コクセター『幾何学入門 上・下』の内容紹介第3弾です。
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空間の場合も、併進、回転、鏡映は平面のときと同様に基本的な変換ですが、次元が増えたことによる変更があります。
空間においては回転の中心は直線であり、これを「軸」と呼びます。
鏡映は平面について行われ、これを「鏡映面」と呼びます。
次に、基本的変換の組合せは併進鏡映以外にもう二種類あります。
「回転併進」(screw displacement)とは、回転とその軸に沿った併進との積です(p.194)。
「回転鏡映」(rotatory reflection)とは、鏡映とその面に直交する軸に関する回転の積です(p.194)。
また、平面の場合の半回転に対応する対合は中心対称変換です。
「中心対称変換」とは、1点を中心として各点を対称的な点に写す変換で、回転鏡映の一種です(鏡映×半回転)。
すべての等長変換は、高々4つの鏡映の積として表すことができます(平面では3つでした)。
例によって表の形にまとめておきます。
ユークリッド空間(3次元)の等長変換
不動点 例(x, y, z) 鏡映の数
恒等変換 正格 全空間 (x, y, z) 0
併進 正格 なし (x, y, z+1) 2
回転 正格 直線 (-y, x, z) 2
回転併進 正格 なし (-y, x, z+1) 4
鏡映 変格 平面 (x, y, -z) 1
併進鏡映 変格 なし (-x, y, z+1) 3
回転鏡映 変格 1点 (-y, x, -z) 3
(中心対称変換 変格 1点 (-x,-y,-z) 3 )
-------------------- 続 く -------------------