令和2年7月、私は真夏の日差しが容赦なくコンクリートに照りつける日本にいた。

 

安倍首相による、国外からの入国者に義務付けられた「2週間の自主隔離」を終えた初日に向かったのは、都道府県が運営する、とある就職支援機関だった。

 

ここは、様々な理由から就職が困難な人に向けた支援を行ったり、企業と求職者とのマッチングを行っている場所である。

 

早く就職させようと急かしてくるタチの悪い転職エージェントに比べ、ここは過去の経験にとらわれず、フラットな目線で自分の適性を見てくれ、現状取りうる選択肢をあらゆる角度から提示してもらえるからいい。

おまけに、このキャリアカウンセリングは無料だ。

 

30歳を目前にした今、私にはもう20代のように、後先考えず仕事を選んでいる余裕なんてない。

だからこれだけ慎重になっている。

ある意味、今までの人生で一番、自分の将来について真剣に考えている時期かもしれない。

 

求人サイトを見てはどれも似たり寄ったりなものばかりでパッとしないし、

相変わらずニュース番組はコロナ禍で企業も求職者も厳しいと言い、

この経歴ではご希望の求人は紹介できないと暗に言われて落胆し、

面接に進んだわけでもないのに、選考に落とされたわけでもないのに、もうすでにこの状況に嫌気がさしている・・・今日この頃だ。

 

帰国からひと月も経たないのに、頭の中はもうすっかり「日本モード」になっている。

いや、こんなマインドで生活をしているのだから、いやでもこうなっていると言ったほうが適切か。

 

ちょっと前まで、本当にヨーロッパのオランダにいたのかと思うぐらい、あそこでの生活がすでに昔のように感じる。

 

もう憧れの海外で、好きなことだけをして遊んで暮らす「毎日お花畑生活」は終わった。

28歳やそこらの若さで、自分の力で勝ち取ったものでもないのに、あの水準の暮らしを覚えてしまうとは、さぞかし私はいいご身分だったものだ。

 

次第に薄れゆく(ついでに英語力も泣)オランダでの記憶と、あの時感じていたことを忘れないうちに綴り、2年間でのべ300記事以上も書いてきたこのブログを締めくくろう。

 

 

 

 

 

 

今までヨーロッパの色んな場所を訪れたが、やっぱり地元・アイントホーフェンはいいなあと改めて思う。

どれだけ有名で素晴らしい他のヨーロッパの街よりも、私はこの街が好きだ。

ご縁があったのか、夫の仕事で2年前から住むことになったオランダ。
「ぜひ蘭学を学んできて!」なんて送り出してくれた友人らに手を振り、はるばるアイントホーフェンまで来た。

 

あの頃は、これから出会うすばらしい人々の存在をまだ知らなかったし、在住生活を終えるころには、ここがすっかり第二の故郷になってしまうなんて、夢にも思わなかった。

何を隠そう、移住当初は、ヨーロッパのくせに近代的な建物ばっかりで、友人もおらず、言葉もわからないからboringな街だとしか思っていなかったのだから。

でも今は違う。
ここにくれば、私をあたたかく迎えてくれる人がいる。
ここにはたくさん、気の置けない友人たちがいるのだ。

 

そのような愛すべき友人たちの存在がなければ、私の海外での生活は本当にboringなものになっていたんじゃないかと思う。

英語では、ふるさとのことを単純に「home town」というが、日本語の持つ「故郷」や「ふるさと」には、それ以上のものが込められているように思う。

出生地だけを指すのではない、人生それぞれの時期、それぞれの場所で、幸せも悲しみも、いろんな思い出が詰まった大切な場所、それが「故郷」なのだと思う。

 

私がこの地で学んだことは実に多く、たった2年間ではあるものの、やはりアイントホーフェンという街は、私にとっては大変美しい心のふるさとである。


アイントホーフェンだけではない、オランダはとても美しい国だ。

 

厳しい寒さを乗り切った春は、小鳥のさえずりや草花の芽吹きをあちこちで感じ、人々の往来も増えて街中が賑やかになり、

一年で最も晴れの日が多い夏は、爽快な青空に太陽が輝き、風にたなびく緑樹の隙間から木漏れ日が踊る。

秋は野菜にフルーツに、たくさんの収穫物がマーケットを彩り、訪れる人々の目を楽しませ、

凍えるような冬の到来には、美しいインテリアに囲まれた温かい部屋で、大切な人とGezelligな時間を過ごす・・・

 

※Gezellig(ヘゼリヒ)は、多言語に翻訳できないオランダ語として有名だ。

単純に心地いいのではなく、心が満たされた状態を伴った居心地の良さを表す素敵な言葉だ。

店の雰囲気的には居心地いいけど、仕事の付き合いなどで同席する飲み会などはまさにヘゼリヒでない。

 

オランダにいた際に知り合った方の言葉をお借りするなら、私にとってオランダは、まるで桃源郷のような場所だった。

日常の生活の延長上に、ハッと息をのむような美しい光景を見せてくれる。

 

世界には、こんなにもきれいな場所があるなんて・・・

四季折々の風景だって、生活の豊かさだって、日本が優れていると思っていた私は、なんと未熟だったことか。

 

世界はまぎれもなく、きれいな色彩にあふれている。

 

 

日本の都会は、過剰にマスクをした人で溢れ返り、窓を開ければ工事の音がうるさく、街の通りは広告や看板であふれ、ごちゃごちゃしていてうっとおしい。

かつては鳥のさえずりで目を覚ますような生活が、今となっては工事現場に冷たく鳴り響く機械音に変わった。

気分転換に外出しても、散歩するところがまるでない。

 

