フライト・ゲーム | p・rhyth・m~映画を語る~

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原題:Non-Stop
監督:ジャウム・コレット=セラ
キャスト:リーアム・ニーソン/ジュリアン・ムーア/スクート・マクネイリー
配給:ユニバーサル・ピクチャーズ/ギャガ
公開:2014年9月
時間:107分




今夜紹介するのは,J・C=セラ監督✕リーアム・ニーソンのタッグで『トレイン・ミッション』の4年前に公開されたサスペンス・アクション『フライト・ゲーム』。個人的にはリーアム・ニーソン作品でいちばん好きな1本だ。

一般の乗客を装い旅客機の警備にあたる航空保安官のビル・マークス(リーアム・ニーソン)。酒が手放せず,決して品行方正とは言えない彼が今回乗り込むのは,NY発ロンドン行きの便。大西洋の上空を飛行中の真夜中,機内ではほとんどの乗客が寝静まっていた。その時,ビルの携帯に不審なメールが届く。明らかにビルの行動を監視していると思われる正体不明の送信者は「指定の口座に1億5000万ドル送金しなければ,20分ごとに機内の誰かを殺す」と脅迫。やがて,思いもよらぬ形で1人目の犠牲者が出てしまう。

大西洋上空をフライト中の密室ともいえる航空機内で起こった殺人に,ビルはまず乗客を疑い携行品を調べるが,何も手掛かりになるようなものは見つからない。保安局が乗客名簿を調べるが怪しい点は誰にもないという。そんな中,犯人の指定する口座がビルの名義と判明。地上の保安局ではビルこそが容疑者だと考え始める。孤立無援の中,それでも見えない犯人の尻尾を掴もうと懸命に捜査を続けるビルだったが…。

J・C=セラ監督✕リーアム・ニーソン作品に共通するのは,主人公に“揺らぎ”を見せること。冒頭では我慢できずアルコールを煽るし,時折浮かべる虚ろな表情は,何かしらの過去を引きずっている様子を伺わせる。そして,この作品のトリッキーな部分は,“主人公が犯人である”という可能性を決して否定しない部分。見る者を“揺らぎ”の波に同調させていく。

そうしている間にも20分おきに誰かが死ぬ。そのサスペンス性が密室空間に言い知れぬ緊張感をみなぎらせ,さらに,往年の航空アクションが持っていたスペクタクル性をも十二分に踏襲する。なのに最終的には,全てのドキドキと謎を“リーアム・ニーソン”の,表情と身のこなしと,人間臭い魅力に帰結させる。原題通りの『Non-Stop』な107分を満喫してほしい。


映画クタ評:★★★★★


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