『週間金曜日』に連載されていた本多勝一氏の自伝的マンガです。
タイトルの通り、もちろん食べ物のお話なんですが、そこから当時の文化や風俗、世相などがよく伝わってきます。
戦中の話もありますが、戦前がほとんどですです。
日本の戦争への不安や高揚などがあるのかな~と思っていましたが、当時の地方の子供たちにはあまり関係がなかったのかもしれませんね。
こういった無邪気で無鉄砲な優しい健康優良児たちはもう生まれてこないのでしょうか・・・。
少し感傷的になりました。森の一部として過ごす子供たちっていいなぁ、と思いました。
長野・特に伊那という地方性が良く出ています。その地方その地方独自の食文化があり、とても興味深く読めました。かつては(自分も子供の頃はそうだったような気がします)、こういうその地方その地方にしっかりと根付いた固有文化が各所に存在していたはずなのに、いつの間にか画一化が進んでしまいました。
失われた家庭での団欒の代わりに登場するのは一体何でしょうか?
しかし、食べ物の種類がものすごく豊富で正直驚きました。
ツツジの花やカエデの葉といった多彩な植物食。
ゴトウムシ(カミキリの幼虫)を網で焼いて食べる。
ヒビと呼ばれる蚕のさなぎを甘辛くいりつけて食べる。
ハチノコを生のまま口に放りこめば、それはバターとハチミツが混ざった神の味。
甲虫オトシブミの卵は、うまくもなんともないが、ただおもしろがって食べる。
スガレ追い(ジバチの巣狩り)によって収穫したハチの子ご飯。
うっかりすると今の時代が少ないのか・・・などとありえない錯覚を起こしてしまいそうになりました。
工夫する食生活は楽しいですね。貴重な輝きを放っています。
・読んだ日:'99/11/26~11/30。
|
『本多勝一はこんなものを食べてきた』
- 堀田 あきお 本多 勝一 堀田 佳代 出版社 : 七つ森書館(初版朝日新聞社) 出版日 : '04/11(初版は'99/05/01出版) 売り上げランキング : 179,236 おすすめ平均 : → Amazonで詳しく見てみる |