このままでは、オランダで芽生えたせっかくの美しい自然を愛でる心が衰退していくような感じがする。

 

そうだ。私の実家、京都・大山崎へ行こう。

 

私はどうにかして、次第に薄れゆくオランダで過ごした思い出と現在の自分とをつなぎとめておきたかった。

天王山のふもとに育まれた緑豊かなこの地に身を置いていると、今でもオランダとつながっているような感じがしてうれしい。

 

桜ふぶきの中に現れるインクライン、嵐山の竹林の小道、深紅に染まる光明寺、この美しい景色が見たくて、わざわざ世界中から人が来るのだ。

 

かつては何もない、不便な田舎町だとばかり思っていたのに、今ではそんな素晴らしい場所に、第一の故郷があってよかったと生まれて初めて思った。

 

けれども私は、ずっとここにいていいわけではない。

次のディスティネーションを目指さなければならない。

でも、そこがどこかはまだわからない。

 

 

 

 

 

長い旅の果てに、もう一度見つけられるだろうか。

 

 

 

 

 

 

boringだと思っていたところが、かけがえのない場所へと生まれ変わるような、そんな居場所が。

 

 

 

 

<アイントホーフェン写真館>

 

2年の間に撮り溜めた写真を一気に放出。

アイントにある一番有名な教会「カタリナ教会」

 

 

ピカソの作品も展示される「ファン・アッベ美術館」

トワイライトのアイントホーフェンス運河

 

 

ゴッホの「星月夜」をイメージして作られた夜になると発光るする不思議な道

 

 

 

 

 

 

森林の中にひっそりと佇むエッカート城

 

一風変わったお店が並ぶグルーネワウト地区

 

 

赤い車体が目印の市バス。

アイントホーフェン駅のバスターミナルがすべてのバスの終着点だ。

 

 

 

UFO型がひと際目を引くアイントのランドマーク「エフォルオン」

 

 

 

 

 

 

 

老人ホームの上空では雲の輪郭が輝いていた

 

本日はオランダの祝日、国王の日なり

 

ロックダウン化の閑散としたセンター

駅前にデーンと一つだけそびえる我らがスチューデントホテル。

住宅需給が逼迫する中で、マイホームにありつけなければいったんここに駆け込むのもあり。

北ブラバント州一(たしか)長いと言われる飲み屋街。

夜になると景色が一転。特に、TGIF(サンクスゴッドイッツフライデイ=花金)は、多くの人々でにぎわう。

 

 

 

 

そういえば駅名が、ただのアイントホーフェンからアイントホーフェンセントラルに昇格したこともあったなあ

ホームでは、自転車で往来する人の姿も頻繁にみかける

 

少々残念な完成度のアイントホーフェンのカーニバルだが、カーニバル自体、プロテスタントが主な北オランダにはないお祭りなので、いつも注目されがちなアムステルダムに対してなんとなく優越感。

でも、見に行くとしたらデンボスとかマーストリヒトとかかな。

 

 

 

私だったらなんて書くだろうか

 

 

みんな大好き!ナチュラルキッチン雑貨を扱う通称「ディレカミ」。

 

 

 

 

オランダの焼き菓子、一口食べたらおなかいっぱいに

落ち葉のじゅうたん。どんどん秋が深まっていく・・・

 

 

 

引っ越し先はかわいいティピカルなダッチハウス

 

 

さあ、春の味覚をいただこうか

春はオランダ国花、チューリップのシーズン

まだ現役のゲネペル水車。

 

友人宅訪問後、夜空に見えた閃光のバックライト。

闇夜とのコントラストに友人が思わず「mooi」とつぶやく。 (モーイ。「美しい」のオランダ語)

 

 

 

 

 

オランダに来てから、お花がすっかり好きになってしまった

海外でバイトさせてもらう貴重な経験がつめたASLM本社(の社員食堂)

 

 

毎年やってくる移動遊園地「ヒラリア」

 

おしゃれなストライプS地区にある「フィッシュアンドチップス」さんのキベリング(白身魚のフライ)は絶品

 

天に突き刺さるように伸びる自転車専用ラウンドアバウト「ホーベンリング」

欧州サッカーの強豪、PSVアイントホーフェンスタジアム

ベルギーの9歳の天才児が入学したことで話題となったTU/e(アイントホーフェン工科大学)

 

アイント一歴史的でおしゃれなクライネ・ベルク通り。

マカロン専門店、ミシュラン獲得のレストラン、ブティックなどが軒を連ねる。

 

アイススケートも毎シーズンいったなあ

カフェでもなくコーヒーショップでもなく、ここはコーヒー「ハウス」です。@東方行近く

オランダ中でみかけるスーパー「アルバート・ハイン(AH)」。日本のどこかでAHのロゴ入りショップバッグ下げてるやついたら迷わず声かけるわ。

駅前の小規模店ですらチーズは充実のラインナップ。

さすが乳製品自給率300パーセント越えのオランダだ。

激安スーパー「ネトラマ」

全部同じ肉に見えるんやけど・・・

日本人は本当にお世話になります

 

エキナカのおしゃれカフェ。ここでよく開かれていたミートアップで自身の交友関係が広まったんだ

 

光の祭典「GLOW」。2020も第二波がヨーロッパを襲わなければ開催されるな

 

 

 

