華麗の空~小難しい本のナルホド書評
ルポ塾歴社会 日本のエリート教育を牛耳る「鉄緑会」と「サピックス」の正体 (幻冬舎新書)  1964年のジャイアント馬場  忘れられた日本人 (岩波文庫)  第二次世界大戦 アメリカの敗北 米国を操ったソビエトスパイ (文春新書)
ダメ虎を変えた! ぬるま湯組織に挑んだ、反骨の11年  判断と決断 ―不完全な僕らがリーダーであるために  ど田舎うまれ、ポケモンGOをつくる (ShoPro books)  古都がはぐくむ現代数学: 京大数理解析研につどう人びと
◆ダメ虎を変えた! ぬるま湯組織に挑んだ、反骨の11年
 ⇒【書評】 楽天・星野監督誕生秘話。裏切りの阪神、阪急統合への布石。

◆判断と決断 ―不完全な僕らがリーダーであるために/中竹竜二
 ⇒【書評】 決断した未来から今を振り返る。最も仮定の少ない決断、それがベスト。

◆読書の技法 誰でも本物の知識が身につく熟読術・速読術「超」入門
 ⇒【書評】 捨てるために速く読む。

入社3年目までに勝負がつく77の法則 (PHP文庫)  リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは  渡部昇一 青春の読書  告発 コミンテルンの戦争責任 近衛上奏文と皇道派
◆入社3年目までに勝負がつく77の法則/中谷 彰宏
 ⇒【書評】 朝早い社員が会社を制する。

◆リーダーシップからフォロワーシップへ カリスマリーダー不要の組織づくりとは/中竹竜二
 ⇒【書評】 仕事における成長とは?

◆月刊WiLL 渡部昇一 VS 小林よしのり
 ⇒【08月号】 小林よしのり氏、質問を質問で返して0点。
 ⇒【10月号】 小林よしのり氏、質問に「逆に」で返して0点。⇒花田編集長へご提案
 ⇒【11月号】 小林よしのり氏、質問のハードルが上がって涙目0点。
 ⇒【12月号】 小林よしのり氏、質問はスルーするもブーメランが戻ってきて0点。
 ⇒【01月号】 小林よしのり氏、質問で半年粘った挙句なにも進展しなくて打ち切り0点。
 ⇒【03月号】 小林よしのり氏、質問から逃げ切ったつもりが後ろ盾を完全論破されて閉店。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>

サイコロジー・オブ・マネー~長期投資成功の秘訣?

本書では自主独立のために長期投資をオススメしているが、特徴的だなと感じたのは「とはいえ一定程度の現金を手元に置いておくこと」という考えである。これは私の実体験からも非常に共感できる話で、不測の事態に陥った際にも長期運用中の投資を中断せず手元現金で乗り切る為だ。長期投資の最大の効用は複利運用であり、複利は継続してこそ意味をもつ。長期投資を途中で中断せずに済むよう、たとえ銀行預金の利息が微々たるものであろうとも、手元に現金を置く。

私事、いぜん外貨預金(なので複利効果は薄いが)を10年ほど持っていた頃、世の中が円安へ向かっていった。日次で1円動いていく市況なので、何もせず保持していれば評価損益はプラスになる。だが実際には、私は円安の恩恵を受ける前に解約した。車が故障し、急ぎ買い替える必要があったからだ。手元に一定程度の現金がないと、自分の都合の良い市況が来たときに、その波に乗れないことがある、という教訓。

 

 

ゲーム戦記~ゲームセンター運営顛末記(現在進行形)

わたしはゲーセンで一つのゲームにハマったことがなく、また通い詰めた経験もないのだけれど、その反動ゆえか「ゲーセンでその道のプロとして名が通っている」「かつてこんな伝説があった」等々のエピソード収集が大好きである。その一つが「ゼビウス一千万点への解法」であるが、そこにはポケモンの生みの親・田尻智さんも関わってき、エピソードとして何倍もの美味しさを堪能した。また最近では、鉄拳のパキスタン伝説が完全にツボで、定期的に伝説一覧を眺めては心中ニヤニヤする(こわっ)。

 

そんな次第で生活習慣として「ゲーム」をキーに書籍検索するなか、本書「ゲーム戦記」を手に取る。ゲーム関連の本では写真が大事なのでKindleではなく新書でゲット(わたしのKindleが旧式なだけだが)。

