華麗の空~小難しい本のナルホド書評
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塚原龍雲:なぜ日本の手しごとが世界を変えるのか 経年美化の思想~民藝にふれるキッカケ作り

アマゾンのどの検索履歴購入履歴に引っ掛かったのか、民藝の新刊がオススメされたので読んでみる。(宮本常一さんの検索履歴か、、?)

本書は民藝関連の先人からの引用が多いが、これは著者塚原さんが民藝(日本の手しごと)について、今風の言葉でいうと「解像度を上げる」「言語化する」作業中だからであろう。わたしは民藝初心者ゆえ参考になる。

けっきょくのところ、民藝品に親しむとは、その品単体で感じるものではなくて、生産地や素材の背景、職人の生き様等々のストーリィ込みで味わうものなのだろう。その意味で、宮本常一さんの著書と親和性高いなと感ず。

工場見学みたく、民藝の生産地探訪も趣味として広がるといいですね。

 

 

 

 

 

 

吉田豪が語る芸能界の変遷 平成のスターたちが昭和に復讐された理由~情報収集にはお金を払おう。

「証言モーヲタ」が面白かったので「吉田豪が語る芸能界の変遷」も読んでみる(Kindle価格は安い)。

松本人志さんや中居正広さんのことや泉ピン子さんのインタビュー余話等々、

情報にお金を払ってくれる人に向けた内容で、裏どりをした上で書いているので中身が濃い。

最近のテレビ番組や芸能界の状況を知りたい人にはオススメ。

 

 

 

 

 

 

海軍戦争検討会議記録 太平洋戦争開戦の経緯:首脳陣の反省会

本書は1976年(昭和51年)に刊行されて、その新書版である。海軍反省会(全11巻)より随分と前の書籍というわけで、新書版で出してくれたおかげで気づくことが出来た。ただ、編者の前書きで「陸軍が悪い」的な印象を持ち、この方向性なら読まなくてもいいかなぁと暫く放置。佐官級(中堅の人)の率直な海軍反省会(全11巻)が良かっただけに、大将級の反省が「陸軍が~」だと何だかなと。

が数年経ち、気を取り直して今回読んでみることに。

結論、大将たちの率直な弁を聞けて、読む価値(今後に活かす教訓)はあったなと。

肝心なところで近衛文麿や松岡洋右が出てき、ここが一つのポイントかと。

またYes/Noの重要な局面において「ここまで犠牲を払ったのだから今更撤退/共同運営は出来ない、弱気と受け取られる言動は出来ないetc」といった感情が判断の妨げになることを痛感した。

さて。本書のもう一つのポイントは、井上成美大将の「海軍を空軍化する」案である。

大和・武蔵の建造計画が出たとき「もはや大艦巨砲主義の時代ではない」と大反対し、それに同調する方々もいたのだけれど、結局、井上成美案は受け入れられなかった。これは海軍内部の話であって、陸軍ではない。

 

さいごに。

「海軍戦争検討会議記録」や「海軍反省会」は別段、歴史の〇×を付けるために読んでいるわけではなくて、

世界的大不況でド貧乏、テロも起こる大変な状況下で、先人がなにを第一優先として物事を判断・決断したのか、それを知ることが楽しいのである。日頃から情報収集のアンテナを張っておくとか、いざという時には「これまで懸けた労力云々」を度外視して真に有益な選択肢を選ぶことを頭の片隅に入れておくとか、自らの智に活かす話に満ちている。

 

 

 

 

 

復刊:チャレンジ!! パソコン〜ハイドライド開発記を読む

積読のチャレンジ!!パソコンを読む。
ファミコン版ハイドライドスペシャルを遊んだ記憶あり、オリジナルのパソコン情報を知りたく買う。開発者内藤時浩さんのハイドライド2開発記も載っている。

ただ如何せんパソコンを持っていなかったので本書に懐かしさ皆無。当時夢中になった人向けかな。 

 



数学に魅せられて、科学を見失う〜素粒子物理学に取り組む学生へ。

(4年前に感想かこうとして下書きに眠ってたのを発見したのでせっかくなので書くことにする)
本書は、最近の素粒子物理学における理論と実験の著しい乖離の理由を丁寧に読み解いていく。ここでいう著しい乖離とは、理論から導かれる素粒子のエネルギー領域が高過ぎて現代の実験では検証出来ないレベルであることを意味する。つまり理論が正しければ存在する筈の素粒子を実験では見つけられていない状況、ということである。
 