曇りがちな北ヨーロッパの冬。こんなに晴れた冬空はかなりレアだ。

 

アイントホーフェンの情報があまりネット上になかった2年前、少しでも自分の経験を文字にして伝えることで、アイントホーフェンやオランダにご縁がある方の一助になればと思い立ち上げたこのブログ。

 

以来、ブログを通していろいろな方との出会いがありました。

トラベルライターとして、お仕事もいただけるようになりました。

最初は一日3人からはじまったアクセス数も、今ではのびにのび、「アイントホーフェン」の1キーワードで検索するだけで、自分のブログがトップページに表示されるまでになりました。

 

自身の24歳からの執筆人生で、こんなにも書き続けてよかったと思ったことはありません。

 

書いて、書いて、ひたすら書いて、生きた情報を届ける。

趣味で始めたこととはいえ、何事も追及すると、それなりのものにはなるのだと思った次第です。

 

末筆になりましたが、オランダ生活をサポートしてくれた友人たちへ、このブログを読んでくださった皆さまへ、たくさんの感謝の気持ちを込めてオランダ風に・・・

 

Dank u wel!

 

 

オランダにおける外食は、フランスやベルギーと違って残念ながらおいしいものは少ない。

 

けれど、スーパーで売られているものはおいしい。

 

ということで、本帰国目前!

どうせコロナでまだ遠出はできないのだから、忘れてはいけない「食」のラストスパートをかけましょ!!!

 

これは、そんなことを思い立った筆者が実際に食べたひと月にわたる記録だ(どうでもいい)。

逆に、オランダにこれから住む人にとっては、「へえ、こんなのが売ってるんかあ」と参考になればと思う。

 

 

第一部 まずはオランダのド定番食品から、日本人が知らないツウな食べ方まで!

 

★ハーブとスパイスのコンビネーションが絶妙な丸どりのロースト

じゃん。これは実は焼く前の丸どりさんです。

 

日本でよくあるしょうゆベースのタレじゃなくて、西洋らしくハーブと香辛料で味付けされたもの。

おそらく多くの日本人が食べたことない味してるのに、一口食べるとやみつきになる、そんな不思議な味をしている。

 

オランダのスーパーではよく売られているが、私にとってこのハーブ香る丸どりというのは、なかなか思い出のある食べ物だ。

というのも2年前、こちらに越してきた際、異国の食材ばかりの食生活で少々胃袋が疲弊していたときに、夫の職場仲間が家に招待してごちそうをふるまってくれたことがあった。

 

その時のメインディッシュがこれである。

こんなおいしいものがあるのか!オランダも捨てたもんじゃないな!と思った瞬間だった。

 

クリスマスにでも食べるかのような特別感のある丸どりのオーブン焼き。

丸どりが青空マーケットやスーパーで当たり前に売られている環境で育ったオランダ人には特別感もないのだろうけど、私はコストコにでも行かない限り、丸ごと一匹なんてあまりお目にかかれない生活を日本で送ってきたのだから、これこそ、オランダでの「最後の晩餐」を飾るのにふさわしい一品である。

 

それから、周囲に置いてあるカラフルな西洋ニンジンたちもこちらならではの食材。

あ、季節の味覚、ホワイトアスパラちゃんもいるっ!

 

さて、このカラフルなニンジンたちを料理するポイントは、縦に切ることだ。

カラフルな断面がよく見えて視界が途端に華やぐ。

せっかく緑の美しい葉っぱもついているのだから、ここは切り落とさずに葉っぱごと縦に切りたい。

 

ちなみにオランダのBBQのシーンなどでは、食材がよく「縦切り」されている写真をよく見かける。

でっかいパイナップルだって、細身のズッキーニだって、丸ごと大胆に縦に切って中身をくりぬき器をつくり、くりぬいた中身は他の食材やヨーグルトソースか何かとまぜてから、再び先ほど作った器に入れるというものだ。

パイナップルボートとか、ズッキーニボートなんて名前のメニューだったように思う。

 

こうしてめでたく縦切りにされたカラフルニンジンたちは、オーブンで焼くとほのかな甘みが出てきて、素朴ながらおいしいオーブンの名脇役になる。

もちろん、生で食べてもおいしいし、カラフルな見た目を生かしてバーニャカウダ※だったり、キャロットラペ(ニンジンシリシリ)にしても◎。

※日本ではおなじみのバーニャカウダソースは、オランダにはありません。手作り推奨。

 

 

★やっぱりオランダといえばチーズ!~チーズ専用のイチジクジャムを添えて~

誰だ、最初にチーズにジャムを乗せて食ったやつは!

オランダ人は、普段味覚バグってるくせに(失礼)、あまじょっぱいものを組み合わせさすと天才かなと思う。

 

例えばこのスモークチーズに左横のイチジクジャムを合わせてみるとこれがめちゃくちゃうまい。

チーズの味をいっそう引き立てる最高のコンビネーションである。

他にも売り場には、ハニーマスタードやラフランスなどのジャムフレーバーがあった。

オランダに来たらぜひ一度、試していただきたい食べ方である。

 

そして右手前にある薄くスライスされたチーズは、トリュフチーズだ。

トリュフを入れるとこんなにもチーズがトリュフに支配されるのかと、その風味の強さに驚いた。

 

他にも、ドライトマトが上部に練りこまれたチーズや、マスタード入りのもの、我々日本人が味噌や醤油文化圏なのに対し、ハーブ文化圏の彼ららしいハーブがたっぷり入った入りチーズなど、変化球ものにもトライしたい。

