サイコロジー・オブ・マネー~長期投資成功の秘訣? | 華麗の空~小難しい本のナルホド書評

サイコロジー・オブ・マネー~長期投資成功の秘訣?

本書では自主独立のために長期投資をオススメしているが、特徴的だなと感じたのは「とはいえ一定程度の現金を手元に置いておくこと」という考えである。これは私の実体験からも非常に共感できる話で、不測の事態に陥った際にも長期運用中の投資を中断せず手元現金で乗り切る為だ。長期投資の最大の効用は複利運用であり、複利は継続してこそ意味をもつ。長期投資を途中で中断せずに済むよう、たとえ銀行預金の利息が微々たるものであろうとも、手元に現金を置く。

私事、いぜん外貨預金(なので複利効果は薄いが)を10年ほど持っていた頃、世の中が円安へ向かっていった。日次で1円動いていく市況なので、何もせず保持していれば評価損益はプラスになる。だが実際には、私は円安の恩恵を受ける前に解約した。車が故障し、急ぎ買い替える必要があったからだ。手元に一定程度の現金がないと、自分の都合の良い市況が来たときに、その波に乗れないことがある、という教訓。