私がソープの世界に入ったときのお店での話しです。



そのお店は素人が働くソープとして、そこそこの人気があるお店でした。



嬢歴の長いプロの嬢と素人新人が混在していたお店です。



当然プロの嬢から見たら、素人の嬢は決まりごとも守れないし、仕事も中途半端ですよね。




そのお店では私は一番若い嬢でしたが、もうひとり同じ歳で私より1ヶ月ほど前に入ったリンちゃんという女の子がいました。



彼女は人懐っこくてよく喋る、人見知りの私とは正反対の性格です。



同じ歳ですし、彼女の明るさで私達はすぐに仲良くなりました。




リン「今日は何本ついた?指名来た?さっきのお客さんはフリー?」




ユキ「まだ2本だよ。1本は指名だったんだ♪」




リン「そっか~、私も2本だよ。フリーしかついてない…。」



彼女は人のお客さんをとても気にする子だったんです。



私はこのとき気にもしなかったんですが、同じことを彼女に聞かれてイライラしている嬢が多かったんです。




リン「美幸さん、今のお客さんは指名ですか?」



美幸「指名かフリーかなにか関係あるの?」




少し険悪なムードです………でも根っから明るいリンちゃんには通じないようで(汗)




リン「フリーがそろそろ回ってくるかなぁと思って、指名でした?」




美幸「あのさぁ、前から言おうと思ってたんだけど、指名だろうがフリーだろうが私の客なんだからあんたにはまったく関係ないんだよ。」




リン「あ…はい、すみませんでした…。」




美幸「人が何本指名とったのかフリーついたのか気にする前に、自分の指名客を増やす努力したらどうなの!?」




リン「はい………。」




美幸「皆あんたに指名かフリーか?何本ついたか?聞かれて嬉しいとでも思ってんの!?気分悪いに決まってんでしょ!」




美幸さんのリンちゃんに対する言葉はきつくて怖かったんですが、リンちゃんに聞かれ続けて当たり前になっていた私にとっても勉強になりました。



美幸さんの言葉は、リンちゃんの質問に普通に答えている私にも向けられているような気がして、とてもいたたまれなかったのを覚えています。





誰だって自分の稼ぎや指名本数を聞かれて嬉しいわけないんですよね。




帰り際に


『今日はフリーついた?』



ここまでの質問はOKですが、同じ帰り際でも


『今日は何本ついた?』



ここからはNGなんですよね。



女同士の見栄もありますよね、指名を何本取ったか?いくら稼げたか?聞かれたくないんです。



もちろん、稼げていない女の子に対しての気遣いもあります。



他の子がまだお客さんについていないのに、声高に『何本ついたよ』なんて言えませんから。



そういったことを教えてくれた美幸さんの厳しいお言葉でした。



ちなみにリンちゃんはこれ以外にもいろいろと問題を起こしている問題児ならぬ、問題嬢でした………


最後にはこのお店もクビになって他のお店に移っています。



また次回リンちゃんのその後の話を書きますね。




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