私が昔働いていたお店では、伝説になるほどの嬢がいました。



私がソープの仕事を始める前の話ですから、実際には会ったことはないんですが、何回も何回も店長から聞いていたので、まるで知っている人のような気がします。



彼女の名前は愛華さん、彼女はなぜ伝説になったのか?



愛華さんがそのお店で働いた期間は1年間ですが、その1年間でついたフリーのお客さんは25人だそうです。



彼女は伝説のナンバーワンです、25人しかフリーのお客さんについていないのに、です。



その25人のフリーのお客さん全てが彼女の指名客になってしまったんです。


そのお客さん達が愛華さんの予約を埋めてしまうため、彼女はフリーのお客さんにはつかなくなったわけです。



普通、ついたフリーのお客さんが100%指名で戻ってくることはありえないものです。



どんな良い嬢でもお客さんとの相性や好みの問題で指名にならない場合もあるわけですから。



そしてその25人のお客さん全てが、彼女がそのお店に在籍した1年間ずっと通い続けたそうです。



これもすごいですよね、2~3回の指名で来なくなってしまうお客さんも多いのに、全員が1年間通ってくれるなんて………。




ユキ「愛華さんってどんな人だったんですか?綺麗だったんでしょうね~。」



店長「それがすごく普通の子なんだよ、とびぬけて綺麗なわけでもなく、話が面白いわけでもない。」



ユキ「それでもそんなに人気があったなんて…すごいですね。」



店長「彼女のお客さん達は、彼女の優しさに癒されたんだろうね。」



ユキ「優しい人だったんですね。」



店長「たまにポカッと空き時間があっても、その時間にフリーはつけなかったんだよ、彼女の希望でね。」




愛華さんはとても人見知りする人で、フリーのお客さんにつくのが苦痛だったようです。



この愛華さんの話をする店長は、まるで昔の恋人の話をしているように優しい顔をしていました。




店長はその愛華さん以来、2回しか愛華という源氏名を使っていないんです。



面接をして「コレは!」と思った嬢にしか愛華は使わないと決めたんだそうです。



もしかしたら店長自身も愛華さんに対して特別な感情を持っていたのかもしれませんね。




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前回の続きです。



キョウコちゃんがお店を辞めた原因はいくつもありましたが、他の嬢に嫌われたこと以外にも店長との喧嘩があったんです。



キョウコちゃんは店長のお気に入りで、仲が悪くなるまではキョウコちゃんの要求を全て受け入れていた店長。


この二人がある日大喧嘩していたらしいんです。



その喧嘩の原因は、キョウコちゃんが指名本数を気にするあまり、サービス料を取らずに接客していたことです。


常連のお客さんにサービス料をタダにしてまでお店に来てもらっていたんです。




本末転倒ってこのことですよね………稼ぐために指名がほしいはずなのに、いつのまにか指名本数がほしくてタダで仕事をするようになってしまったんです。



それを知った店長がキョウコちゃんに注意して、キョウコちゃんがそれに逆上した…というのが喧嘩の原因です。




この話はあっという間に他の店にいる私にまで聞こえてきて、キョウコちゃんは少しするとお店を辞めてしまったようです。



このキョウコちゃんは前回書いたように、お客さんに他の嬢の話をすることで嫌われていましたが、まだ他にも嫌われてしまう理由があったんです。



お店が終わると数人の嬢で飲みにいっていたんですが、その飲み会には嬢の旦那さんや彼氏が来ることもあったんです。



私も何回か旦那が参加していますが、幸い旦那はキョウコちゃんには会っていません。




彼女は最初は礼儀正しいんですが、酔ってくると相手がまるで自分の彼氏かのように振舞うんです。



自分の食べかけを手で食べさせたり、口移しで物を食べさせるなんてこともありました。




ある日の飲み会で気付いたら険悪なムードが漂っていました。



私はトイレに行っていたのか、他の人と話していたのかで見ていなかったんですが…




ピザを食べていたキョウコちゃん、酔っていてその手はオレンジ色のアブラでギトギト。



その手を隣に座っていた男性の白いYシャツで拭いてしまったんです!!



