鷺沢萠さんの処女小説短編集です。
処女小説にしてこの完成度!と目を見張ります。
文藝界新人賞受賞・芥川賞候補作にもなった理由もうなずけます。
全体的に、丁寧で繊細な描写、やわらかくやさしい質感、一本ぴしっと筋の通った調子。
上質なヒーリング音楽を聴いているような心地にさせてくれました。
繊細でもありますが、大胆でもあります。
こういったメリハリ、抑揚が効いていて、読んでいて心地いいのかもしれませんね。
今作のテーマは“家族”。
家族の本質を鷺沢さんなりの目線と視点で切り取っています。
どの短編にも、家族は絶対に必要だ、それを誰もが信じている、という思いが込められていました。
『帰れぬ人々』はまさにタイトルの勝利。
家に帰りたいのに帰れない・・・誰もが経験したことがある状況です。
そういった点から家族を浮き彫りにしています。
家族の危うさや大切さを感じる小説でした。
お気に入りは『かもめ屋ものがたり』。
いますぐにでもドラマ化できるような登場人物たちのいきいきとした表情、躍動感が魅力です。
この作家さんは全作読破を目指しています!
・読んだ日:'98/04/21~04/22。
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『帰れぬ人びと』
- 鷺沢 萠 出版社 : 文藝春秋 出版日 : 1989/11/01 売り上げランキング : 497,493 おすすめ平均 : ![]() → Amazonで詳しく見てみる |

ま、こんなもんでしょう(笑い)。
子供のころの記憶ってものすごくあいまいで、そしてすぐ心の奥底に沈んでしまいます。
人を本気で愛したら、嫌いになることはできません。
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