 

 

★種類多すぎ!!!燻製の肉類

イタリアではプロシュート、スペインではハモンセラーノ。

生ハム系の言葉ってめっちゃ聞くけど、オランダだって魚が乏しい分、お肉はそれなりに発展してきた。

売り場には様々なハムやソーセージが並ぶが、そんななかで私がチョイスしたのが上の写真の右側のおっさんがうつってるやつ(左のパッケージが前述したトリュフチーズな)。

 

食べた感じ、まずくはないけど正直おいしくもなかった。

でもいいんだ。

だってこのハム、我らがアイントホーフェン産だからな。パッケージにかいてある。

地産地消の地元愛さ。

庭で育てたバジルで作ったバジルソースパスタ、先ほどご紹介したキャロットラペとトリュフチーズと一緒にいただきます(つくづく木製のカッティングボードって、ハムとかチーズ並べるのに栄えてええよな)。

 

生ハムを使って洋風てまり寿司もつくれるで~

日本人がつくるお寿司が食べたいわ!

・・・なんて、寿司は日本人でも職人が作るもんやのにと、そんなことちっとも知らない外国人に作ってと迫られたら、「ちらしずし」か「てまり寿司」か「手巻きずし」と相場は決まっている。

 

とくにこのてまり寿司は、どれだけ不器用な人でも絶対いい感じにできるはずだからおすすめだ。

相方にはスモークサーモンを使うといい。

そして中にはオランダ人大好きなチーズをインしてやればもうやつらは満足するだろう。

 

 

★肉巻きおにぎりではない、肉巻き肉だ。

これもオランダのスーパーではよく見るよね!
ミンチ肉を薄いお肉で巻いてる謎料理!!
ロールキャベツなんか作るにはもうキャベツ巻くだけだから楽でいいかもね!
 

個人的には、牛・豚ともに薄切り肉が存在しない国だから、このロールの外側だけを集めて一パックいくらかで売れば急増するアジア人ニーズをくめていいんじゃないかな??スーパーの商品戦略部門よ、どう思う??
しかし、年中同じ商品が売られているマーケット競争力の極めて弱そうなオランダが、そんな新たなニーズのくみとりに心血を注ぐわけではないことはわかっている。

マジでいつ行っても、どのスーパーでも同じものが同じようなパッケージで売られてるからな。

新商品や季節性商品が全くないわけではないけど、まあ日本みたいに多くはないな。
日本のように年間何千、何万という新商品が世に送り出されては消えていく、ファッションだけじゃない食のトレンドだって熾烈な世界で生きてきたものから言わせると、オランダってなんという安定感、なんという代わり映えのなさ、なんという平和。


話を戻すが、このお肉の食べ方がポイント!
写真の右にあるオレンジのジャムみたいなソースを見ていただきたい。
これはジャムコーナーではなくて、お肉売り場で見つけたものだ。
したがって、お肉専用のジャムである。

先ほど、オランダ人はあまじょっぱいものを組み合わせる天才と書いたが、これなんかもその一例、確かにこちらの肉肉しい味のお肉料理に合わせるとうまいジンジャー入りのオレンジジャム。
我々には1ミリも頭の中にない現地民だけが知っているツウな食べ方である。

オプション:
湿度の低いヨーロッパの初夏には、こうやってテラスで食うのもさいこー!!
日本では外で食うには気候も味方しないし、第一こんな優雅な空間もないから、帰国したらこれが取り上げられると思うと絶望したよね。

 

 

★名店のフラーイ

また馴染みのない言葉出てきた。海外生活ってこんなんばっかりや。

フラーイってなんやねん!バタフラーイ!!エビフラーイ!!

 

ウィキペディア先生より

フラーイ(Vlaai)は、パイやタルトに似たオランダのデザートである。 ... フラーイの直径は、通常、27cmから30cmである。 さくらんぼやアプリコット、イチゴ、プラム等、様々な果物、調理した米やライスプリン等の多様なフィリングが詰められる。 また、フラーイは、通常のパイよりも薄いことから、サクサク感が増している。

 

・・・それは食っとかなあかんのとちゃうか?

ということで、アイントホーフェンで地元民に愛される創業76年のこちらのお店に買いに行った。

店の中はソーシャルディスタンスを保つために最大2人までの入店ということで、しばらく店前で待って買ったのがこちら。

(っていうか、人数制限とか設けてないでさっさとマスクしたらええだけの話やろって日本人なら思ってしまうが)

外の生地は日本人好みではないが、中のフィリングはチェリーの甘酸っぱさが口いっぱいに広がり、まあまあいい感じの出来になっている。

ダダ甘いものが多い印象の外国のお菓子において、不思議とオランダは選べば適性の甘さのデザートが食えるからありがたい。
 

ってか、中のフィリングだけ売ってほしい。

あとはスーパーで冷凍パイシート(Blad deegの名で冷凍コーナーにある)買って自分で焼くから。

 


★風車のマークが目印のザーンセヨーグルト

乳製品大国のオランダにおいて、ド定番すぎるヨーグルト。

 

最初に言うが、別に風車のマークがついてるからって別にそんなオランダでおいしいメーカーでもない。

実際に食べてみたけど、値段が29セント(一個35円!)と安い分、味も濃厚さはまるでなく淡白だ(まあ私がコロナにでもかかっていて味覚障害を起こしていたのなら話は別だが)。

 

 