私が学生のころ、研究室の先輩は「いま数学や物理の天才はひも理論に取り組んでいるよ」と言っていた。当時はスーパーカミオカンデの大気ニュートリノ観測でニュートリノ振動が検知された(振動がある=質量差がある=質量がある!)頃だが、いわゆる研究のトレンドは超対称性理論であり、ひも(ストリング)理論だった。ためしに素粒子物理学のセミナーで「ひも理論」講座を聴いてみたけれど、10次元の世界が自分には理解出来なかった(知識不足は大いにある)。
私の専攻は理論と実験を合わせた現象論で、いつかヒッグス粒子が見つかるといいな、ニュートリノがマヨラナ粒子である証拠が見つかるといいな、と思いつつ学生生活を終えた。その後、ヒッグス粒子が見つかりちょっと感動した。
 
この本の趣旨はタイトルの通りで「数学に魅せられて、科学を見失う」である。
いま素粒子物理学の分野で研究者を目指そうとしている人に、ぜひ判断材料の1つとして読んでみてほしいかなと。
 
ちなみに、著者ザビーネ・ホッセンフェルダーさん(Sabine Hossenfelder)はYoutubeで科学解説しているので興味ある方はオススメです。
 

吉田豪:証言モーヲタ~オタクの生き様を傍らで眺める本

90年代後半に岡田斗司夫さんの東大オタク学講座を読み、自分にとってのマニアックな世界を知ることの楽しさを知る。

本書「証言モーヲタ~彼らが熱く狂っていた時代~」は00年代に入ってからの、モーニング娘。に熱狂したヲタク達の回顧録である。とある番組で東野幸治さんに「J(ジェイ)~」といじられてたのが面白かった杉作J太郎さんのインタビューもあり、アイドルに対しての真摯な態度がいいなぁ、と。

どんなジャンルであっても、何かに熱中・熱狂した人の思い出話を聞くのは愉しい。

しばらくは吉田豪さんの本をチェックしよう。

 

 

 

 

 

Winny 天才プログラマー金子勇との7年半~犯罪ほう助とは??

Winny事件の無罪までの記録を読む。

当時、ファイル共有は(自分に技術知識がないゆえ)リスクが高いと感じていたのでWinny等々のサービスには近寄らないようにしていた。なので本事件については偏った印象しかなく、今回はじめてしっかり取り組む。

本書は担当弁護士による裁判記録であるが、読みやすい。検察の存在意義を考えさせられますね。

 

 

 

 

 

魚豊:ひゃくえむ。新装版(上下)~百メートルを速く走るマンガです。

100M走にすべてを懸ける「ひゃくえむ。」新装版上下をよむ。

小学生から社会人まで、足の速い人間の紆余曲折を描くマンガ。

能力を秘めた主人公が次々とトーナメント(大会)を制して世界一へ成り上がってゆくというような話ではなく。

肝心なところでケガをしたり、普通の高校生活に埋没したり。そこから自分らしさを取り戻す話。

登場人物みなが、走る意味を取り戻す物語。

上下2巻で一気読み推奨。

 

 

 

 

 

 

 

三浦孝偉:SNSはキーワードが9割@SNSでビジネスを始める9日前に読もう。

Youtubeのラグビー動画きっかけで三浦さんを知り、仕事人の側面にも興味をもって読む。

本書は個人ビジネスにSNSを活用したいと考えている人に向けた、ビジネスファンの増やし方指南である。

フォロワー数を増やすとか、個人的なファンを作ることが目的ではなく、自分の活動にお金を払ってくれる人(ビジネスファン)を獲得する為のノウハウ本。

わたしは直近でビジネスを始める予定はないのだけれど、本書の方針を取り入れてちょっとSNSの輪を広げていこうかなと。

 

 

 

 

【Netflix】ブレッチリー・サークル:サンフランシスコ@渡部昇一「人間らしさの構造」

Netflixのドラマは当たりはずれあって、1話50分でイマイチな感触が続くと、もう観なくていっか、とネトフリそのものから遠ざかってしまう(アマプラもWOWOWも同じだけど)。そんな中で久しぶりに面白いのが「ブレッチリー・サークル:サンフランシスコ」で、戦前に暗号解読に従事した女性が戦後、持ち前の情報解読スキルで殺人事件を解決していく物語である。

本作は単に探偵役を男性から女性に置き換えたミステリなのではなく、暗号解読に従事した女性陣の戦後の苦悩を描いた話なトコロが良い。戦中、特別な才能を見出され、暗号解読従事者に選ばれた高揚感。しかし極秘事項であるがゆえに、戦後は黙秘を続けなければならない。戦争が終わり、才能を隠すことを求められた。その苦悩。

学生時代、渡部昇一「人間らしさの構造」を読んだことを思い出す。

人間には「機能快(ドイツ語でフンクチオンスルスト)」が備わっており、それは心の内なる問いかけによって見いだされるものである。就活にあたって、どんな仕事が自分にとって心地よいか?を考えたりした。閑話休題。

ブレッチリー・サークルの女性陣はみな、機能快を果たすこと叶わない世の中に悶々とし、その反動で殺人事件を解決するのである。それが、面白い。

 

 

 

 

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