使?それとも悪魔?この設定や展開をもっともっと煮詰めてくれたら内容に深みと厚みが出たような気がしました。


そんな主人公たちよりも個性的なゲスト陣の設定が面白かった!

幽霊や不思議なパン屋、家族を取り替えた男、ノストラダムス(!)などなど。個人的には難病の女の子が勇気を振り絞って恋愛に挑戦する話が好きです。恋愛する資格や権利は誰でも持っていいものですもんね。


しかしオチ・・・まさかまさか。ちょっとびっくりします。“ノア”と“モーゼ”という名前がここにかかってくるんですね。

“愛”とは“生きること”と“信じること”・・・。難しいですね。これは。


・読んだ日:'98/12/27~12/30。


『世紀末の詩』

『世紀末の詩』 - 野島 伸司

出版社 : ワニブックス
出版日 : '98/12/25
売り上げランキング : 18,117
おすすめ平均 : ☆

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電子書籍のでじたる書房 電子書店ΣBook.jp

『THE WINDS OF GOD ―零のかなたへ』俳優の今井雅之さんの舞台『THE WINDS OF GOD』のノベライズ化です。

神風特攻隊を扱う、というとてもハードルが高そうな内容をこうやって現在にしっかりとアレンジして味付けしてくれてとても嬉しく感じました。

確かにリアルさや真実とは離れてしまっているような記述があるかもしれません。

ここに私は今井さんの日本を思う気持ちを感じます。

特攻隊のリアルさよりも日本人のリアルさ、を取ったと思っています。


神風特攻隊を現代の感覚で感じようとすること自体が無理な話です。

それは戦国時代を現代の感覚で感じようとすることと大差ありません。

自分は別に昔も今も本質は変わっていないような気がしています。

ただ時代と教育が違っただけではないでしょうか?


何かのために命を投げ出せること、自分の命をかけることはうらやましいです。そういったもの持っていたい。そう感じました。


しかし小説はやはり小説。リアルな醍醐味や臨場感は生にはかないません。

これはぜひ舞台で生で味わって欲しい。脅威の舞台マジック。魔法をかけられることうけあいです。


・読んだ日:'98/03/07。


『THE WINDS OF GOD ―零のかなたへ』

『THE WINDS OF GOD ―零のかなたへ』 - 今井 雅之
出版社 : 角川書店
出版日 : '01/04/10(初版は'95/07/01発行)
売り上げランキング : 3,944
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『熱砂とまぼろし ―シルクロード列伝』中国西方シルクロードに魅せられてしまった時代の異なった5人の男たち、法顕、宋雲、張騫、スウェン=ヘディン、ヤクブ=ベクの列伝形式の物語。


求法取経として68歳で“アジアの天井”パミール越えを果たした法顕。“五胡の名君”苻堅の死はどういった影響を彼に与えたのでしょうか?名僧鳩摩羅什と比較され続けた彼の心中はどうだったのでしょうか?やはり権力のはかなさやむなしさ、信仰の無力さだったのかもしれません。


俗人としての旅行者宋雲。僧人恵生と旅をして感じたことは何だったのでしょうか?この二人が9年後に再会して話した内容がとても気になります。


死者張騫は誰からも愛された不思議な魅力を持つ男でした。きっとこの男は人間だけではなく熱砂からも愛されたような気がしました。


シルクロードに魅せられ、シルクロードに倒れた戦前の探険家スウェン=ヘディン。

コーカンドでラワーブを愛したヤクブ=ベク。

彼らさえも魅せられたシルクロードとは一体何なのでしょうか?


文明の十字路、世界の天井、世界最大最長の交易路・・・形容詞はたくさんあります。

その形容詞だけでは表現しきれない何かがあるのかもしれません。

思わず「う~ん!行ってみたい!」と言ってしまうようなそんな一冊でした。


・読んだ日:'99/05/07~05/10。


『熱砂とまぼろし ―シルクロード列伝』

『熱砂とまぼろし ―シルクロード列伝』 - 陳 舜臣

出版社 : 毎日新聞社
出版日 : '94/05/10(初版は'79/06発行)
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『菊池伝説殺人事件』内田康夫さんのキラーコンテンツ『浅見光彦の“伝説”シリーズ』です。

今回も有無を言わせぬストーリー展開で、ぐいぐいと引き込まれてあっという間に読んでしまいます。


今回は従来の“伝説”シリーズと比べると主人公の浅見光彦の活躍が少なく感じます。

しかし、それを補って余りあるほどの他の登場人物、脇役たちの活躍があります。展開の上手さや巧さがあります。もうさすがと言っていいですね・・・。


今回は日本創造伝説の里高千穂が舞台のため、日本人の宗教観やアイデンティティに触れるような内容になっています。こういう日本人のルーツを辿るような独特な宗教観はとても心地良かったです。その雰囲気に浸っているうちに読み終わった印象を受けました。


