『ジャーナリスト』相変わらずの鋭い厳しい言論(と言っても1975年当時の内容です)。

しかしもしかしたらその言論もすごいことではないのかもしれません。


天皇陛下の問題や、戦争責任の問題、アメリカの占領と侵略政策。当時も今もありふれてすぎてる問題です。例えばそれに対して少し厳しい意見を言っただけで大騒ぎになってしまうような状況はどうなのでしょうか。

どうして日本人は身内に甘いのでしょうか。

島国根性とも言われる民族性なのかもしれませんが、だからと言って許せることではありません。

戦争責任の問題も「戦争は人殺しをするもの」「戦争とはそういうもの」のような論調は言い訳以外の何者でもありません。


ドイツのワイツゼッカー元首相の語録「過去に目を閉ざすものは現在も見ることができない」が頭をよぎりました。

過去を振り返ることなく、過去を学ぶことなく、過去を変えようとすることはおかしいです。

そういった逃げではなく、弱者へと向けるのでもなく、体制や強者へなど、もっともっと向けるべきものがほかにあるのではないでしょうか。


この本はジャナーリストとしてのスタンスや姿勢、考えがよく分かる一冊になっています。

決して難しいことは言いません。そして難しいことを求めてもいません。

人間として最低限のことを求めているような気がします。それを持っていない人間が増えてしまったような気がしました。

・読んだ日:'99/11/20~11/25。


『ジャーナリスト』 『ジャーナリスト』 - 本多 勝一
出版社 : 朝日新聞社(初版はすずさわ書店)
出版日 : '1995-11(初版は'75/06/20出版)
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