あるお客さんの話です。


このお客さんは中川さん、2年ほど月イチで通ってくれた人です。



このお客さんは数年前に裁判を経験しています。

この裁判は奥さんから、自分と彼女が訴えられたためのものでした。


離婚調停では話しがつかずに裁判になって、もつれにもつれた上での離婚だったそうです。




数年前、中川さんはあるソープで気に入った嬢に月に2~3回通っていました。

お互いに相手のことが好きだとわかると付き合うようになり、次第に奥さんより彼女のほうが大事になっていったんです。



家も子供も捨てて彼女と一緒になる決心をしたそうです。

当然彼女も同じ気持ちでした、そのときまでは……。




中川「女って怖いよな、金の話しになった途端コロッと変わってさ…、結婚する予定だったのに、信じられないよ。」



ユキ「彼女も急に現実が見えて怖くなったのかもしれませんね…。」



中川「そうかもしれないね、でも…裏切られたんだなぁ、俺は。」



最初は中川さんと結婚するはずだったのに、裁判が進むにつれ彼女の態度が変わっていったそうです。


彼女がなぜ心変わりしたのか?中川さんを疎んじるようになったのか?

それは今となっては彼女本人にしかわかりませんが、中川さんの前から去っていったのは事実。



裁判に負けると自分が支払うはずの慰謝料まで全て中川さんの責任にして押し付けると、姿を消したそうです。



中川さんは莫大な額の慰謝料と養育費を支払うために、本業のほかに土日もアルバイトして生活していました。


そのアルバイトが休みの日に、ソープに来るのが唯一の息抜きだったんです。



店に来ても毎回、彼女と子供の話しばかりする人でした。



当時、中川さんのお子さんはもうじき小学生、私にも同じ歳の姪っ子がいたのでよく何をプレゼントしたら良いのか相談されました。




中川「ランドセルなんか買ってやりたいよな~。」



ユキ「そうですよね、今のランドセルってピンクなんかもあるんですよ♪」



中川「うん、この前チラッと見てきたよ。ずいぶんカラフルになったよな?」



ユキ「うんうん、姪っ子はピンクっぽい赤のランドセルにしたみたいです。」



中川「他には何かプレゼントしたら喜ぶ物ってない?」




中川さんにとって、子供の話をすることが生き甲斐だったのかもしれません。

よく話していましたが、実際にはプレゼントを買っても送り返されてしまっていたそうですし、子供に会うことも許されませんでした。


自業自得といえばそうなのかもしれないけれど、大事な子供を捨ててまでも一緒になりたかった彼女はもういません。



彼は今も月に1回ソープに通って息抜きをしているんでしょうね。



家庭を壊すことがなければ、こんな寂しい思いをしないで済んだんでしょうけど……。




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