当然そのシャツはクリーニングに出しても落ちないであろうオレンジ色のアブラがべっとりです………。



普段はノリが良くて少々のことでは怒らないその男性もさすがにこれには激怒してしまうし、その彼女である嬢も怒りと彼氏に対する申し訳なさで、数年たってもこの話を思い出しては語っていました。







この飲み会以降、キョウコちゃんが飲み会に誘われることはなくなりました。




こんな風に他の嬢とも店長とも仲が悪くなってしまったキョウコちゃんは、今は他の土地でソープ嬢をしています。


関東から遠く離れた土地で、陸で続いてもいない場所なんですが、なぜか今でも彼女の話はよく聞きます。



その土地で稼げない時期は飛行機でやってきてこちらのソープで稼いでいるようです。




今でも関東のとあるソープ街では、大きなスーツケースをゴロゴロ転がして歩くキョウコちゃんの姿が見られるとか………。





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私の最初のお店で他の嬢から嫌われてしまった嬢の話です。



彼女はキョウコちゃん、ずっとナンバーワンになりたかった嬢です。


指名を取るためには手段を選ばなかった彼女は、次第に指名のグラフを伸ばしていきました。




個室内のことは他の嬢にはわからないと思いがちですが、いろいろな女の子を渡り歩いているお客さんも多いですし、自然と耳に入ってくるものなんです。


彼女が個室内でやっていたことは許されることではありませんでした。




最初はお客さんが面白おかしく話すことですし半分冗談として聞いていましたが、内容が内容なだけに誰かがお客さんに話しているに違いありませんでした。




客「○○ちゃんって離婚して子供が二人もいるんだってね!○○ちゃんは淋病で休んでるんでしょ?」



ユキ「なんでそんなこと言うの~、そんなことないから!」



客「でも、ユキちゃんも最近結婚したって聞いたよ。」




なんて話を何人ものお客さんからそれぞれ女の子たちは聞かされていたんです。



誰から聞いたのか、どのお客さんに聞いても帰ってくる名前はキョウコちゃんです。





そしてある日、いつも私の指名で来る川本さんがやってきて呆れながら話してくれたんです。




川本「この前ユキちゃんが休みだったからお店のお勧めのキョウコちゃんに入ったんだけどさ…あの子とは仲良いの?」



ユキ「なんでそんなこと聞くの?何かあった?」



川本「キョウコちゃんに、いつもはユキちゃんを指名しているって話したんだよ。」



ユキ「そんなの話さないでいいのに(笑)」



川本「うん…そうしたらさ、私を指名してくれたら生でいいって言うんだよ。俺はそういうの嫌だからって断ったんだけど、気をつけたほうがいいよ。」








この川本さんは月に2回、ダブルで入ってくれる常連さんでした。


キョウコちゃんは指名の本数を増やすために、どうしても川本さんの指名が欲しかったんでしょうね。




他にも同じような話が耳に入ってきますし、自分の指名客に同じことをやられた女の子は当然キョウコちゃんに対して良い感情はありません。



次第に飲み会にも誘われなくなり孤立していったキョウコちゃんですが、最後には店長と喧嘩してお店を辞めています。



この話は私が他のお店に移ってからの出来事ですが、狭い世界ですしウワサはいろいろ聞こえてきました。




この続きは次回の更新で書きますね。












台風が来ていますが九州の人は大丈夫ですか?


この雨の中、今夜はオフ会があります♪

この16話がアップされる頃にはもう飲んでいます。


近いうちにオフ会のご報告をしますね。




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これも最初のお店での話しです。



まだ遅番で働いていた頃ですが、ある日最後のお客さんの接客を終えて控室に行ってみると、もう他の嬢は仕事を終え片付けも簡単な掃除も済んだ後でした。




この日は遅番の女の子皆で飲みに行く約束をしていたのでフロントで皆待っています、私も身支度を整えて急いでお店に行くつもりでした。



個室で着替えも済ませているし、後は仕事道具を片付けて自分の荷物を持って出るだけです。



ロッカーの上に仕事道具のカゴを置くと、ロッカーを開けて自分のバッグを取り出しました。


なんとなく違和感があるんです…自分のバッグの中身に。



いつもどこに何を入れるか決まっているし、並べてバッグの中に入っているはずの物が少しずつずれています。




気になって財布の中身を調べてみると………お金が入っていません!



