ようやく読み終わりましたー!!ヽ(o´∀`o)ノ

前回のArkのイメージが強かったせいか、今回はそれほどエロくはなかったような気がしました(笑)

そして今回で上巻の伏線が回収されるのかと思いきや。

伏線のままで終わってしましました!!(笑)

まぁそれがサンホラっぽくて良かったんですけど(笑)


では、それぞれの話の感想を書いていきますねー(* 'ω')ノ




** 「A.E.????」


目次には載っていないですが、楽曲・エルの楽園[→side:E→]の内容の少女パートという感じです。

「ただいま、エリス」

そう声をかけてお父様が帰ってくる夢を見た少女。

体の痛みを忘れるように、再び夢を見る。

夢の中で、お父様に楽園について問いかけ続ける。

「ねぇ……お父様」

「何だい、エル」

誕生日に絵本をねだる少女。

少女には、もはや光は届かない。


「エリス」と「エル」と明確に分けていることから、ここで現実から楽園(アビス)へ変わっているのだと思われます。

あとに出てくる[→side:E→]の内容にも被りますが、お父様が力尽きたとき、やはり娘エリスの方も命が尽きたのでしょうね。




06 Yield 「A.E.2194」


楽しみにしていた楽曲その一(笑)

いや、今回収録の楽曲はどれも好きなんですけどねヽ(o´∀`o)ノ


ここでは二人の女と一人の男は、一人娘・エリスとその両親という設定でした!!

つまり一人娘は自分の父親を愛してしまう、という!!∑(゚ω゚ノ)ノ

Dad、Mamと呼びかける歌詞はありますが……そうなるとは思いませんでした(=ω=;)

しかし父親とはどうやら血がつながっていない可能性があるという。

その可能性が高いことを知って、エリスは母親さえいなければ幸せになれる、と思うわけですが。

じゃあ「落ちた果実」は母親か!……と思ったのですが、そう簡単に行かないのがサンホラで(笑)

父親はあくまで母親を愛しており、母親に瓜二つのエリスを思わず抱いてしまった、と後に告白するのです!!

母親の身代わりにされただけだと知ったエリス。

彼女が最後にもぎ取った果実は、結局誰の首なのか明記されませんでした。


そして「3-1+1」の「+1」はお腹の子供のことを指していました!

身代わりと知って傷ついたエリスが親友にこのことを相談してしまったことから、村中にエリスの子供のことが知れ渡ってしまい。

「+1」の子供がいては、結局エリスは幸せになれない、と考える。

そこへ現れたのが仮面の男。


一番不幸なのは……個人的にはエリスだと思いますね(´・ω・`)




07 Lの楽園[→side:E→] 「A.E.1922」


[→side:E→]の男の話と、天秤のラストという感じです。

「ロレーヌ」という名前は、逃走用の偽名ということでした!!∑(゚ω゚ノ)ノ

そして二人が海外へ逃亡するために乗った船の名前が「ロレーヌ・ド・サンローラン号」。

ロレーヌは復讐を果たした後、彼と共に生きるための名前を使い続けたということなんですね……。

そもそもロレーヌの復讐ですが。

仮面の男の仕事仲間が手引きしたということでした!!

確かにそうでもしなければ、素人が手練れの殺し屋を仕留めることなんてできませんよね(;^ω^)

仮面の男が手を切る(殺す)つもりなのを感じ取って、先手を打たれたようです。

動かない体を引きずりながら男は夢想する。少女に楽園の質問をされる夢を。

「徐々に薄れゆく意識の水底で、錆びついた鍵を掴もうと足掻き続ける」




08 Sacrifice 「A.E.2278」


個人的な歌のイメージのまま、という印象でした(* 'ω')ノ

信心深いエリスと、知的な遅れのある妹・リリー。

「リリー」という名前が何となく「リリス」をイメージさせたのですが……さすがに関係ないかな(;^ω^)


ふたりで暮らすために、またお世話になった仕立て屋の夫婦に恩返しするために、懸命に働くエリス。

リリーのことは、村のみんなが見守ってくれていると思っていた。

真面目に働いていれば神様は見ていてくれると信じていた。けれど……。


村の男たちがリリーにした仕打ち、そしてそれを知ってただ侮辱していた女たちに対して、エリスがどう復讐したのか、ですが。

小説では、リリーの火炙りが行われた広間を囲うように油をまいて、そこへ火を放った、とありました(* 'ω')ノ

火炙りを祭りのように見物している人々への復讐……確かに確実な方法ですね。


それにしても、エリスの深い絶望が胸に刺さる描写でした……(´・ω・`)




