鼎談「マンガと芸術って、どうよ」 | こうのの日々

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漫画家こうの史代です。
夫とキエリボウシインコのTさんと、福知山市で暮らしています。

こんにちは! こうの史代です。


26日(木)の午前、わたしは福知山駅から特急はしだて号に乗りました。

この山陰本線の特急には、時々
「丹後の海」というオシャレ車両が混じっています。
ちなみに、オシャレ車両も普通の車両も料金は同じです。
オシャレ車両は豪華な気分になれますが、気のせいか…ほんのちょっと酔いやすいような気がします…貧乏性のせいかね…

まあそれはいいとして。
終点の京都駅からは、地下鉄烏丸線に乗ります。

はい。

これまた終点の国際会館駅に着きました。


ここからスクールバスに乗って、約10分。

やって来ました。
京都精華大学です!

集合時間まではまだ1時間ほどあります。
のどかな秋のお昼すぎです。
午後の講義が始まったばかりで、人通りもほとんどありません。
鯉が池の壁際に時々にゅっと頭を出して、壁の藻(?)をむしゃむしゃ食んでいます。
穏やかな風と優しい日差しの中にいると、
つい原稿描きたくなっちゃうよね。
ええ。
翌日編集さんに渡す予定の原稿が、まだ途中だったのでした。

この後は、関係者の皆さんと会って、打ち合わせして
いよいよ
しりあがり寿さん吉村和真さんとの鼎談です。
1時間半の予定でしたが本当に楽しくて、30分延長してもらいましたが、まだ足りないくらいでした!

しりあがり寿さんは、お話の内容も愉快で、しかもとってもイイお声なので、間近で聴いてうっとりしましたよ。
吉村和真さんのお話はいつも、これからの漫画のあり方に一条の光を見せてくれます。
また、今回は、作品を読んだことのないお客さん向けに紹介を兼ねて、しりあがりさんの「他所よそへ…」と、わたしの「古い女」を朗読して下さいました。

この「他所へ…」という漫画、わたしはこの日の打ち合わせで初めて読ませて貰ったのです。
きらびやかで騒々しい未来世界の片隅の、ある夫婦の悲しいような優しい物語で、頁数は少ないくせに、いつまでもいつまでも心に問いかけ続けるのです。
わたしは鈍いので、この時はわりと平静でしたが、後からこの作品世界が気になって気になって…、
ようやく今、だいぶ落ち着いたところです。
こういう傑作に出逢うと、突然視界が開ける気がするのです。
漫画描いていてよかったな、と感じるのはこういう瞬間です。
しりあがりさんが鼎談で仰った、芸術とは遠い地平を見せてくれる存在、というような言葉は、まさにこの感覚なのかも知れません。

おいで下さったあなた、オンラインでご視聴下さったあなた、
おつき合いくださって
本当にありがとうございます!

この鼎談は、後日配信もあるようです。
よろしかったらご覧くださいね。

あと、記念Tシャツも販売中です。
わたしの方は描き下ろしでなくてすみません…。

ではまたね!

吉村和真さんとの以前の鼎談のことはこちらに。