正しくは、2千円だけ残して一万円札が抜き取られていたんです。






このお店では幸いお金をフロントで預かっていてくれて、帰る前に精算だったのでその日の稼ぎは無事でしたが、前日と前々日の稼ぎは全て持って行かれてしまいました(汗)



ものすごいショックでした…これから飲みに行く友達の中に盗んだ犯人がいるんですよ………。



中には当然、あまり仲良くしたことのない嬢もいましたが、それでも同じお店で働いている嬢の中に泥棒がいるのは良い気持ちがしません。



そんな沈んだ気持ちのまま飲みに行って楽しくなれるはずもなく、ボーッと考え事をしているうちに一次会は終わってしまいました。



そんな私の様子に気付く子もいるわけです。




ジュン「なんか疲れてる?元気ないけど、どうしたの?」



ユキ「さっき控室に戻ったら、お財布からお金がなくなってて…なんか嫌な気分なんだよね。」



ジュン「ええっ、また!?最近よく物がなくなるよね。」



ユキ「うん…、でも今回はお金じゃん、今まではゴムとかゼリーだったんでしょ?」




この頃、控室に置いてある物がなくなることが頻発していました。



全員がそこそこ仲の良いお店だっただけに、誰かが足りなくて借りているだけかもしれないって気持ちが皆の心の中にあったんです。



でも今回はお金です、当然盗まれたとしか考えられないんですよね。




後日他の嬢から、お金が盗まれた日に私のロッカーを開けている嬢がいたと聞きました。




ハナ「あれっ?ユキちゃんのロッカーってそこなの?」



ユキ「うん、ずっとここだけど…なんで?」



ハナ「この前、涼さんがそこ開けてたから涼さんのロッカーだと思ってたんだけど…。」



ユキ「それっていつの話?飲みに行った日?」



ハナ「そうかも、一週間くらい前だったと思うよ。」




涼さんはもうお店を辞めてしまっていました。




でも涼さんが辞めたあとも控室から物がなくなることが続いていたんです。



あとでウワサになったのは、このハナさんが一人で控室にいると物がなくなるということでした。




結局犯人はわからないまま終わってしまいましたけど、一緒に仲良く働いている仲間を疑うのは良いものではありませんね。




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今でも嫌な気分になるお客さんの話です。



彼はフリーでついたお客さんで、一回しか会ったことはありませんが強烈な印象でよく覚えています。


お店で接客した後にも、堀之内の近くで若い彼女と歩いているのを見たせいもありますが…。




このお客さんはヒモでした。



30過ぎくらいだと思いますが、話の内容は高校生かと思うほど自分勝手なものでした。



ナンパしてできた彼女をソープで働かせて、二人でホテル住まいをしていたんです。



彼女は20歳で、家出した子だったので住む場所がなかったようです。



彼は彼女にソープ勤めを勧めて、自分でお店を探してきてあげたそうです。


もうその時点で普通なら見切りをつけて別れると思うんですけど、彼女はそれでも彼が好きだったんでしょうね。



その彼女の稼いだお金でソープ遊びをしているような人ですし、最低な人間ですよね。



でもここまで聞いて、まださらに嫌な気分になる話があったんです………。




客「泊まってるホテルにデリヘルを呼ぶことがあるんだよ。」



ユキ「そうなんですか…彼女にバレませんか?」



客「彼女も一緒に居るときしか呼ばないよ(笑)」



ユキ「彼女は怒らないんですか?ちょっと理解できないですけど…。」



客「最初は泣いて嫌がったけど、『お前も客としてるだろ』って言ったら許してくれたよ。」




この男、最低ですよね!!



