華麗の空~小難しい本のナルホド書評
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五十嵐正明:ミニ保険をつくった7人の侍たち~新しい金融商品が世に出るまでの過程

社会人になりたての頃、アクチュアリーという保険数理を扱う凄い資格があると聞き公式サイト経由で生保数理のテキストコピー

を入手、毎日始業30分前に演習問題を解く。生命保険の仕組みに触れることができ面白かった。その後も金融商品への興味はあって、本書「ミニ保険をつくった7人の侍たち」を読む。

ミニ保険というのは少額短期保険のことで、保険商品としては新しい領域であり、つまり消費者保護の観点より法令整備とセットで創り出された。「ミニ保険をつくった」当事者には法令整備側の担当者もいて、その1人が当時厚生労働省から金融庁へ出向していた豊田真由子さんである。いわゆる官僚側からみたミニ保険を語るインタビューなのだけれど、その前に大事なことに紙幅が割かれている。それは豊田真由子さんの名誉回復である。あの一連の騒動の実情を、豊田さん本人が語られている。「あの騒動の人ね」という余計なフィルタを取り除いてミニ保険の当事者としての話を聞いてほしいとの読者への配慮と推察するが、こうした場が提供されたことは良かったと思う。自身の名誉は自分で回復するしかないということを、渡部昇一「ドイツ参謀本部」で知った。

 

 

 

 

ファミコンショップ大百科:かつて通ったファミコンのお店全国版

むかし通ってたお店が載っていてちょっと嬉しい。FF3を予約し発売日当日に買い塾に行く前30分だけ遊んだ懐かしい思い出。

わたしがファミコン本体を買った時はいわゆる抱き合わせ販売だった。たしかソフト3本セットで買う必要あり、うち1本が「マッハライダー」か「ハイドライドスペシャル」の選択式で、バイクに興味なく「ハイドライド」にした記憶。ハイドライドは遊び方がよく分からなかったけれど雑誌の攻略記事や無敵コマンド?でクリアしたような。残り2本はグーニーズとハットリくんで、かなりやり込み長く遊べたので良心的な抱き方だったのかな。ちなみにハットリくんは巨大化しなかった。

 

 

 

 

 

 

大蔵省史、ついに買う:ほしい本はいつか手元に来る

15年以上前くらいに「ちょっと大蔵省深掘りするか!」とアレコレと読み始める。

まずは手軽にテリー伊藤「お笑い大蔵省極秘情報」からスタートし、いろいろと調べていくうち

「大蔵省史」なるドスンとしたシリーズの存在を知るも、当時の私には価格に見合う使いどころもなく保留。

かわりに「昭和大蔵省外史」を買う(けっきょく読んでないけど)。そうして2026年、ついに「大蔵省史」を入手。

敬愛する渡部昇一さん谷沢永一さんが「ほしい本はいつか手元に来る」と仰っていて、その通りに。(ま、読書家が減ってきたという流れもあるのかもしれない)

 

 

成果主義人事管理 オーラルヒストリー:管理職が読むと益すること大な良書

自分の社会人経験に照らし合わせながら熟読できる「成果主義人事管理 オーラルヒストリー」。

1990年代から始まる富士通とNECという巨大企業における(いわゆる)成果主義・目標管理・役割定義型就労の話。

本のタイトルに「戦後労働史研究」と冠してあり敷居の高さを感じるかもしれないが、

中身は人事畑のプロフェッショナルへの聞き取り調査でありかなり読み易く、また内容が「社員の評価」ゆえ社会人として関心の高い領域で、大変面白い。

「社員を評価する」という過程で起こり得る出来事が、すでに1990年代の時点で詰まっている。つまり、昔も今も、人が気にするポイントは変わらないということだ。

「成果主義人事を導入する」ということは、社員の就労環境が変わるということで必然、労働組合との話し合いもあり、そのあたりのやり取りも興味深い。

ちょっとこのオーラルヒストリーシリーズ、他のも読んでみよう。(値段以上の価値は十二分にある)

 

