プールサイドの人魚姫 -11ページ目

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO200,SS/10秒,f/16 LAOWA FFⅡ 14mm f4.0


 今年の冬は例年に比べると寒さが厳しく、夜景撮影の好きな私も流石に撮影回数が極端に減ってしまった。昨年の今頃は週二回のペースで撮影に出掛けており、日によっては5月上旬のポカポカ陽気の日もあった。撮影時、熱くてジャケットを脱いで撮影した事を覚えている。心臓の悪い私にとって寒さは大敵、慢性的な心不全だから常に血の巡りが悪いところへ寒さで血管が縮み更に流れが悪くなる…。

 あんまり冷えると私の場合、舌の先の感覚が無くなり、口の中がなんとも嫌な感覚に見舞われるが、身体が温まってくればそれらの症状は消える。コロナ禍と言う事もありもしかして「感染?」と疑いたくなって来る。オミクロンは一向に減る気配を見せないし、このまま春を迎え人流が増えてくれば更に感染拡大し、一気に7波に突入なんてこともあり得るだろう。全く、困った世の中になってしまったものだ…。

 このスカイツリーは、1月28日に撮影したもの。その日は気温も10℃以上あり風もなく比較的温かい一日だった。寒さの限界まで堪えて撮影した大雪の日に比べれば、温泉に浸って撮影している気分だった。

 私が初めてスカイツリーを訪れたのは2012年8月の事。完成間もない電波塔としては世界一を誇るこのとてつもなく高い塔をひと目見ようと、全国各地から毎日大勢の観光客が訪れ、入場まで3時間待ちは当たり前の反響ぶりだった。当時、あまりの人の多さと長い待ち時間に圧倒され、結局の所、首が痛くなるほど見上げ記念写真を一枚撮っただけで終わってしまった。

 写真に興味がある訳でもなく、日記代わりにその日の思い出として撮影していただけの頃だった。一眼レフを始めてからは、幾度となくこの場所を訪れ撮影はするけれど、未だに登ってはいない。日中は味気ない鉄の塊のこの塔が夕暮れと共にライトアップされ、その姿を一変させる。季節やイベント等により変化する光のパレードは見るものを魅了し、東京のシンボルとして多くの人から愛されている。嘗て東京タワーがそうだったように、人々の幸福を願いながら今夜も光輝いている…。

 

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO200,SS/20秒,f/16 Z14-30mm f/4 S

 

 この写真は昨年の秋、コスモスと観覧車のコラボを撮りたいと思い訪れた『葛西臨海公園』の時に撮影したもの。以前にも触れたが秋桜は何処にも咲いておらず、私の想いは空虚な秋の片隅へと追いやられた。何の成果もなく帰る気にはなれず、海の様に広い公園内を歩き回り、夕暮れが訪れるまで時間を潰した。

 その日は見事なまでの夕陽が美しく、東京湾の果に沈み征く太陽の姿をカメラに収める事が出来た。やがて夜の帳が太陽の残光で群青色に染まる頃、観覧車のある方へと歩を進めた。葛西臨海公園の目玉は何と言っても直径111m、高さ117mを誇る日本最大の『ダイヤと花の大観覧車』である。乗れば尚更、その観覧車から見下ろす東京の姿を一望出来、異空間の世界へと人を誘ってくれるだろう。

 私はこの夜空一杯に輝く美しい大観覧車を首が痛くなるほど見上げ、そしてシャッターを切った。1枚目と3枚目の写真は長時間露光で撮影。観覧車はゆっくり動いているから、シャッタースピードを遅く設定して撮ると、まるで高速回転しているように撮れるから面白い。肉眼では絶対見ることの出来ない姿がカメラで表現出来るのだ。

 夜景撮影の醍醐味はなんと言っても普段見る事の出来ない風景を映し出してくれるため、ハマるともう止められない。カメラはタバコやアルコールのようにどこか中毒性の魅力を秘めている気がする。レンズもマクロ~超広角まで一通り揃ったからもう不要と一時は思うのだが、少しするとまた別のレンズが欲しくなる。カメラが金食い虫と言われる所以である。私が今、一番欲しいのはZマウントのZ 40mm f2なのだが、かなりの人気商品のため、生産が間に合わないらしい。今年の春頃には手に入れたいと思っているのだが…。

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO200,SS/8秒,f/16 LAOWA FFⅡ 14mm f4.0

 

 

 正月3が日は新型コロナの感染者も比較的少なく、各地の神社には初詣に訪れる人々で賑わっていた。私は少し時期をずらして1月17日に神田明神(神田神社)へ赴いた。参拝客も少なく撮影もスムーズに行う事が出来た。おそらく誰もが思っているであろう、コロナ収束を祈願し、マスクの要らない日常を待ち望んでいるに違いない…。

