『小説十八史略 2』全6巻の第2巻。

今回の第2巻は“古代史上最強の軍師”張良の亡命・雌伏~秦始皇帝の誕生~漢武帝の治世まで。


項羽と劉邦のこの楚漢興亡は何度読んでも面白い!

名将軍・名参謀・名軍師の所狭しの活躍。張良や范増の智。項羽の武。前半は血沸き肉踊るチャンバラですね。群雄割拠の状態がだんだんと二人に絞られて、そして・・・。項羽の最期の場面なんて・・・たまりません。言葉になりません。男だ!漢だ!

“漢=男”と表すことが多いですが、“呉=男”と表してもいいようなぐらい、その生き様・死に様に心ひかれました。


一方後半は狡兎死して走狗煮らるの功臣粛清・呂后から始まる権力闘争。漢が成立して「はい、終わり。」ではなく、その後の呂后や文帝、景帝なんて変遷まで読めるなんてたまらない。

しかしもの悲しいストーリーですね。

“女の時代=平和”と表すのも多いですが、それも間違っているような気がします。“権力”という魔物に取り付かれた女性たちの物語はある種の滑稽ささえ漂っています。


そんな時代の後に“古代最高の名君”武帝の登場。時代は彼を待っていたかのようです。

奴隷上がりの武の衛青と、七十歳過ぎの老書生、文の公孫弘。こんな常識破りの二人の登場で第2巻は終わります。3巻に行ってしまいそうな終わり方!


明→暗→明という時代を映す陰影のコントラストの濃淡が面白いです。この濃淡が単純な分かりやすさ読みやすさにつながっています。展開も早めなので、進めるのもテンポがあっていいですね。

今巻も、とにもかくにも人間ドラマに仕上がっています!人間ドラマを読みたい人はぜひご一読を~!読後感もいいです!


≪今巻のお気に入り≫

“天下無双”の韓信。天下を取らせかったな~。どうなってたかな~。

張良の引き際と比較すると面白い。男って引き際?死に際?難しい・・・。


・読んだ日:'00/07/01~07/05。


『小説十八史略 1』

『小説十八史略 2』 - 陳 舜臣

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