でもまだ最低な話が続くんです………




客「デリ嬢と彼女のレズプレイを見るのが楽しいんだよ(笑)」



ユキ「………それは彼女は嫌がらないんですか?」



客「俺が楽しんでるのに嫌がったら殴っちゃうもん。」



ユキ「彼女を殴るんですか?いつも?」



客「ときどきだよ、言うことを聞かないときは殴るよ。」






この彼女も早く気付いて別れれば良かったのに…彼女が15歳のときから付き合っているそうです。



15歳から売春をさせていたようですし、20歳になってソープに入れたんですね。



若いうちにこんな男と付き合うと、これが普通だと思って男性不信にならないか心配です。



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前回12話のリンちゃんの話です。

彼女に控室での問題があったのは前回書いた通りなんですが、お客さんからも苦情が多かったようです。



彼女は当時私と同じ21歳でしたが、付き合っていた彼氏は自分の父親よりも年上の50代半ばの男性。

父親を早くに亡くした彼女はファザコンだったのかもしれません。



この男性は自分の仕事の他にリンちゃんの送り迎えをしていたんですが、リンちゃんの帰りも遅いですし自分の生活が保てなくなり、1ヶ月もすると仕事を辞めてヒモになってしまったんです。

50代の男性を養う21歳の女の子………



他にもヒモがいる嬢は多かったんですが、さすがにリンちゃんの話には違和感を覚えました。



この男性、自分の彼女がソープで働くのを容認していた割にはヤキモチ焼きで、彼女の仕事中に何度も何度も電話をしてくるんです。



そしてリンちゃんが電話に出ないと、怒って不機嫌になるそうです。



そのため、彼女は接客中でも携帯を気にしていて、電話がくればお客さんをホッポリ出して電話に出るということを繰り返していたんです。



お客さんだって個室に入るときには携帯の電源を切るかマナーモードにしておくのに、接客する側であるリンちゃんがお客さんの目の前で電話していたんですから…



そんな接客を受ければ誰だって怒ってしまいますよね。




長電話になると個室から出て行き、30分も戻らないこともあったようです(汗)









リンちゃんがこのお店に在籍していたのは3ヶ月という短い期間でしたが、その間に1本も指名が取れなかったんです。


指名は取れないし、苦情は来るしでクビになってしまったわけですね。




その後、何回かリンちゃんと連絡を取ることもあったんですが、数年間はこの年上の彼氏と同棲していました。


もちろんリンちゃんがソープ勤めをして彼を養っていたわけです…。



リンちゃんが最初のお店をクビになってから3年程たった頃、久しぶりにリンちゃんから電話がありました。




リン「久しぶりだね、今はどこのお店にいるの?」



ユキ「今は○○の早番にいるんだ。」




このとき、私はリンちゃんがそれまで在籍していたお店を知っていました。



彼女はまた同じような理由でそのお店をクビになっていたんです。



格安店に移ってもクビになることを繰り返していた彼女のウワサは、どこからともなく聞こえてきました。




リン「○○ってさ、遅番募集してるかな?紹介してほしいんだけど…。」



ユキ「募集はいつでもしてると思うけど…けっこう出勤とか厳しいよ?」



リン「うん、大丈夫。週5日出たいんだけど、話しといてくれるかな?来週あたり面接に行くから。」



ユキ「店長に話してみるね。」




この世界ではよくあることなんですが、他の嬢の紹介でお店を移ったりもします。


私も友達の紹介で移籍したこともありますし、逆に紹介したことも何回かあります。




でもこのときは真剣に悩みました、店長には何も話さずに紹介するべきか?全て話して後は店長に委ねるべきか?