 だが突きつけられる現実はそう甘くはなかった。僅か一ヶ月の間に感染者が全国で8万人を超えると言う、オミクロン株の急激な感染拡大により、日本全国に『まん延防止措置』が適用され、東京は『緊急事態宣言』の目安としていた病床使用率が50%を超えたが、都はその基準を変更し新指標を作った。だが、医療や検査を受けられない患者が巷に溢れ返っている現状は既に緊急事態と言ってよい。

 オミクロン株は「重症化しない」「風邪と同じ」という言葉だけがひとり歩きし始め、人々の気持ちに油断と軽視する風潮が蔓延り始めていたのも確かである。それが更に感染拡大に拍車を掛け、あっという間に感染爆発が国内でも広まってしまった。

 オミクロン株の猛烈な感染スピードは人智を超える全く持って想定外の事態だったのだろう。それ故、政府の対応は今回も後手に回り、3回めのワクチン接種も著しく遅延し、それに加えて検査キットやPCR検査試薬の不足が現状を更に悪化させている要因となっている。これらは全て政府の見通しの甘さが招いた人的被害と言えるだろう。

 この2年コロナと向き合って来て、教訓を嫌と言うほど得ているにも関わらず、相変わらず旧態依然とした対応に、国民もうんざりしているのではないだろうか?3回めのワクチン接種が終わる頃にはピークが過ぎ、次に控えている『ステルスオミクロン』と呼ばれる亜種の『BA.2型』に置き換わり、ゴールデンウィーク辺りは第7波に見舞われているかも知れない。先の見えないパンデミックの終焉はいつになったら訪れるのだろうか…。

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO100,SS/10秒,f/16,SIGMA 12-24mm f4.5-5.6ⅡDG HSM

 

 

 隅田川に架かる橋の五輪カラーシリーズもいよいよこの清洲橋でラストとなる。他にも幾つか撮影したが、最もライトアップが美しいものだけをピックアップしたつもりだ。他の橋と比べると、その優美な吊橋は何処か異国情調が溢れるデザインとなっているが、調べてみるとドイツの『ヒンデンブルク橋』をモデルとして設計されたようだ。

 関東大震災の復興事業として、永代橋と共に計画されたと言う。2007年には国の重要文化財に指定されており、橋の歴史を紐解くと新たな発見と驚きに満ち、撮影意欲も益々高まって来る。被写体について何も知らずに撮るのと、ある程度の知識を持って撮るのとでは、雲泥の差が生じる。つまり被写体に心から寄り添い敬う事によって、作品としての完成度も高まって来るものと思う。

 夕景や夜景撮影にも随分慣れて来た事もあり、細かな設定は辺りの雰囲気や灯りの数などで瞬時に判断する事が出来るようになった。一眼レフからミラーレス一眼に変わり、電子ビューファインダーの恩恵を十分受ける事が出来、撮影ミスが極端に減った。天候が写真の出来具合を左右する大きな要素となるため、撮影の予定がある日は先ず、空を眺めるようにしている。風景写真に動きを入れるにはやはり『雲』の存在が大きな鍵となる。超広角レンズを使う場合は尚更、雲のあるなしで随分と空の表情も変わってくる。

 真夏の入道雲などを見かけるとつい、興奮して身体が踊ってしまうのだ。秋から冬にかけては美しい夕暮れ、トワイライトタイムが待ち遠しい。足の怪我がまだ完全に戻っていないため余り無理は出来ないが、東京ゲートブリッジを早く撮りたいと思っている。

 

 

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO500,SS1/160,f/10 Z24-200mm f/4-6.3VR

 

 

 

初めて口紅塗ったのは

わたしが15の秋だった

もみじの紅が好きだと

あなたが言った事

遠い昔のおとぎ話しだけれど

わたしは今でも忘れない

君が紅く色付く季節に

迎えに来るよと

あなたの優しい眼差しが

語っていた

幾度となく季節が

わたしの中を通り過ぎ

朱い紅が溶けてくちびるを濡らす

二度と戻らぬ二人の季節に

さよならの手を振って


 

 都内の紅葉の名所と言えば数多くあるが、これまで訪れた事のない『六義園』へと赴いた。国の特別名勝にも指定されているため、さぞ美しい紅葉が望めるだろと期待で胸を膨らませていたのだが…。空は雲ひとつない快晴!絶好の撮影日和であった。整備や手入れの行き届いた日本庭園は見事である。然し、何処を見渡しても私が求める紅葉が見当たらないのだ。新宿御苑のような広大な敷地ではないから2時間程度歩けば園内全てを見る事が出来たが、結果的に自分の撮影意欲を充たす被写体と出会う事は出来なかった。コスモスの時と同じ様に、このまま終わる訳には行かないので別の日に今度は『旧古河庭園』へと足を運んだ。

