私の欠片 -7ページ目

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クラスが違う事もあり、児童館でそんな話をする事もなく、ある日急に亮太がいなくなった。



楽しかった日々はあっという間に消え去った。


ちゃんとお別れをしていない分、泣く事もなかっか。

と言うより泣く切っ掛けがなかった。




普通の毎日を送る。


1ヶ月ぐらい経った時だろうか。

自分のロッカーにランドセル等の荷物を入れる時に気付いた。

ロッカーの中に落書きがあった。

そこには
[ぼくは きくちあきちゃんが すき ささきりょうた]と鉛筆で小さな文字で、でも濃い筆跡で書いてあった。

私は素直に嬉しかった。

嬉しかったけど、もう亮太はここには来ないという事を改めて気付かされて、とても悲しく寂しかった。

今となっては何故かは分からないが私は亮太が使っていたロッカーに貼ってあった亮太の名前のシールを剥がして自分のランドセルの気付かれにくいところに貼り付けた。

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児童館で同級生は他のクラスの佐々木亮太。

亮太は明るく元気な子で、すぐに仲良くなった。

理の事は好きだが亮太に惹かれた。

気が合う。

学校よりも児童館の方が好きになった。

亮太がいて毎日遊んだ。

毎日楽しかった。

家でも毎日亮太の話をした。

父の反応は忘れたが母は亮太を見てみたいと言った。

しかし時間にルーズな母は通常5時にお迎えだが5時に来る事は殆んどなくいつも遅れて児童館の先生によく怒られていた。

勿論、亮太が帰った後しか迎えに来たためしがないので母は亮太に会う事が出来なかった。

一方、亮太のお母さんは凄く綺麗な人だった。

子供心に綺麗なお母さんが羨ましかった。

しかし楽しい日々は長くは続かなかった。


亮太が転校する事になったのだ。

私はその事を知らなかった。

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私のヤジは3日もしないうちに無くなった。

他の誰かがちょっとした騒ぎを起こすと、みんなはその話に夢中になり私のした事なんて忘れ去られる。

そして出来事が起こる前の普通の生活に戻る。

ただ、正孝と弘文とは仲良く出来なかった。

殆んど口を聞いていない。

しかし、しのぶに関しては話は別だ。
『貧乏。』『不潔。』
と言う悪口は忘れ去られる事が無く、又この手の悪口は子供にとって簡単に使用できる悪口だ。

私は、しのぶに救われたにも関わらず以前と変わらずその時だけしのぶの傍から離れた。

そんな私に対してしのぶは咎めず変わらず接してくれた。

優しいしのぶ。
弱い私。



母は暫くしてからスナック勤めを辞めた。
私の為かは分からないが・・・。

そして近所の喫茶店で働く事になった。

この転職が今後の母の人生にとって大きな転機になるなんて全く思いもしなかったが・・・。

それにあたり私は学校が終わったら学校のすぐ側にある児童館に預けらる事となった。
夕方五時に保護者が迎えに来るという施設だ。


余談ではあるが母は学校に呼ばれた事を父には報告しなかった。

もし父に言っていたらと今思えば少し怖い。