さて、ミカド店長池田さんの最近の活動で「トウキョウヘッド」(大塚ギチ)というバーチャファイタープレイヤへのインタビューをベースにした書籍の復刊のことを知る。バーチャ伝説ですって。飯野賢治さんの「スーパーヒットゲーム学」にて開発者鈴木裕さんとの対談は繰り返し読んだけれども、バーチャをプレイしたことはない。その私でも「新宿ジャッキー」という単語は知っていた。たしか「池袋サラ」という単語もあったか。当時わたしは関西に居たので東京の地名に馴染みなかったが、東京の知人に教えてもらい、かってに変な憧れを抱いたのかもしれない。その界隈を知ることが出来る書籍の復刊。これは必ずゲットしよう。

 

 

 

 

 

 

世界一楽しい決算書の読み方~周辺検索で楽しさ倍増

貸借対照表、損益計算書、キャッシュ・フロー計算書、のいわゆる財務3表から企業のどんな特徴が読み取れるのだろう?との興味で読む。図表が大変見易いことと、つねに会社を3つ並べて、おのおの該当する表はどれか?を考えさせる構成に惹き込まれる。

面白いのは、ある企業が何故この貸借対照表の形(項目や金額の配分)になっているのか?を解説する段になると、周辺情報が出てくる点である。つまり、財務3表だけでは読み取れない事柄があり、それらを丹念に調べたうえで初めて3表の意味が分かるのである。

例えば本書に出てくる「ウーバー(Uber)」というタクシー配車アプリの会社について、連結貸借対照表をみると、配車マッチングサービスという業態とはズレた?表になっており、それは「投資有価証券の大きな計上」がある為であった(2019年度)。

解説では「これは中国の配車アプリDiDi社への投資を計上したものである」と述べているが、「そもそも何故、アメリカのウーバー社が中国の同業他社(ライバル企業)DiDi社へ投資しているのだろう?」と調べてみると、ロイター2016年8月3日記事に「DiDi社がウーバー中国事業を買収した」とある。つまり、ウーバー社は中国市場においてDiDiに敗れ、撤退したのであった。その事業売却と引き換えにDiDi社の株式を取得し、それが「投資有価証券の大きな計上」として出ていたわけだ。その数年後、その株式保有をどうしたか?の記事もNikkei等の各所で読むことができ、それもまた面白い。

 

本書でまず財務3表の着眼点を身につけ、自身で周辺検索をすることで世の中をより広く深く知る楽しさが味わえる。

 

 

 

【オススメ定期】谷沢永一さんの書評や人生論を読む

さいきん、「コンテナ(the BOX)」等のズッシリとした書籍を読んだので、中休みとして谷沢永一さんの本を数冊手に取り、なにか新しい発見(あたらしく検索する書籍)がないか確認する。人生で(おおげさ)一番繰り返し読んでいるのは渡部昇一さんとの共著「読書談義」だけれども、谷沢さん単独の著書もやはりオススメである。今度は、日高普「窓をひらく読書」あたりを読んでみようかな。まずは谷沢氏「松下幸之助の知恵」をば。

 

 

 

 

バカと無知~人生、全方位で張り合わないコト

教訓としては、吾唯知足(われただたるをしる)、京都龍安寺の言葉だろうか。

どこかしら何かしらの満足感をもっているのであれば、その点を大切にすることが人生を楽しむコツである。

それは人との優劣によって得るものではなく、ただ自分で充実していると感じればよいことだ。

ここではその感情をプライドと呼ぶこととして、さて一つ人生の智慧がある。それは、そのプライドを自分の人生全てに適用しないこと。自らの中に無知があることを自覚し、かつそのエリアで張り合おうとしないこと。仮にそのエリアで恥をかいたとて、自分の築いてきたプライドが傷つくことはない。私(わたくし)の中にも不得手はある、と素直に受け入れることで、本来のプライドは保たれ、限りある人生を愉しむことができる。が、自分のプライドを全方位に適用しようとすれば、足りないエリアを無理して補う必要がでてき、それが結果としてマウンティングという不毛行為を生む。

本書「バカと無知」はタイトルは刺激的だが、SNSをお騒がせしている人たちの生態を観察した内容ではない。読者が安らかに生きるための、見つめ直しの本である。

 

 

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 最初次のページへ >>