 こちらも六義園と似たりよったりではあったが『洋館とバラ園』もあり、前者よりも僅かだが心が動いたのは確かだった。ここには『手水鉢』があると言うので是非とも撮影したと思い地図を見ながらさほど広くない園内を回ってみたのだが目的の物が見つからない。気が付くといつの間にか園を3周していた。そして最後にやっと見つけた『手水鉢』は実に残念な事に紅葉一つも浮かんでおらず枯れ葉のみだった…。

 結局、今回も紅葉に振り回される結果となったが、庭園は止めて寺院の紅葉に眼を向け、選んだ場所がここも初めての『九品仏浄真寺』であった。東急大井町線にある各駅しか停まらない小さな駅。その昔、上京したばかりの頃、大井町に住居を構え、大井町線には何度も乗った事があった。その頃は車体が濃い緑色だったと記憶している。

 何十年振りだろう大井町線に乗るのは…。ギターを質屋に入れて作った1万円をズボンのポケットに突っ込み、東海道線の各駅に乗り東京を目指したあの無造作な自分の姿が脳裏を駆け巡った。九品仏駅を下り、ほんの少し歩くと『浄真寺』へと続く参道に入る。道の左右には自分の眼の前にまで垂れ下がった紅葉が出迎えてくれた。この時「これだ!」と撮影意欲が爆発したのである。やっと自分が求めていた紅葉に出会えて、無我夢中でシャッターを切った。目標があったなら何事も諦めてはいけないのである。写真は一期一会。その時、その瞬間が自分の世界となるのだから。

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO200,SS1/50,f/6.3 Z24-200mm f/4-6.3VR

 

 

A Happy New Year!
 

 皆さま、新年明けましておめでとうございます。

 昨年は当ブログに訪問頂き心より御礼申し上げます。今年一年が皆さまにとって、希望に溢れた明るい年になるようお祈り申し上げます。写真ブログとしてはまだ2年余りと若輩者ではありますが、皆さまの心に残るような写真を目指し、今年も邁進してまいりますので昨年同様、今年も宜しくお付き合いのほどお願い致します。

 

 さて、昨年を振り返ってみれば、やはり『コロナ』に翻弄され、毎日報道される感染者の数に一喜一憂し、一年を通して『緊急事態宣言』の繰り返しにうんざりするほどのため息しか出ず、それが撮影にも影響を受け、好きな夜景も思うように撮れないと言う、不都合な日々の中でもがいていた自分を思い出す。『レインボーブリッジの夕暮れ』を撮るのだと少し無茶をし、その帰り道で転倒しその結果、右脚に全治4ヶ月の大怪我を負ってしまうと言う、なんとも不甲斐ない状態に陥ってしまった。

 幼い頃から痛みには慣れっこであったが、これまで味わった痛みの中で、この怪我が一番痛かった。1ヶ月間はまともに歩けず随分と不自由な思いをしたが、普通に歩ける事の有り難さを身を持って痛感した。結局、完治するまで半年も掛かってしまったが、これを機に絶対に無理はしないと心に誓った。あれほどの大怪我にも関わらず骨折を免れたのは奇跡とも言える。昔から運は良い方だが私は常に幸運の女神に守られているのだと実感している。そう言えばもう何年も入院から遠ざかっており、2017年9月に抜歯のため入院したのが最後でそれ以来入院とは縁がない。4年以上入院0が続いている!心不全で年に何度か救急搬送されていた自分が今は存在していないのだ。心臓疾患だけでも4つ抱えそれに加えて慢性腎不全もある。確かに薬だけはもうこれ以上は増やせないと主治医が嘆くほど増えてしまったが、それとは裏腹に私はすこぶる元気が良い!これも一眼レフを始めたその恩恵なのだと思う。

 自分の情熱を傾ける事が出来る何かが在ると無いとでは雲泥の差。健康にはもう慣れないけれどそんな高望みはしないし、今の自分が充実していればそれで全て良し。今年の干支は寅年なので12月中旬、上野動物園へと出掛けた。本当は野生の虎を撮りたいと思ったがそれは無理。コロナ禍を考慮して混雑を避けるため完全予約制であった。親子のトラを撮りたかったなぁ…。もう少しアップの写真が欲しかったが望遠レンズを持っていないので、高倍率のズームレンズを使った。爪研ぎしている姿を見た時、やっぱり大きな猫だ!とつい笑みが溢れた。それにしてもこのトラ君、名前は知らないがしっかりカメラ目線でこちらを向いてくれた。

