MEMORY/メモリー | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Memory
監督:マーティン・キャンベル
キャスト:リーアム・ニーソン/ガイ・ピアース/モニカ・ベルッチ
配給:Briarcliff Entertainment/オープン・ロード・フィルムズ/ショウゲート
公開:2023年5月
時間:114分




あぶデカ』の2人と同じく七十路となったリーアム・ニーソン。こちらもシブ味満載となってきた。そんなリーアムの近作から今夜は,彼がアルツハイマーで記憶障害に苦しむ凄腕の殺し屋を演じるクライム・アクション『MEMORY/メモリー』を紹介。ベルギーの作家ジェフ・ヒーラールツの小説『De Zaak Alzheimer』を原作に映画化された2003年のベルギー映画『ザ・ヒットマン』のリメイク作品となる。監督は,『007 カジノ・ロワイヤル』『マーベラス』のマーティン・キャンベル。

完璧な仕事ぶりで名を馳せてきた凄腕の殺し屋アレックス・ルイス(リーアム・ニーソン)。しかし,アルツハイマー病を発症し任務の詳細を覚えられなくなってしまった彼は引退を決意する。メキシコシティに住む仲介人のマウリシオ(リー・ボードマン)に,引退したいと伝えに行くが,「俺たちに引退はない」と次の仕事を指示されてしまうアレックス。これが最後の仕事と決めて引き受けると,故郷のテキサス州エルパソに向かい,さっそく取りかかる。

一方,エルパソでメキシコ連邦警察のウーゴ・マルケス(ハロルド・トレス)と共に人身売買組織を追っているFBI捜査官ヴィンセント・セラ(ガイ・ピアース)は,潜入捜査で保護した少女ベアトリス(ミア・サンチェス)を守るため,彼女をエルパソ移民収容施設からグループホームに移動させる。その夜,グループホームに忍び込んだアレックスは,ターゲットが少女だと知り,“子どもは殺さない”という自分の信条に反すると,この依頼を取り消そうとする。しかし結局少女の殺害は別の殺し屋によって実行され,自分にも危険が迫っていると悟ったアレックスは,依頼の背後関係を探り始めるのだったが…。

フライト・ゲーム』『トレイン・ミッション』など数多くのアクション映画で“世界最強の親父”っぷりを見せてくれたリーアム・ニーソンが演じるのは記憶障害の殺し屋。ミスを懸命に制御しつつポリシーを曲げずに闘う姿は,殺し屋だが応援したくなるし,それに応える存在感を魅せてくれる。

対するFBI捜査官のガイ・ピアース。『メメント』から20年以上のキャリアは,その姿をワイルドにした分,人間味に溢れる。L・ニーソンとG・ピアースの2人を中心に描かれていくと思うと,これまた良い意味で裏切られ,ラスオチではさらに予想不可能の展開へと進み,見る者の感情移入を放置させるほど。秀作なのだが,詰め込みすぎた分,若干“とっ散らかってる”感がしてしまったのが残念。


映画クタ評:★★★★


右矢印リーアム・ニーソン作品まとめ

右矢印ガイ・ピアース作品まとめ