★豆を主要な食材で使ってる以上、どう頑張ったっておいしくならないオランダの家庭料理・エルテンスープ

エルテン豆という豆があってな、スープとしてお肉と一緒に煮て食べる料理があるんやけど、これがまずいんや・・・

缶に入ったおいしい即席スープが有名なブランド「UNOX」のエルテンスープですらこの味か・・・

でも、帰る前に一度くらいは食っときたかったんや。

 

そりゃ、ホワイトアスパラガスのスープのほうが1億倍うまいのはわかってるんや。

ちなみに、ネットで北海道産ホワイトアスパラ1kgが5000円してたのを見て、全力でオランダで食べてから帰ろうと思ったよね。

 

 

★ロックウォルストとかいうぶっといソーセージに、HELAのハニーマスタードをかけていただく

日本ではマジで見かけないこのウインナー、ロックウォルストという名前がついておりまして、これを使ったスタンポットという料理なんかは、先ほどのエルテンスープと並んで冬の2大オランダ家庭料理の地位を築いております。

でも今回は、このソーセージに、やはりあまじょっぱい至高の組み合わせを追求するということで、HELAのハニーマスタードを合わせるとしますか。

 

結果はもちろん・・・うまい!(というかソースが)。

 

 

★大手スーパーJUMBOとかで売られてるのどの組み合わせでも3つで5€のおつまみセット

クリームチーズに巻いたサラミや生ハム。

ハーブオリーブオイルづけのカクテルエビ(ほら、やっぱりこっちはハーブ使う。オリーブオイルもハーブ風味!ハーブガン押し!!でもうまい!)。

チーズが詰められたミニパプリカオイルづけ。

ギリシャ風フェタチーズとオリーブとドライパプリカのおつまみ。

このレベルのものが安く手に入るのはやっぱりこっちの専売特許だよねえ。

 

ちなみに、チーズを詰めたミニパプリカは、こうやってオーブンで味付き肉(これもハーブ系)と一緒に焼いたら、チーズがとろりと溶け出して(というか中身全部出て)うまかった。

ブロッコリーがこげこげ・・・

 

火を通しにくい肉と、火を通しやすい野菜とを一緒に入れて焼くと、肉がいい感じに焼けてて野菜が焦げるか、野菜がいい感じで肉は生感が残るか、絶対どっちかが犠牲になるよね。

時間差で野菜を後から入れたり、いったん取り出して野菜の部分だけアルミホイルをかぶせばいいのはわかってるんだけど、そんなのめんどくさいじゃん(真顔

 

 

★日本のものとはやはり違う!ジャガイモ感あふれるフライドポテトにトリュフマヨネーズで!

このブログでも信者かと思われても仕方ないほど、何度かご紹介しているトリュフマヨネーズですが、やはりこちらのフライドポテトとの相性は抜群で、日本でも買って帰って食べたいななんて思いましたが、日本のポテトフライってオランダのとは味がちゃうんですよ・・・

 

なので、日本のものはやはり日本式・・・というか元はアメリカ式のケチャップで食べたほうがいいのかも・・・

 

 

第二部 気になっている謎ドリンクを制覇!

 

オランダのものかどうかはさておき、この独特の色合いをしたドリンク、何がそうなんかわからんが、「無実の」「潔白な」と書かれた青い液体ドリンク。

 

中身は、アップル、グアバ、ライム、ココナッツウォーター、スピルリナ青(確かガリガリ君でも使われてたよな)、ビタミン配合だってさ。

ややトロピカルな味わいですっきりと飲みやすかった。以上。

 

オランダ人でもこれがオランダのものとは知らなかったこちらの商品。

いわば、フルーツスープだ。

 

正しい料理名は、「Krentjebrij」というらしく、フローニンゲンなど北ドレンテ州のご当地グルメらしい。

大手スーパーアルバートハインでは、伝統的製法のもと作られパッケージされた写真のような商品が売られている。

ハンガリーなどで食されるこのジャンルの食べ物は、オランダにもあったのねえ~

 

おなかのすかない朝、パンもーグルトもシリアルも何もかもが食べる気分じゃないとき、こいつがいればどれだけ助かることか。

液体だから飲みやすく、フルーツも手軽に摂取できてええやんな。

 

日本の商品企画の方!!今なんかオートミールブーム来てるみたいやけど、次なる朝食トレンドは、フルーツスープですよおお!!!

 

 

第三部 オランダのものだけど知ってる人は少なめ!?レアな食べ物を制覇!!

 

★オランダの煮凝り?正体は、ピクルス的なものを固めたやつです!!

見た瞬間、これは何事?と思ったよね。

こいつはスーパーの生ハムが売られてるコーナーで販売されてた。ハムとちゃうやんお前。

 

ピクルスの液体にゼラチン流し固めたのをスライスして作った感じよな。

味は残念ながらおいしくなくて、ピクルスでええわってなる。

 

見た目は透明な樹脂の中に薄切りの野菜が入れられてるような感じだから、おしゃれな雑貨屋さんとかにありそうな見た目で発想は素敵なんやけどな・・・

 

そして案の定、調理法に困った私はこうして乗り切った。

やはり生ハムが救ってくれた。

緑でぐるぐる巻いてるのは、キュウリじゃなくてズッキーニな。

ピーラーで縦向きにむくと、こんな感じでひらひらかわいいお花畑ができる。

赤い香辛料みたいなのがパラパラかかってるけど、これはパプリカパウダーです。

 

★ユダヤ人クッキーという名前やのになぜかオランダの伝統クッキー

これはうまい。

重たいクッキーと違って何枚でもバリバリ食べれる。

スーパーで売っていて、いつもストロープワッフルで飽き飽きしているなら、これもれっきとしたオランダのお菓子なので食べてみてくれい。

 

 

第四部 植民地時代の名残。実はオランダってインドネシア料理も盛んなんだよな

 

ん?同じ商品じゃね?