『浅見光彦の“伝説”シリーズ』でも、こういった部分の記述が多く見られるのは異質な感じがします。

違ったアプローチをしているのでとても楽しく読めた一冊でした。


・読んだ日:'98/03/20(一日で読了)。


『菊池伝説殺人事件』

『高千穂伝説殺人事件』 - 内田 康夫


出版社 : 角川春樹事務所
出版日 : '97/08/25(初版は'86/04/25発行)
売り上げランキング : 506,452
おすすめ平均 : ☆

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『小説十八史略 2』全6巻の第2巻。

今回の第2巻は“古代史上最強の軍師”張良の亡命・雌伏~秦始皇帝の誕生~漢武帝の治世まで。


項羽と劉邦のこの楚漢興亡は何度読んでも面白い!

名将軍・名参謀・名軍師の所狭しの活躍。張良や范増の智。項羽の武。前半は血沸き肉踊るチャンバラですね。群雄割拠の状態がだんだんと二人に絞られて、そして・・・。項羽の最期の場面なんて・・・たまりません。言葉になりません。男だ!漢だ!

“漢=男”と表すことが多いですが、“呉=男”と表してもいいようなぐらい、その生き様・死に様に心ひかれました。


一方後半は狡兎死して走狗煮らるの功臣粛清・呂后から始まる権力闘争。漢が成立して「はい、終わり。」ではなく、その後の呂后や文帝、景帝なんて変遷まで読めるなんてたまらない。

しかしもの悲しいストーリーですね。

“女の時代=平和”と表すのも多いですが、それも間違っているような気がします。“権力”という魔物に取り付かれた女性たちの物語はある種の滑稽ささえ漂っています。


そんな時代の後に“古代最高の名君”武帝の登場。時代は彼を待っていたかのようです。

奴隷上がりの武の衛青と、七十歳過ぎの老書生、文の公孫弘。こんな常識破りの二人の登場で第2巻は終わります。3巻に行ってしまいそうな終わり方!


明→暗→明という時代を映す陰影のコントラストの濃淡が面白いです。この濃淡が単純な分かりやすさ読みやすさにつながっています。展開も早めなので、進めるのもテンポがあっていいですね。

今巻も、とにもかくにも人間ドラマに仕上がっています!人間ドラマを読みたい人はぜひご一読を~!読後感もいいです!


≪今巻のお気に入り≫

“天下無双”の韓信。天下を取らせかったな~。どうなってたかな~。

張良の引き際と比較すると面白い。男って引き際?死に際?難しい・・・。


・読んだ日:'00/07/01~07/05。


『小説十八史略 1』

『小説十八史略 2』 - 陳 舜臣

出版社 : 毎日新聞社
出版日 : '77/12/20
売り上げランキング : 1,136,784
おすすめ平均 : ☆

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電子書籍のでじたる書房 電子書店ΣBook.jp

『小説十八史略 1』中国史は面白い。

伝記の集まりみたいなもので、登場人物がたくさんだから感情移入もしやすいし、はちゃめちゃで楽しい。

もしあまり好きじゃないな~なんて人にはお勧めの入門編としての一冊です。

今回の1巻は、三皇五帝~秦王政の誕生まで。
特に黄帝や尭、舜というあまりなじみのない帝王の話がいっぱいで面白い。
殷~周~春秋五覇~戦国七雄という難しい時代の変遷も上手に綴っています。こういった記述の上手さが陳さんならでは、です。

恩讐を自分の生きる道とした名参謀、名宰相たち。

天下への青雲の志を待つ百花繚乱の名軍師たち。

そんな歴史を彩った人物たちが表情豊かに実にいきいきと描かれています。陳瞬臣さんの記述は分かりやすいし、丁寧です。
妲己、褒娰、西施などの女兵たち、蘇秦・張儀の縦横家、様々な登場人物を見るたびにいかに人を中心に考えているかが分かるような気がしました。

≪今巻のお気に入り≫
なんてたって孫臏(そんぴん)!

龐涓(ほうけん)への復讐のくだりは胸がすくような気持ちです。
『巌窟王』(モンテクリスト伯)よりも絶対面白い!
范蠡(はんれい)と伍子胥(ごししょ)。冷静な范蠡も激情な伍子胥どっちも捨て難い!