何も話さずに紹介すれば彼女は面接に通るでしょう、その後のことについては私は知らん顔していればいいだけです。


ただし私の株は下がりますけどね(汗)



全て話して店長に任せればお店の評判を下げなくても済むし、お店からの信用を失わなくて済む。




次の出勤日まで迷っていましたが、結局店長には面接したい子がいるとだけ話しました。




店長「うん、面接に来てもらってよ。…で、その子どうなの?」



ユキ「前のお店で一緒で、私と同じ歳なんですよ。」



店長「指名とってた?他のお店にも行ってたの?」



ユキ「3ヶ月一緒に働いただけなんで………他のお店はいろいろ行ってたみたいですよ…。」



店長「なんかハッキリしないなぁ(笑)いいから正直に言ってよ、良い子がほしいだけだし、話を聞いて判断するのは俺の仕事なんだから。」




最後にはオブラートに何重にも包んで店長に話しました。




彼女が採用されることはありませんでしたが、今でもあのとき黙っているべきだったのか?少し考えてしまいます。




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私がソープの世界に入ったときのお店での話しです。



そのお店は素人が働くソープとして、そこそこの人気があるお店でした。



嬢歴の長いプロの嬢と素人新人が混在していたお店です。



当然プロの嬢から見たら、素人の嬢は決まりごとも守れないし、仕事も中途半端ですよね。




そのお店では私は一番若い嬢でしたが、もうひとり同じ歳で私より1ヶ月ほど前に入ったリンちゃんという女の子がいました。



彼女は人懐っこくてよく喋る、人見知りの私とは正反対の性格です。



同じ歳ですし、彼女の明るさで私達はすぐに仲良くなりました。




リン「今日は何本ついた?指名来た?さっきのお客さんはフリー?」




ユキ「まだ2本だよ。1本は指名だったんだ♪」




リン「そっか~、私も2本だよ。フリーしかついてない…。」



彼女は人のお客さんをとても気にする子だったんです。



私はこのとき気にもしなかったんですが、同じことを彼女に聞かれてイライラしている嬢が多かったんです。




リン「美幸さん、今のお客さんは指名ですか?」



美幸「指名かフリーかなにか関係あるの?」




少し険悪なムードです………でも根っから明るいリンちゃんには通じないようで(汗)




リン「フリーがそろそろ回ってくるかなぁと思って、指名でした?」




美幸「あのさぁ、前から言おうと思ってたんだけど、指名だろうがフリーだろうが私の客なんだからあんたにはまったく関係ないんだよ。」




リン「あ…はい、すみませんでした…。」




美幸「人が何本指名とったのかフリーついたのか気にする前に、自分の指名客を増やす努力したらどうなの!?」




リン「はい………。」




美幸「皆あんたに指名かフリーか?何本ついたか?聞かれて嬉しいとでも思ってんの!?気分悪いに決まってんでしょ!」




美幸さんのリンちゃんに対する言葉はきつくて怖かったんですが、リンちゃんに聞かれ続けて当たり前になっていた私にとっても勉強になりました。



美幸さんの言葉は、リンちゃんの質問に普通に答えている私にも向けられているような気がして、とてもいたたまれなかったのを覚えています。





誰だって自分の稼ぎや指名本数を聞かれて嬉しいわけないんですよね。




帰り際に


『今日はフリーついた?』



ここまでの質問はOKですが、同じ帰り際でも


『今日は何本ついた?』



ここからはNGなんですよね。



女同士の見栄もありますよね、指名を何本取ったか?いくら稼げたか?聞かれたくないんです。



もちろん、稼げていない女の子に対しての気遣いもあります。



他の子がまだお客さんについていないのに、声高に『何本ついたよ』なんて言えませんから。



そういったことを教えてくれた美幸さんの厳しいお言葉でした。



ちなみにリンちゃんはこれ以外にもいろいろと問題を起こしている問題児ならぬ、問題嬢でした………


最後にはこのお店もクビになって他のお店に移っています。



また次回リンちゃんのその後の話を書きますね。




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潔癖症、そんな人も世の中には増えてきているらしい。



そういうお客さんがお店に来るとけっこう大変、今までに何回かあたったことがありますけど………ちょびっとウンザリ(汗)