よく文字を見ていただきたい。

上は、「アヤム・バンブー・バリ」で、下は、「レンダン・パダン」だ。

よって別の料理である。

どちらもインドネシアのシチューといえばイメージしやすいだろうか。

 

大手スーパー、アルバート・ハインで購入したのだが、レンジでチンするだけであっという間においしいインドネシア料理がいただけるというものだ。

オランダのインドネシア料理は本場ほど辛くないので(オランダ人は辛いの苦手)、本格的ではないが日本人にも食べやすいものとなっている。

 

 

第五部 オランダにいたら他のヨーロッパ地域の料理にも出会いやすい!

 

★イタリア発:カラフルトマトとモッツァレラチーズ

いや別にこんなの、日本で作ろうと思えば作れるねんで。

でもな・・・かかる費用が全然違う!!!!!

 

日本ならモッツァレラチーズも高いし、カラフルミニトマトもオランダと同じ値段だけど入ってる量が3分の1になっちゃうし、バジルの葉っぱもフレッシュ(生)なものとか、どこで売ってるんだろうって感じだし、労力とお金と一体どれぐらいかかるんだろう泣

 

そもそもヨーロッパって、オレンジパプリカ、レッドパプリカ、カラフルニンジン、カラフルプチトマト、ビーツ、ラディッシュ、スイスチャード、ルバーブ、レッドオニオン、レッドキャベツ・・・食卓を鮮やかにする食材がなんと安く手に入ることか!!!

 

私のイメージでは、日本でカラフルな食卓を目指そうと思うと、せいぜいトマトの赤色を緑に加えるぐらい?ちょっと奮発してカラーピーマンでも買う感じ??

カラフル野菜の種類自体も少ないし、あったとしても値段が超高いので、ヨーロッパでは当たり前に享受できる美しきいろどりに満ちた食卓が日本では簡単には叶わない・・・
だからヨーロッパ好きなんだよ!帰りたくないんだよ!!私の好きなものが奪われるうう(号泣)

ハワイ発のガーリックシュリンプだって、カラフルミニトマトちゃんとカット野菜に合わせると簡単に華やかになるなあ。

 

補足:

和野菜ってさ、パプリカやズッキーニとか西洋野菜に比べて、菜っ葉系なら一枚一枚、虫や土がついてないか洗うのが手間だし、ゴボウは土がついていて台所を汚して扱いにくいし、大きなまな板が必要で切るのも時間もかかるから、結構手間かかるの多いのよね。

 

そんなイージーな西洋野菜ばかりを小さなまな板でぱぱっと切って味付けされた肉と一緒にオーブンに入れて後は放置!あっという間にカラフルでおいしいオーブン料理の出来上がり♪

 

・・・働き方はともかく、料理というか、もっというと野菜レベルで見ても、社会全体が楽なように設計されているおそるべしヨーロッパとか思っちゃうのは私だけ?


 

★フランス発:ビーフブイヨンですか?チキンですか?え?ワイルドフォンド??

ジビエブイヨンってとこですかね?はてさて、どんなお味がするのでしょうか?

ありゃ?全然臭みがなくてすっきりおいしいセロリとオニオンのスープが出来上がりましたよ。

奥に見えるローストビーフも安くておいしい。

あらかじめスライスされて売ってるので、あとは花びらみたいになるように盛り付けるだけ!

もう日本で主婦できない・・・

 

 

★スペイン発:アーティチョークのガーリックオイルづけ

スペインのマドレ(お母さん)が作ってくれたメニューを再現。

アーティチョークの処理がめんどくさいので、今回は缶詰タイプを購入。

(やはりスペインやイタリアなど、料理がおいしい国になったとたん、野菜にかける手間が増えるものが出てくる!「料理うまい国=野菜の下処理めんどい」なんやこの法則は!!)

 

しかし、やはり缶詰ではなく、ちゃんと生のもの使わなあかんな。

アーティチョークの可食部って、切ったらすぐにレモン水にでもひたさないと変色するから、缶詰にも変色を防ぐような液体が入ってるんやけど、この液体の味がアーティチョークを支配してしまって、ガーリックオイルと反発してもうた汗

 

 

★スペイン発:トマトの冷製スープ「ガスパッチョ」

大手スーパー、アルバートハインが毎月発行する手作りのレシピや生産者の声をのっけた雑誌があって、そのレシピを参考に作ってみたんやけど素直にうまかった。

 

普通、冷製スープでも水を加えて過熱する工程が必ず入ると思うんだけど、何?ガスパッチョって水も加えないし過熱もしないの??