知念実希人:硝子の塔の殺人~ミステリの大どんでん返しまでの付き合い方

ふだん知念実希人さんのXにいいねを押しているからか「硝子の塔の殺人」サイコーという投稿が流れてくる。

帯の「最高到達点」等これでもかの煽りを受け読み始める。

出だしからテンション高めの名探偵が登場し、目の前の事象を実在するミステリ作品に絡めに絡めて自論を展開してゆく。

現場描写に多少の違和感を覚えつつも「傑作ミステリ!と煽っているのでどこかでガラッと変わり目がくるのだろう」とじっと読み進める。気が付けば550ページ中の400ページまで来た。わたしはミステリ大好きだけれどフェアとか本格とか叙述とか関係なくて、楽しく読めるかどうかが肝要。出だしからその世界観に入り込みたいのである。

 

 

 

 

 

「エンタメ」の夜明け ディズニーランドが日本に来た日:戦後娯楽の広がりの起点

本書は米国ディズニーランドを日本に招致した話が主でそのプレゼンの見事さが面白いのであるが、

それに加えて戦後日本の娯楽の広がり方を知ることもできる。

様々な登場人物がでてき、読後は各人を検索してさらなる深みへ進む楽しさ。

ちなみに電通の始まり的な歴史も知れるのでよき。

 

 

GWの本まとめ買い:ミステリ調理場エンタメ成果主義ファミコン

藤田晋:勝負眼~自分で立ち上げたサービスは自分が一番使い倒す姿勢。

藤田晋「勝負眼」よむ。

藤田さんのリーダとしての姿勢がいい。各案件を担当者に任せたら、口出しせず黙って見守る。黒字化に苦戦していても責めたりはしないが、ただ担当者のサービスへの取り組み方が甘いと話は別。アメーバブログを立ち上げたとき、藤田さんは社長として毎日アメブロに日記をアップし、あらゆる機能を試して使い倒していた。軌道に乗せようと責任者と話をすると、担当者はふだん別のブログサービスを使っていた。自分が推進しているサービスを使っていなかったのだ。結果、担当をチェンジした。

本書は仕事の取り組み方の参考になる一冊。

 

 

 

人の財布:読者自身が謎を解く!

清涼院流水:社会人英語部の衝撃~TOEIC900点集団への記録:2026現代はアプリとAIか

さいきん清涼院流水さんがSNSで飯野賢治さんとの思い出を語っており、飯野賢治さん好きの私には最高の連投であった。森博嗣さんのメフィスト賞デビューエピソードも面白く、毎回文章量多めで投稿してくれるのありがたし。

 

はるかむかし清涼院流水「全日本じゃんけんトーナメント」を読んだが、ちょうど飯野賢治「スーパーヒットゲーム学」と同じ頃だったかもしれない。それはさておき、その清涼院さんがTOEIC本「社会人英語部の衝撃」を出していると知り読む。

「TOEICテスト300点集団から900点集団へ」という副題がついているが、特別な魔法はない。

TOEIC公式の問題集を徹底的に不明点なくなるまで反復してやり込む、それだけである。その勉強には、耳慣れない発音は聴き取れなくて当たり前だから発音をしっかり意識する等々も含まれる。

ポイントは、1日2時間3時間を捻出して継続すること、これに尽きる。社会人が毎日継続する、これが難しい。

そのために、英語部という部活に参加することで、継続を維持する。英語部の特別セミナーで得点アップなのではなく、自らの継続の結果、英語力が伸びていくのである。

大事なことは、部活という集団といえど、人と比べないことである。過去の自分からの伸び率だけを気にする。

 

本書は2014年の本で、スマホとAI進化の2026年は様変わりしている。TOEICアプリは多数あるし、動画サイトでリスニングを聞きまくることも可能だ。なんなら翻訳アプリも進んでいるのでTOEIC受験の必要も薄まっているかもしれない。

 

余談。清涼院流水さんは神探偵イエス・キリストシリーズも出している。

面白そうではあるけれど、まだ岩下壮一神父の「カトリックの信仰」を中座状態ゆえ、まずはそちらからかな。

 

 

 

 

 

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