疑惑の判定それは亀田家、TBSにとっても悪夢の夏だっただろう。八百長めいた試合にブーイングとバッシングの嵐。亀田興毅も単なる一人のボクサーであるし、おそらく口で強がりを言っても心はぼろ雑巾のようにズタズタに引きか裂かれたと思う。4ヶ月という猶予を貰った彼はラッキーだった。前回のような力任せのボクシングは通用しない事を身体で覚え、念入りな作戦を立て出来るだけ目立たないよう練習に励んで来た。派手なパフォーマンスは影を潜め、TBSもそれに同調した形となった。ファン、或いはアンチ亀田の人たちから見れば今回の試合は物足りなさを感じたに違いない。彼自身もKO宣言はしなかったし、12ラウンドをふるに戦う作戦を立てていた。確実に勝てる為のポイント稼ぎである。亀田家のボクシングスタイルはやはりKO。誰もがそれを望んでいたが、試合内容は至って地味。リング上を軽やかに動き回り、そのフットワークにランダエタはついて行けなかった。ボクシングの基本はフットワークとジャブである。ランダエタだけが焦りを感じ自分の持ち味であるジャブがヒットしない。興毅は時計の針を見つめるほどの余裕を見せた。試合結果は明らかで3-0で亀田興毅が初防衛を果したが特に見所のないどちらかと言えば詰まらない内容。亀田興毅が本当に強いボクサーなのかはいまだに不明だ。前回のボクシングはTBSの仕掛けたお祭りでもあり、ボクシングを娯楽番組として視聴率アップを図ったマスコミ関係者の為の試合。リング上という手のひらで踊る操り人形を作ったTBS、そして疑惑の判定をした審判たち。その後重い十字架を背負ってしまった日本のボクシング界。今回の試合に勝利したのは紛れもない審判である。
ところでもっと驚いたのは弟大毅の試合である。ボクシング人生を既に終わっているような相手と戦い勝っても意味がない。元インドネシアミニマム級王者モハマド・サディック(33)肩書きは立派であるが、高齢でもあり表情に精気が全く見られず闘争本能は消え、張りのない身体はまるで亡霊のように見えた。リング上で歌など披露している場合ではない。