作り方を見ていると、水分はトマトやきゅうりをはじめ、具材の水分だけで頑張るようになってる(あ、だからきゅうりを投入するのね。水分多いもんね)。

あとは加熱せずにハンドブレンダーやミキサーで混ぜるだけ。

マジか・・・

 

楽だけど、めっちゃうまい。

ポイントは、絶対普通の玉ねぎを使わないこと。

甘みのあるレッドオニオンを使うこと。

※オランダの玉ねぎはめちゃくちゃ辛い。ビタミン全部流出するまで長時間水に浸そうが、レンジで加熱しようが、そんな程度では甘くならない。

 

 

★チュニジア発:ハリッサ・メディテラネアンcusine

もうええって。ハリッサとかメディなんとかとか、聞きなれない言葉ばっか。

はい、ウィキペディアっ

 

ハリッサとは、唐辛子を元に作られるペースト状で辛口の調味料。マグリブ地域圏、特にチュニジアで多く用いられる。ヨーロッパ、特にフランスでも容易に入手可能である。フランス語ではHを発音せずにアリッサ、アリサとも呼ぶ。 缶詰や瓶詰、チューブ入りなどで市販されているほか、手作りも可能である。

 

要は、ハリッサとかいうチュニジア(アフリカ)の調味料を使って、地中海風にアレンジした料理ってことでおK?

ヨーロッパはアフリカに近いので、スーパーではアフリカ産の野菜やアフリカの食文化も微妙に感じる瞬間がある。

またまた大手スーパー、アルバートハインで売っているミールボックス(日本でいう「オイシックス」みたいなやつ)でレッツクッキング~♪

 

で、できたのが上の写真。

カラフルなんは結構やけど、やはり具材の一つに赤レンズ豆(写真下)が入っているので、前述したエルテンスープ同様、素材が豆である以上、おいしくなるには限界があった・・・

 

 

最終部 やっぱり友人の手作りは最強

 

お菓子作りがもはやプロ級の腕前の友人に作ってもらったバスクチーズケーキ。
スペイン・バスク地方、サン・セバスチャンの名店「LaVina」だって、東京・白金の「GAZTA」だって、この優しく豊かでかわいらしいバスクチーズケーキにはきっと叶わん。最高。

初夏にぴったりの白桃を使ったデザートも一緒に。

口の中でとぅるるん。

この鮮やかなピンクの色は、皮と一緒に煮た際、自然に着色したらしい。素敵。

 

 

<本日の一枚>

オランダにいたって、これぐらいのレベル感の日本食なら食べれるんだぜ。

外国の寿司って、マンゴーとか奇抜な食材ばかりが入ってるくせに鮮魚は使わない(使えない?)イメージの人もいると思いますが、この写真を見たら意外に思われるかも。

ただ、使ってる鮮魚が日本と同レベル程度の鮮度のものを使っているかはわからないが。

 

ちなみに、ドイツ系スーパー「Lidl」では、今年も昨年と同じようなラインナップの日本テイストの商品を出してくれてました。

ちなみに試しに写真の中の玄米茶ティーパックを買って飲んだけど、案外私たちの知ってる普通の玄米茶で安心した。

 

ところでオランダ、6月24日現在、ロックダウンをほどいても感染者数は上昇していないから7月1日以降はもっと解放しましょ路線になってるけど、それって死ぬ人はみんな死んだだけやろ・・・

台湾の彩虹眷村や、ベネチアのブラーノ島、メキシコのグアナファトなど、世界には多くのカラフルな街が存在するが、ここ、オランダ・アイントホーフェンにも、カラフルな「街」とまではいかないが、カラフルな「エリア」が存在している。

 

Eindhoven Strijp‐S(アイントホーフェンストライプエス)というスプリンター(各駅停車)しか停まらない小さな駅があるのをご存じだろうか?

今回ご紹介したいカラフルなエリアは、この駅の周辺にある。

アムステルダム中央駅からインターシティ(オランダの特急電車)に揺られること2時間、Eindhoven Centraal(アイントホーフェン中央駅)で乗り換え、アムステルダム側に一駅折り返すと〇で囲んだエリアであるEindhoven Strijp‐Sにスムーズにアクセス可能だ。

およそ地元民しか知らないような、たいへんローカル味溢れるこのエリアには、都会的な賑わいを見せるセンター街とは一味も二味も違った同市の別の側面を見ることができる。

本帰国目前ということで、帰る前に一体どのようなエリアかを探ってきた。

このあたりの案内地図がでかでかと掲げられていた。

どうやら、「エディソン通り」沿いに見るべきものがたくさんあるとのことで、この通りをセンターに近い側から順に歩いてみよう。

 

まず目に留まったのがこちら、De Gulle Griek

南欧風の建物がひときわ目を引くこちらのお店は、アイントホーフェンでは珍しいギリシャ食材専門店だ。

 

ギリシャ産のワインやパスタ、

ギリシャならではの海の幸の缶詰、

オリーブ栽培が盛んな国だからオリーブ石鹸やハンドクリーム、

まったくなんて書かかれているか読めそうにないギリシャ文字の雑誌、

日本でいう勾玉的な伝統的モチーフを扱ったアクセサリー・・・

 

エーゲ海を連想させる鮮やかなブルーの壁紙で統一された店内に並ぶ美しい品々を見ていると、オーナーのギリシャ愛が伝わってくる。

 

同国出身のオーナー手作りのギリシャ名物、オリーブとフェタチーズをたっぷりと使用したフレッシュなお惣菜なんかも手に入るので、気になった方はテイクアウトしてみてはいかが。

 

なぜか真っピンクで塗られたベンチがぽつんと置かれた謎の四角いラウンドアバウト交差点をさらに奥に進むと、今度は新しい商店街が見えてきた。

 

次にご紹介したいのがこのHella's Home

あ、ここにも真っピンクのベンチが置かれてるっ

 

店内は色とりどりの雑貨で埋め尽くされていて、カラフルでポップなものが大好きな方には超おすすめだ。

写真を撮るのはためらわれたので、ビラで雰囲気を感じ取っていただければ・・・

 

アイントホーフェン出身のアーティストが描いたポストカードなんかもあって、地元愛も感じれた。

 

少なくとも、この手の店はアイントホーフェンのセンター街にはないので、見つけたときはテンションが爆上がりしたよね。

オーナーのカラフルなものに対する愛情がたくさん注がれた、まるでさとう菓子みたいなかわいい空間だった。

 

ここは?