09 Lの楽園[→side:A→] 「A.E.1999」


また年号が意味深ですねー。

作中の印象だと、1999~2000って感じでしょうか。

現代の色々な世情が描かれていたので、この数字が年号だということは確定してよさそうです。


明記されていませんが、おそらく仮面の男がロレーヌに刺され、命を落とした後の話だと思われます。

死後の世界、つまり転生するための世界、という感じでしょうか。

男は「何度も」ここに来て、「忘却のレテ」の水を飲み、前世の記憶をすべて忘れて転生していたらしい。

しかし今回はもう一人の自分が現れ、それでいいのかと諭す。

仮面の男はもう一つの泉、「記憶のムネーモシュネー」へ向かい、すべてを思い出す。


「――――――エリス」


そして仮面の男は目を覚ますのです!!∑(゚ω゚ノ)ノ

ロレーヌに刺された直後のようですが、そのあと普通にタクシーに乗っていたり、ビートルズの曲が流れたり、明らかに時代が変わっている様子があります。

ニューヨークとかバングラデシュという現実の地名の間に、箱舟教団(アーカニティ)という団体がしれっと混ざっているのが、エリュシオンの世界なんだなーと思わせますね(笑)

仮面の男は家へと帰り、少女へ声をかける。

「ただいま、エル」


この後は歌の「エルの楽園[→side:A→]」の内容ですね。

目を覚ました少女が、夢の内容をお父様に話す。

楽園の夢……しかし気が付くとその世界は荒廃していた。

少女は何度も生まれ、そのたびに痛みを抱え、安らぎの眠りを求めて、最後には笑顔で堕ちていく。

……つまり仮面の男が転生するたびに、少女も転生を繰り返していた、ということなんでしょうね。

そして仮面の男が転生の輪から外れたとき、少女もまた転生することがなくなった、という感じなのかな。

「少女はそれで目を覚ます」のときに、転生するための眠りから目を覚ました、という意味合いなんだろうと思います。


そして男は少女を抱え、歩き出す。

楽園へ向かって。




10 StarDust 「A.E.2450」


エリスが恋に堕ち、それを終わらせるまでの物語、なんですが!!!

何か色々な要素が詰め込まれて、メインのストーリー以外のところが気になって仕方ない話でした!!(((;゚д゚;)))


まずエリスの仕事について。

データ管理のお仕事のようですが、何せ2450年の近未来の職場なので(笑)
疑似人格と対話しながら、共同作業で仕事を進めていくようなのです。

その監視用電脳群(ウォッチャー)の疑似人格の名前が「リリー」。

14、5歳の少女のような外見で、とても可愛らしい、ということだけでも十分なのに、姉妹のように接しているという。

正確はだいぶ違うようですが、Sacrificeのリリーと何らかの関係があると断言してもいいのでしょうね。


そしてウォッチャーとう単語ですが、これはエリスが住んでいる都市自体の構造にもかかわってきます。

エリスが住んでいるのは箱舟市(アークシティ)。

市民には定期検査が義務付けられていて、検査では体の隅々まで徹底的に調べられる。

市民には「ケースナンバー」が割り振られていて、検査の際にはそのナンバーが用いられている様子。

エリスのケースナンバーは80231E、そしてエリスの担当医のナンバーは00001R。

Eナンバーはエリスの他に二人しかおらず、Rナンバーはそれよりさらに希少だという。


そして検査の際に、エリスは担当医からリリーとの関係を確認される。

「リリーこそが君のArkだからね」

そしてエリスの頭の中に流れる、あのフレーズ。

リリーのタグナンバーはエリスのケースナンバーと同じ80231E……。


まさかStarDustにArkを絡めてくるとは思いませんでした!!!


