007 カジノ・ロワイヤル | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:007 Casino Royale
監督:マーティン・キャンベル
キャスト:ダニエル・クレイグ/エヴァ・グリーン/マッツ・ミケルセン
配給:SPE/MGM/コロムビア映画
公開:2006年12月
時間:144分




4夜連続ダニエル・クレイグ特集の後半は,4月に公開の決まった『007』シリーズのための復習。すでにこのコーナーで紹介している『スカイフォール』『スペクター』以前の,ダニエル版ボンド作品を紹介しておきたい。

『ゴールデンアイ』(1995年・MGM)から『ダイ・アナザー・デイ』(2003年・MGM)までの4作でジェームズ・ボンドを演じたピアース・ブロスナンに代わり,この作品で6代目ボンドとしてデビューした38歳のダニエル・クレイグ。初の“金髪のボンド”としても注目されたシリーズ21作目だが,ストーリー的には,44年目にして初めてリブートされた。監督は『マスク・オブ・ゾロ』シリーズや『ゴールデンアイ』も手掛けたマーティン・キャンベル。

イギリス諜報機関MI6での昇格最後の条件として内部汚職の根を絶つ2件の殺害を実行したジェームズ・ボンド(ダニエル・クレイグ)。殺しのライセンス“00(ダブル・オー)”を得た彼はさっそく,テロリストへの資金供給ネットワークを捜査していた。まずはマダガスカルで爆弾密造人を追い,その男の携帯に残された「エリプシス」を辿ってバハマへと向かう。メッセージの送信者で武器商人ディミトリオス(シモン・アブカリアン)と,その妻ソランジュ(カテリーナ・ムリーノ)に接触したボンドは,マイアミ国際空港で披露される超大型旅客機の爆破計画を知るのだった。そしてM(ジュディ・デンチ)から,この計画の首謀者ル・シッフル(マッツ・ミケルセン)の情報を得る。

旅客機の爆破はボンドによって阻止され,投機の失敗により巨額の金を失ったル・シッフルは,テロ組織に返済するための資金を稼ぐため,モンテネグロの“カジノ・ロワイヤル”で開催されるポーカーゲームに参加することが明らかになる。更なる陰謀を阻止するため,ボンドもそのゲームに参加し,国の資金を使ってテロ資金稼ぎを阻止するよう命じられる。監視役として送られて来た金融活動部(FATF)のヴェスパー・リンド(エヴァ・グリーン)と共にモンテネグロへ向かうボンド。ヴェスパーに対し最初は懐疑的だったボンドは,危険を共にする中で次第に彼女に惹かれていくのだったが…。

2012年に『スカイフォール』に抜かれるまでは,シリーズ最高興収を誇った作品だが,今見直すと少しモノ足りない。ただそこに,シリーズの伝統から新たなイメージの構築への過渡期という,作り手の思いはビンビンに感じる。オールド・ファンと新たなファンを繋ぎ,取り込んだという点では,かなりの成功作と言えるだろう。

ちょっぴりお色気と,男子にしか判らない痛い拷問シーンを越えた先に訪れるまさかのエンディングは,明晩に紹介する『慰めの報酬』へと続いていく。


映画クタ評:★★★★


右矢印ダニエル・クレイグ作品まとめ

右矢印ジュディ・デンチ作品まとめ

右矢印エヴァ・グリーン作品まとめ

右矢印マッツ・ミケルセン作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

007 慰めの報酬』(2009年)

007 スカイフォール』(2012年)

007 スペクター』(2015年)

007 ノー・タイム・トゥ・ダイ』(2021年)


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『007 カジノ・ロワイヤル』
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