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO64,SS1/400,f/3.5 TAMRON SP90mm f/2.8 Di MACRO VC USD

 

 

優雅なドレスを身に纏い

粋なステップ軽やかに

観るもの全てを魅了する

魔性の笑み浮かべて

私の心を虜にする

さあ その情熱のラスト・ダンスで

最後の恋を咲かせて欲しい



 

 昨年は芝公園の秋バラを撮影したので、今回も同じ場所へ行ってみたのだが何処にも薔薇は咲いておらず空振りに終わった。コスモスの時は4度も場所変えて漸く撮影出来たが、今年はどうも花に嫌われてしまったようだ。一度撮ると決めたら何があろうとも実行するのが私のポリシーなので一切妥協はしない。

 芝公園を諦めそして選んだのが『鳩山会館』だった。有楽町線の江戸川橋で下車し、徒歩10分も掛からない場所にその洋館はあった。初めての訪問だったので心踊らせながら行った訳だが、大きな門の所で一旦立ち止まってしまった。長い上り坂が延々と続いてるのである…。心臓の悪い私が最も苦手とするのが上り坂と階段だ。

 それまで軽やかだった歩調が一気に重くなり中々前へと進まない…。肩で息をしながら途中にあった休憩場所に腰を下ろし、コンビニで買ったおにぎり一つを頬張った。5分ほど休憩し荒かった息が静まったのを見計らって、今度は一気に登り切る。すると大正時代にタイムスリップしたかのような美しい洋館が姿を現した。バラ園のある中庭へ行くには建物の中を通る。陽当りの良い居間には様式の椅子と大きな四角いテーブル、そして鳩山一郎が嘗て使っていたであろう様々なグッズが展示されていた。

 拝観料が有料だけあってバラの手入れもしっかりされており、管理人らしき女性と初老の男性が黙々と作業を続けていた。戦後の日本の政治が此処から生まれ、世界へと羽ばたいて行ったであろう事は華やかな薔薇と洋館の佇まいから感じて取れた。

 薔薇に限らず花を撮るならやはりマクロレンズが一番であるが、被写体との絶妙な距離感が大事で、マクロだからと言って極端にアップで撮る必要はない。その花の持つ魅力を如何に引き出すかである。因みに花を撮る時はオートフォーカスではなく、マニュアルに切り替えて撮影している。

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB晴天,ISO125,SS/30秒,f/16,SIGMA 12-24mm f4.5-5.6ⅡDG HSM

 

 先に投稿したリゾートホテルの直ぐ近くにこの『有明ジャンクション』がある。ゆりかもめに乗って『台場』で降りれば、さほど歩く事もなく十数分で現地に着くが、レインボーブリッジと首都高速を撮影するとなれば『有明北緑道公園釣りエリア』を北に向かい高速道路に沿って進めば良い。一枚目のレインボーブリッジや東京タワーが写り込んでいる方は夕暮れ時のトワイライトタイムを狙って撮っている。絞り18、露出時間25秒。ISO100の設定とした。

 突き当りのエリアは緑道公園になっており、そこから眺めるレインボーブリッジも絶景であるが、望遠レンズがあれば尚良い。公園の向こう側は『豊洲ぐるり公園』。休日ともなれば多くの釣人で賑わっている。

 JCT(ジャンクション)の夜景撮影がブームになったのは10年以上も前の事で、書籍まで発売されていたらしい。その前は『工場夜景』が人気で、現在ではブームも定着しており、JCTよりもどちらかと言えば工場の方が初心者向きと言えるかも知れない。三脚を使えば一眼レフでなくともスマフォで綺麗に撮れるようだ。

 私の場合JCTが先になったので工場夜景はまだ未知の世界。いずれは撮るのだけれど、やはり川崎の浮島町にある工場地帯だろうか。ただ、歩いて行けるのか調べた訳ではないのでなんとも言えないのだが…。自分が徒歩で行ける判断基準はグーグル・マップで調べ徒歩30分圏内ならOKである。足の怪我は別として心不全を起因とする体調不良が続いていた為、ここ暫くは撮影自体を止めていた。11月初旬に入院寸前で主治医に入院を勧められたが断り、自宅静養とし1週間で体重を3キロ近く落とし、自力で回復させた。かなり無茶をして撮影を続けたのが祟ったのだろう…。