担当医の話の内容から、どうやらArkの箱舟教団がより多くのデータを収集するために、箱舟市を作り上げたという感じですね。

山の上にあったり、都市の出入りが禁止されていたりと、完全な箱庭を作り上げたんですねー。

では担当医がArkウォッチャーなのかというと、Arkの時代から400年近くも経っているので、同一人物であるとは考えにくいです。

ただ「監視用電脳群」という存在がウォッチャーと呼ばれているあたり、都市全体をを管理するシステムがあり、それ自体がArkウォッチャーの人格なり目的なりを反映して作られているように思います。

そして「監視用電脳群」の一つが担当医00001Rなのではないか、と思っています。

もしくは「監視用電脳群」のメインシステムのようなものが担当医00001Rなのかな。

当時から海馬をいじっていたりしたんだから、人格を疑似人格へ投影することは可能だったのかもしれませんねー。


どちらにせよ、ここまで大規模にデータ収集を行っているにもかかわらず、まだ目的は達成していないようですね。

そもそもその目的がなんなのかは謎のままなんですけど(=ω=;)

大災禍のことは、下巻では何も書かれていませんでしたし。

まぁ先に書いてしまいますが、大災禍に関しては。

他の小説で描かれるかもしれませんからね!!!

まさか最後に「Another Story Novelization Coming Soon・・・・」で終わるとは思いませんでしたよ!!!(笑)

コミック化の話はありましたが、またノベライズで展開するとはね!!

しかし箱舟教団を黒の教団との関連付けで考えるなら、次のノベライズはChronicleとかになってしまうわけですが……この辺はまた難しそうですねー(笑)



えぇと。大分本編の内容からはそれてしまいました(笑)

そんな意味深な設定が多々ある箱舟市のエリスですが。

恋に堕ちた相手は芸術家崩れの詐欺師。甘い言葉でエリスを縛り、意のままに動く人形のように仕立てあげる。

彼の言うとおりに白い服を着て、彼の言葉のすべてに従っていたエリスだったが。

「されど偶然とはいえ――嗚呼……偶然とはいえ彼女は見てしまった」

一組の男女がおそろいの白い服を着て歩いているところを見てしまう。

彼と、そしてエリスの姿にそっくりの、見知らぬ女を。

エリスは真っ赤なドレスと真っ赤なヒールを身に着けて、髪を金髪に染め、真っ赤な口紅を付けて、そして真っ赤な薔薇を買って彼の元へ向かう。

「疾りだした衝動はもう止まらない……」

最後に響いた銃声は自分を撃った音だと思っていましたが、小説では身投げしようとしたところで仮面の男が現れます。

星屑を掴もうと飛び出した手を、仮面の男が掴んだ、ということですね。




11 笛吹き男とパレード 「A.E.9999」


荒野を進み続けるパレードの話。

パレードにはエリスたちの他に、エリスたちに殺された男たちも加わっているようです。

ただソロルはいても、フラーテルはいないようですね。メーネもいないように見えます。

みんな体の半分は腐って崩れかけているので、まるでゾンビの大群のようなものでしょうか(=ω=;)


パレードの先頭には仮面の男。
その肩には一人の少女――銀色の髪に緋色の瞳、雪のように白い肌の美しい少女が乗っている。

そのすぐ後ろには紅い髪の魔女。

仮面の男も全身いびつな形をしていて、廃材で作られたような体をしている様子。

転生の輪から外れたことで、魂はそのまま残ることになったとしても、肉体の方はそのままというわけにはいかないようですね。

その中でも、少女は美しいまま。魔女も「骨と皮ばかり」と描かれてはいても、半分腐っているような表現はされていません。

死亡した年代の順でいえば、魔女が一番の古株になるはずですが、パレードへ参加した順番はエリスたちの方が早いそうです。作中のエリスたち以外のエリスたちも含めて。


たまの休憩に各々土くれで体を補強しながら、「いつまでも」パレードは続いていく。

仮面の男の捜し物は、見つからないまま。

仮面の男が少女へ声をかける。

「行こうか、ラフレンツェ」

「ええ、オルフェ」


「魔女とラフレンツェ」で生まれたエリスは確かにラフレンツェの娘であり、オルフェが探していたエリスなんだと思いますが。

仮面の男と一緒にいたエリスはラフレンツェの生まれ変わりということになるのかな?と思います。

ラフレンツェの呪いは、仮面の男として何度も同じ人生を繰り返すことなのか、転生の輪から外れて永遠にラフレンツェと共にいることなのか、エリスを捜すために同じ名前の少女を求め続けることなのか。

全部という感じもしますねー(´・ω・`)

そして文章の雰囲気が原曲そのままって雰囲気で良かったです!!





さて。思ったより長くなってしまったので、上下巻合わせての総評は次回に持ち越しです(笑)

まとめはこんなに長くならない予定ヽ(o´∀`o)ノ





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