私の欠片 -20ページ目

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儀式も終わり祖母は教祖みたいな人にお布施を渡し、たくさんお礼を言っていた。
車に乗り七見の家に向かう。

帰りは父の運転。


祖母は良昭おじさんに
『目が変わった。何かが抜け落ちた感じだね。よかった。よかった』

と言った。

良昭おじさんは曖昧に返事した。


私から見て良明おじさんは全然変わっていないと思う。

元々何も憑いてなかったと思う。


良昭おじさんの肩が真っ赤になっているのがチラッと見えて私は思わず泣いてしまった。

私は泣きながら良昭おじさんに『痛い?痛い?』
と聞いた。

良昭おじさんは
『大丈夫だよ。怖かったねえ』

と私の頭を暫く擦っていた。



父に七見の家からの帰り道色々聞いたら
『お祖母ちゃんは一度言い出したらキリがないからねぇ』

と父も諦めたように私に言った。

宗教を全否定するわけではないが本人は気付かないが周りは本当に振り回される。

七見の家がいい例だ。

因みに父は一応霊感有りらしいが(真偽は不明)良昭おじさんに何か憑いていると感じたことはないらしい。

良昭おじさんは祖母の強引な説得に半ば諦め車で片道三時間ぐらい掛かるC県の山奥に七見の祖父母・父・良昭おじさん・何故か私と共に向かった。


運転は良昭おじさん。

祖母は良昭おじさんに向かって経を唱えていた。

ムッとしている良昭おじさんに向かって

『悪い目をしている!』
とか
『良昭の背中がおかしい』とか
色々言っていたが良昭おじさんは無視していた。
教祖みたいな人がいる場所に着き部屋に入ると教祖みたいな人が何やら儀式を始めた。


部屋の真ん中に良昭おじさんを正座させ酒を撒いたり経を唱えながら板みたいなモノで肩を中心にバシバシ叩かれていた。

祖母は経を唱えながら下を向いていたのが印象的だった。

七見の家について。

前に七見の家の家は胡散臭いと話したがその事を今日は語ろうと思う。

七見の祖母は宗教にハマっていた。

今思うと本当にこんな事信じるの?と思うほどの宗教だ。

オカルトチックな宗教。

神や悪魔や前世を信じその厄みたいなのを払う的な。
規律みたいなのもたくさんあった。

前世で縁があった某神様の為に他の某神様が祀られている神社には行ってはならないだの色々。

そしてちょっと素行がおかしな親族は教祖みたいな人がいる場所に連れていき悪魔払いみたいな事をするのだ。

父の弟がそんな祖母を煙たく思っていたら祖母が

『良昭(父の弟)の信仰心がないのは良昭の中に変なモノが憑いているからだ』

と言った。

私から見て良昭おじさんは普通だった。

それゆえに祖母の言う事に不信感があった。

それを除けば祖母はいい人だとその当時思っていた。