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB曇天,ISO100,SS/20秒,f/16,SIGMA 12-24mm f4.5-5.6ⅡDG HSM

 

 

 ミラーレス一眼のZ7Ⅱで初めて撮影した夜景がこのリゾートホテル『ホテルトラスティ東京ベイサイド』。お台場にある『夢の大橋』を有明方面に渡ると直ぐそこに聳え立つツインタワーのビル。初めてこのビルを見た時、ホテルとは知らず高級マンションかと思った。一見、都庁にも似ているこのビルが、夜になるとその表情を一変させ、「一度は泊まってみたい」と思わせる演出が心憎い。

 この時はまだZレンズを持っていなかったのでFマウントのSIGMA12-24mmを使用。後になって14-30mmのZレンズを購入する訳だが、私的にはSIGMAの方が好みである。12と14mmでは僅か2mmの差ではあるが、この2mm、『痒い所に手が届く』ほどの大きな差がある事に使ってみて実感した。超広角レンズの弱点は四隅の解像度がどうしても甘くなりがちなのだが、SIGMAは隅々までシャープに解像し、昼夜、区別なく見事なまでのクオリティを実現している。

 2011年8月発売だから10年も前のレンズなのだが古さを全く感じさせない辺りはレンズへの拘りを追求したSIGMAならではの技術力ではないだろうか。一眼レフのD810に装着していた時は全く気にもしなかったが、軽いZ7Ⅱへ装着するとカメラ本体よりもレンズの方が若干ではあるが重いため、撮影時はバランスを崩さない配慮が必要かと思われる。但し、夕景や夜景撮影時に三脚を利用する際は重量の事は気にする必要もなく、撮影に集中出来る。

 購入したばかりのミラーレス一眼だった事もあり、細かな設定がまだ理解出来ておらず適当に撮影してしまったが、仕上がりを見ると何とか及第点を付けてもよいと思う。

 

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB曇天,ISO80,SS/6秒,f/16 Z14-30mm f/4 S

 

 東京五輪が終わっても引き続き開催されるパラリンピック開催中であれば、隅田川に架かる橋の幾つかは五輪カラーにライトアップされるかは確認した訳ではなかった。8月下旬、炎天下の厳しい残暑を物ともせず、吾妻橋を目指した。都営浅草線の浅草で下車すれば直ぐそこに吾妻橋の姿を見て取れるのは知っていたが、目的地までの工程も撮影の一環として捉えている私は敢えて都営大江戸線に乗り両国駅で下車。コンビニでおにぎり一つと500Lのペットボトル(緑茶)を購入。両国橋から隅田川テラスに下り、日陰を選び石の椅子に座りおにぎりを頬張る。これが私の昼食であるが、隅田川の流れや行き交う船を眺めながらのひとときは至高の幸せ時間である。

 人のいる場所に行けば餌にありつける事をよく知っている鳩が数羽、足元に寄って来る。私の両手から溢れ落ちた米を嘴で器用に突いている。鳩のお陰で足元を汚さずに済んだ。陽はまだ高く夜の帳まではまだまだ時間があった。この頃から私はモノクロ写真に興味を持ち始めていたので、わざと眩い光の中に飛び込んで行った。白黒の世界では、何の変哲もない日常風景が総天然色とは打って変わり、鮮やかな切れ味鋭い刃物のようにその存在感を増すのである。

 数十年前はみなモノクロフィルムで白黒が当たり前だったが、写真の本質を見抜くのであればやはり白黒なのだろうと思う。雲の一片もない青い空でキラッキラの太陽が我が物顔で輝いている。それに狙いを定め、逆光好きの私が撮らないはずはない。D810の一眼レフで撮影していた時は眩しくてファインダーをまともに見れず、当てずっぽうで撮っていたが、ミラーレス一眼の電子ビューファインダーは太陽を見ても眩しくないため、思ったように撮れるから非常に有り難い。吾妻橋を目指しながら、あちらこちらに点在する光と影の世界を見つけてはシャッターを切り、目的地へと向かった。

 現地に着いてからもう少し時間があったので、黄昏時までの過程をカメラに収める。そして時計が午後7時に差し掛かり、辺りは沈む太陽の余韻を空に残しつつ、暮れ始め、ビルや道路の街灯が点り始めた。時間的にもうそうろそろライトアップされてよいはずと思いながら待っても待っても点灯しない…。

 やっぱり五輪カラーには点灯されないのかと諦め、テラスの階段を上り、帰ろうとしたその瞬間に鮮やかな五輪色が光ったのである。待ちに待ったその瞬間に出会え、心は躍り、興奮しっ放しでカメラを橋へと向けた。