44 | 私の欠片

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私のヤジは3日もしないうちに無くなった。

他の誰かがちょっとした騒ぎを起こすと、みんなはその話に夢中になり私のした事なんて忘れ去られる。

そして出来事が起こる前の普通の生活に戻る。

ただ、正孝と弘文とは仲良く出来なかった。

殆んど口を聞いていない。

しかし、しのぶに関しては話は別だ。
『貧乏。』『不潔。』
と言う悪口は忘れ去られる事が無く、又この手の悪口は子供にとって簡単に使用できる悪口だ。

私は、しのぶに救われたにも関わらず以前と変わらずその時だけしのぶの傍から離れた。

そんな私に対してしのぶは咎めず変わらず接してくれた。

優しいしのぶ。
弱い私。



母は暫くしてからスナック勤めを辞めた。
私の為かは分からないが・・・。

そして近所の喫茶店で働く事になった。

この転職が今後の母の人生にとって大きな転機になるなんて全く思いもしなかったが・・・。

それにあたり私は学校が終わったら学校のすぐ側にある児童館に預けらる事となった。
夕方五時に保護者が迎えに来るという施設だ。


余談ではあるが母は学校に呼ばれた事を父には報告しなかった。

もし父に言っていたらと今思えば少し怖い。