まずそういう人はマイタオルやマイイソジンを持って来る。



入浴するにも浴槽にイソジン(大)を1本入れてしまう。


そうしてイソジン風呂に女の子も入らせて消毒しようとするんですよね。


浴槽の消毒もできるし、女の子も消毒できて一石二鳥ってわけなんです。






でもそういうことをされて喜ぶ嬢はいないんですよね…誰だって自分をバイキン扱いされて嬉しいわけがないんです。



当然、サービスが良いわけもないし、中には仏頂面で接客する嬢だっているわけです。




以前私が接客したお客さんでこんな人がいました。



そのお客さんの持ち物は、2枚のバスタオル、1枚のフェイスタオル、除菌スプレー、イソジン、歯ブラシセット、シャンプー、石鹸、スポンジ、カミソリ、着替えの下着とシャツ、靴下などでした。



当然旅行に行くような大きな荷物を毎回持ってくるわけです。



大荷物ですし大変だと思うんですけど、この人は毎回その荷物を持っての来店でした。




個室に入るとまず入浴するわけですが、この人は私と同じ浴槽には入りません。



まず自分で全身を洗ってイソジン風呂に浸かったあと、私が入浴するわけです。



イソジンがまるまる1本入ったお風呂に入ると全身がイソジン臭くなるので最初はお断りしていたんですけど、段々断るのも面倒になってしまいました。



このお客さんはどんどん潔癖症がエスカレートしていきました。

最初の頃の荷物はバスタオルと、パンツくらいだったんです。




最後は、帰る前のシャワーでイソジンの原液をオチン○ンにかけて消毒するようになっていました。



でも、あれってものすごく沁みるらしいんですよね(汗)



そしてある日………




客「ユキちゃん、今日は身体を洗って上げるよ。」



ユキ「………ハァ…じゃあ、お願いしますね。」



客「たまには俺もサービスしなくちゃね!」




こうして全身を洗ってくれたのは良いんですが、洗い終わって最後にお客さんが手にした物は、もちろんイソジンでした(怒)




客「イソジンかけるよ~。」



ユキ「いやっ、それは遠慮しときます!だっていつも沁みるって言ってるでしょ!?」



客「大丈夫だよ、たいしたことないから。」



ユキ「………そこまで衛生的に気になるようだったら、もうソープは無理だと思いますよ?消毒されるこちらの気分も良くないですしね。」



客「あ………うん、そうだね…。」




これ以降、このお客さんは来なくなりましたけど、この日の帰りにもしっかりイソジンをかけて身悶えて帰りました。



今もきっと、そこらじゅうに除菌スプレーをかけて生活しているんでしょうね(汗)





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吉原という街は歴史も古く、昔からさまざまないわくのある街です。





花魁の幽霊が出たなんて話も多いし、夜中に一人で出歩くようなところではありません。



もともと夜遅くまで人がいたり、水を使う場所には幽霊が出るなんて言いますよね?




これは有名は話なんですけど、某店ではお客さんが途切れると昔の遊廓時代の花魁が現れるとか…



お客さんが途切れたことを心配して出てくるのか、あたりを見回し寂しそうにしているらしいです。




そのためこのお店では絶対にお客さんが途切れることのないように、暇な日は少しずつお客さんの上がり時間をずらすそうです。




そして有名な映画「吉原炎上」のようなシーンが再現されるお店もあるようです。




個室を出て帰ろうとすると、嬢とお客さんの目の前に炎が広がるんだそうです。




当然ビックリして慌てるわけですが、次の瞬間には炎は消えてしまうんだとか…。



吉原は何度も大規模な火災に見舞われている街ですから、そんな幻が見えてしまうんでしょうか?