・読んだ日:'00/06/24~06/28。


『小説十八史略 1』

『小説十八史略 1』 - 陳 舜臣

出版社 : 毎日新聞社
出版日 : '77/11/30
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おすすめ平均 : ☆

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『武蔵野蹴球団』読後の第一印象は「爽やか」。その一言に尽きます。

主役の蹴球団たちがとにかく爽やか!見ようによってはバカ正直かもしれません。確かに愚直かもしれません。でもそういう生き様こそ感動を呼ぶのではないか、と思いました。


誰もがハッピーエンドばかりじゃつまらないと思っているかもしれません。

でも、そういうことって結局どこかで求めているような気がします。きっと。


こういう本を読むと、「本は清涼飲料水」という気持ちになります。

本の捉え方ってさまざまですし、「自分にとって本とは?」という問いは千差万別、住人いろんな感想を

爽やかでのどごしが良くて気持ちよくなれる、そんな読書をしたい方にうってつけの一冊です。

春~夏辺りに読むのがベスト!かも。


・読んだ日:'98/03/02。


『武蔵野蹴球団』

『武蔵野蹴球団』 - 木根 尚登

出版社 : 角川書店
出版日 : '93/04/25
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『オグリの子』古き良き日本の原風景です。

こういう日本の田舎ってあったんだろうなぁと思わせてくれるぐらい、叙情的に描いてくれています。かと言って単なる感傷的な感じでもないのがすごく好感触でした。


でもこういう田舎って昔はどこにでもあったんですよね・・・。なのにこんなになんともない切ない気分になるのはなぜでしょうか?自分の少年時代を感じるからでしょうか?


今回の舞台は笠松。競馬場の町。そこに生きる少年たち。

スポーツが根付いている町っていいなぁ・・・としみじみ思いました。この少年たちの爽やかさ!ああ、少年時代とはかくあるべきだよ、と思います。

今の時代は急ぎすぎてしまっています。もっとゆっくりでいいです。ゆっくりしたくても駆け足で過ぎてしまうのが少年時代なのですから。


この少年たちを取り巻く大人たちも素晴らしい!

大人って一体なんだろう?と思いました。

この本では、「すべてを受け入れて、すべてを任せて、すべてを認めてくれる」人だと言っているような気がします。

すべての大人になってしまった皆さんに読んで欲しい本です。


・読んだ日:'98/03/25~03/26。


『オグリの子』

『オグリの子』 - 阿部 夏丸

出版社 : ブロンズ新社
出版日 : '96/06/25
売り上げランキング : 253,150
おすすめ平均 : ☆

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『菊池伝説殺人事件』内田康夫さんのキラーコンテンツ『浅見光彦の“伝説”シリーズ』です。

今回は九州の名門一族菊池家の伝説にまつわる殺人事件がテーマになっています。


今回の小説は何といっても話の取っ掛かりの部分、「清少納言と西郷隆盛と聖徳太子が親戚だった」が面白い。それを糸口に、菊池姓の伝説、菊池一族の話、秩父事件の隠し財産の話のつながり方・展開が見事で、話にどんどんと引き込まれてしまいました。

少しでも歴史が好きな方でも、歴史がとても好きな方なら“尚更”、ハマりますよ~!


今回は自分の氏姓や出生についてのお話、自分はどこから来てどこへ行くのか?といったアイデンティティについてなので、誰もが共感できる部分があり、興味を持てるのではないかと思いました。これは“歴史と伝説”を主題にした『浅見光彦の“伝説”シリーズ』の中でもけっこう異端とも取れる題材・ストーリーかもしれませんね。

でも、それが面白かった~。


今回も浅見光彦がいい。見ず知らずの人物の無実・無罪を愚直なほど信じ続けるその信念。

惚れました(笑い)。

・読んだ日:'01/03/05~03/08。


『菊池伝説殺人事件』 『菊池伝説殺人事件』 - 内田 康夫
出版社 : 角川春樹事務所
出版日 : '97/10/28
売り上げランキング : 736,173
おすすめ平均 : ☆

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『ポッキー坂恋物語 かわいいひと』CMキャスティングでの小説化。

それぞれの話はどこかで繋がっていて、その繋がるきっかけがほほえましいエピソードになっています。


舞台になっている坂の町函館がこういうほほえましい物語をより一層引き立てています。

1つ1つの物語がそれぞれかわいらしい雰囲気を醸し出していて、どれも心地のいい内容になっていました。

こういうCMの映像化っていいですね。


・読んだ日:'98/04/04。


『ポッキー坂恋物語 かわいいひと』 『ポッキー坂恋物語 かわいいひと』 - 榎 祐平
出版社 : 扶桑社
出版日 : '97/12/10
売り上げランキング :
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