こだわりの服が並ぶセレクトショップだ。

 

店内に入ると、ヨーロッパらしい独特のモチーフがプリントされたリゾートワンピースが目に入った。

「もうバカンスは目前だな」などと思いながら別の棚に目をやると、アクセントカラーがかわいいミニショルダーバッグも視界に飛び込んできた。

あー、、、欲しい(物欲のかたまり)

 

店の前の柱にかけられている麻素材のようなストールが、オランダのカラッとした日差しの強い真夏でも着け心地がよさそうで、見ているだけで爽やかな気分になれる。

(そういえば日本も今年、麻系素材の服がはやってるみたいね)

 

そして、ちょっぴり珍しいのがこのお店。

グルテンフリー食材ばかりを扱ったスーパーマーケットだ。

え?こんなものまで?と思うものもグルテンフリーで作られており、興味津々。

 

そういえばPSVスタジアムの裏手には、ビーガンベジタリアン専門のスーパーがあったし、先ほどのカラフルな雑貨屋さんのお隣も、オーガニックワインの専門店だったりして、ヨーロッパってほんと食のバリエーションが日本とは違う意味で豊かだなあと思う。

 

他にもこのエリアには、

どんなお料理が出てくるのか想像もつかないモロッコ料理店、

アンティーク家具店、

「meet point」という出会い系かと思ってしまうような店名の大麻販売店、

オランダではあまり見かけないタイプの古着屋さん、

入り口にウルトラマンか何かのできそこない人形が置いてある何屋か判別不能のお店など、

どれも個性的なお店が多く、歩いているだけで楽しい。

 

さて、本題のカラフルなエリアはというと・・・

商店街の一番奥にあった。

東大の赤門とはまるで違うが、同じ赤い色をしたエントランスをくぐっていく。

あら、かわいい。

レンガ造りの地面の幾何学模様もまたいい感じに建物とマッチしている。

こっちは壁全面が着色されているね。

さっきの、白をベースカラーにドアや壁の一部だけがカラフルなのもかわいいけど、このバージョンもいい。

 

あら、ペイントも施されてるのね。

一番下の電球もったおじさんなんか、世界初の白熱電球の発明者、トーマス・エジソンだよねきっと。

奥の建物は蒸気機関車、手間の建物には蓄音機とか書かれてるし、やっぱこのあたりのウォールアートは、エジソンおじさんにちなんでるんやな。

調べてみると、ここは少し前まで古い家屋が立ち並ぶエリアだったそうだが、何年か前に町おこし的な感じで、このあたり一帯をアーティスティックで話題性のある場所に変えようと「Plan Celsius」プロジェクトがスタートしたのだという。

 

「Plan Celsius」プロジェクト詳細↓

https://www.trudo.nl/woensel-west

 

なるほど、上の写真はプロジェクト名のCelsius=摂氏にちなんで温度計や「℃」が描かれているのか。

ちなみにこれらの建物の屋上には太陽光パネルが設置されているらしい。

 

そして今もこのカラフルなエリアの拡張は行われているようなので、アイントホーフェンでこれからもっと存在感のあるエリアになること間違いなし。

日本の建築にも、こういう遊び心が少しでもあればいいのに。

以上、Eindhoven Strijp‐S駅周辺に広がるおもしろエリアの紹介でした!

 

アートとデザインの街にふさわしいアイントホーフェンならではが詰まっている、そんな世界で唯一の場所だった。

 

 

<本日の一枚>

本文で紹介したエリアは、Eindhoven Strijp‐S駅からみて北側ばかりだったが、実は南側も変化に富んでいておもしろい。

 

浴衣なんかも扱う個性的な服屋やインテリアショップが立ち並んでいたり、

おしゃれな内装のアイスクリームショップやアイント一おいしいキベリング(白身魚のフライ)屋さんがあったり、

世界的に有名なデザインの祭典「ダッチデザインウィーク」の会場になったり、

自転車を使った曲芸競技であるBMXの大会が開催されたりと、

このエリア一帯に漂う独特の雰囲気が、アイントホーフェンに新しい風を吹き込んでいる。

 

そんなStrijp‐S地区で、最近できたばかりのホットなスポットといえば・・・

eSports Center Eindhovenhttps://esportscenter.nl/en/)だ。

instagram「eSports Center Eindhoven」公式ページより

https://www.instagram.com/esc_040/

 

ここは世界初の施設として関係者から注目を集めている。

最も、世界最先端のテクノロジーシティであるアイントホーフェンに、このような施設が誕生するのは自然なことだ。

 

・・・が、google mapで確認する限りでは、オープンした矢先に直撃したコロナの影響に耐え切れなかったのか、閉業してしまったらしい。

 

近代オリンピック史上初の延期となった今夏の東京五輪において、イースポーツを正式種目として認定するか否かが議論され、今後世界中で競技人口が増えることが予測されるかなり有望な分野なので、同施設にはぜひとも復活を遂げていただきたいと願うばかりだった。