堀之内にも出るって言われているお店は多くて、私が聞いただけでもいくつかあります。




その中でも有名な話は、某人気店のフロントにいる嬢の幽霊の話。




このお店のフロントは広くて、カーテンの裏が事務所になっているんだそうです。




お客さんがフロントの中を覗き込むと、カーテンの隙間から女性が覗いているとか。





これは友達から聞いた話です、少し前に堀の内でウワサになりました。




夏美「○○って店あるでしょ?あそこのお店、出たんだって。」





ユキ「○○って、前に自殺者が出たってお店でしょ?」





夏美「そうそう!そこでやっぱり出たらしいよ~。いま女の子が皆ほかへ移ってるじゃん!」





ユキ「先週入った彩香さんって○○から来たって聞いたよ。やっぱりソレが原因なのかなぁ……。」





夏美「へぇ~そうなんだ?じゃあ今度会ったら聞いてみよう!」






この数日後、私達は控室で彩香さんに会いました。





彩香「お疲れ様で~す。」





ユキ「お疲れ様~。」





夏美「ねぇねぇ、彩香さんって○○から来たって本当?」





彩香「はい、そうですよ。」





夏美「あそこって出るんでしょ?女の子どんどん辞めてるよね?」





彩香「そうですね…みんな一気に辞めてますよね。実際に見たって女の子とかお客さんもいて、怖いですよね……。」






彩香さんの話によると、お店が終わる時間になると毎回同じ場所に男の人が立っているんだそうです。




見た人はみんな黒っぽい影として見えるんだそうですが、自殺騒ぎのあったお店ですから当然亡くなった人が出てきたんでしょうね。



吉原にしろ、堀之内にしろ夜遅くまで人が集まる場所ですから、こんな話の一つや二つあってもおかしくないですよね。





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あるお客さんの話です。


このお客さんは中川さん、2年ほど月イチで通ってくれた人です。



このお客さんは数年前に裁判を経験しています。

この裁判は奥さんから、自分と彼女が訴えられたためのものでした。


離婚調停では話しがつかずに裁判になって、もつれにもつれた上での離婚だったそうです。




数年前、中川さんはあるソープで気に入った嬢に月に2~3回通っていました。

お互いに相手のことが好きだとわかると付き合うようになり、次第に奥さんより彼女のほうが大事になっていったんです。



家も子供も捨てて彼女と一緒になる決心をしたそうです。

当然彼女も同じ気持ちでした、そのときまでは……。




中川「女って怖いよな、金の話しになった途端コロッと変わってさ…、結婚する予定だったのに、信じられないよ。」



ユキ「彼女も急に現実が見えて怖くなったのかもしれませんね…。」



中川「そうかもしれないね、でも…裏切られたんだなぁ、俺は。」



最初は中川さんと結婚するはずだったのに、裁判が進むにつれ彼女の態度が変わっていったそうです。


彼女がなぜ心変わりしたのか?中川さんを疎んじるようになったのか?

それは今となっては彼女本人にしかわかりませんが、中川さんの前から去っていったのは事実。



裁判に負けると自分が支払うはずの慰謝料まで全て中川さんの責任にして押し付けると、姿を消したそうです。



中川さんは莫大な額の慰謝料と養育費を支払うために、本業のほかに土日もアルバイトして生活していました。


そのアルバイトが休みの日に、ソープに来るのが唯一の息抜きだったんです。



店に来ても毎回、彼女と子供の話しばかりする人でした。



当時、中川さんのお子さんはもうじき小学生、私にも同じ歳の姪っ子がいたのでよく何をプレゼントしたら良いのか相談されました。




中川「ランドセルなんか買ってやりたいよな~。」



ユキ「そうですよね、今のランドセルってピンクなんかもあるんですよ♪」



中川「うん、この前チラッと見てきたよ。ずいぶんカラフルになったよな?」



ユキ「うんうん、姪っ子はピンクっぽい赤のランドセルにしたみたいです。」



中川「他には何かプレゼントしたら喜ぶ物ってない?」




中川さんにとって、子供の話をすることが生き甲斐だったのかもしれません。

よく話していましたが、実際にはプレゼントを買っても送り返されてしまっていたそうですし、子供に会うことも許されませんでした。


自業自得といえばそうなのかもしれないけれど、大事な子供を捨ててまでも一緒になりたかった彼女はもういません。



彼は今も月に1回ソープに通って息抜きをしているんでしょうね。



家庭を壊すことがなければ、こんな寂しい思いをしないで済んだんでしょうけど……。




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