五輪カラーに光る橋Part2。 | プールサイドの人魚姫

プールサイドの人魚姫

うつ病回復のきっかけとなった詩集出版、うつ病、不登校、いじめ、引きこもり、虐待などを経験した著者が
迷える人達に心のメッセージを贈る、言葉のかけらを拾い集めてください。

 

Nikon Z7Ⅱ,Mモード,WB曇天,ISO80,SS/6秒,f/16 Z14-30mm f/4 S

 

 東京五輪が終わっても引き続き開催されるパラリンピック開催中であれば、隅田川に架かる橋の幾つかは五輪カラーにライトアップされるかは確認した訳ではなかった。8月下旬、炎天下の厳しい残暑を物ともせず、吾妻橋を目指した。都営浅草線の浅草で下車すれば直ぐそこに吾妻橋の姿を見て取れるのは知っていたが、目的地までの工程も撮影の一環として捉えている私は敢えて都営大江戸線に乗り両国駅で下車。コンビニでおにぎり一つと500Lのペットボトル(緑茶)を購入。両国橋から隅田川テラスに下り、日陰を選び石の椅子に座りおにぎりを頬張る。これが私の昼食であるが、隅田川の流れや行き交う船を眺めながらのひとときは至高の幸せ時間である。

 人のいる場所に行けば餌にありつける事をよく知っている鳩が数羽、足元に寄って来る。私の両手から溢れ落ちた米を嘴で器用に突いている。鳩のお陰で足元を汚さずに済んだ。陽はまだ高く夜の帳まではまだまだ時間があった。この頃から私はモノクロ写真に興味を持ち始めていたので、わざと眩い光の中に飛び込んで行った。白黒の世界では、何の変哲もない日常風景が総天然色とは打って変わり、鮮やかな切れ味鋭い刃物のようにその存在感を増すのである。

 数十年前はみなモノクロフィルムで白黒が当たり前だったが、写真の本質を見抜くのであればやはり白黒なのだろうと思う。雲の一片もない青い空でキラッキラの太陽が我が物顔で輝いている。それに狙いを定め、逆光好きの私が撮らないはずはない。D810の一眼レフで撮影していた時は眩しくてファインダーをまともに見れず、当てずっぽうで撮っていたが、ミラーレス一眼の電子ビューファインダーは太陽を見ても眩しくないため、思ったように撮れるから非常に有り難い。吾妻橋を目指しながら、あちらこちらに点在する光と影の世界を見つけてはシャッターを切り、目的地へと向かった。

 現地に着いてからもう少し時間があったので、黄昏時までの過程をカメラに収める。そして時計が午後7時に差し掛かり、辺りは沈む太陽の余韻を空に残しつつ、暮れ始め、ビルや道路の街灯が点り始めた。時間的にもうそうろそろライトアップされてよいはずと思いながら待っても待っても点灯しない…。

 やっぱり五輪カラーには点灯されないのかと諦め、テラスの階段を上り、帰ろうとしたその瞬間に鮮やかな五輪色が光ったのである。待ちに待ったその瞬間に出会え、心は躍り、興奮しっ放しでカメラを橋へと向けた。