p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:小池健
キャスト:栗田貫一/大塚明夫/浪川大輔
配信:Prime Video/Hulu/U-NEXT など19プラットフォーム
公開:2025年6月
時間:54分




2夜連続で,『ルパン三世』シリーズから,昨年の公開作品を紹介。『ルパン三世』とは言っても,TVシリーズや,ファミリー向けのアニメ映画とは違い,モンキー・パンチの原作漫画『ルパン三世』に漂う危険な香りを引き継いだ原点回帰のスピンオフ作品『LUPIN THE IIIRD』シリーズで,ハードボイルドでスタイリッシュな作風が特徴。

今夜紹介するのはその『LUPIN THE IIIRD』シリーズ4作目となる『LUPIN THE IIIRD/銭形と2人のルパン』。明日紹介する『LUPIN THE IIIRD THE MOVIE/不死身の血族』に直接続く物語で,『不死身の血族』の劇場公開1週間前から,Prime Video,Hulu,U-NEXTなど19のプラットフォームで一斉公開された。監督は,『LUPIN THE IIIRD』シリーズを一貫して手掛けた小池健。

極寒の地・ロビエト連邦のカラフストク空港で爆破テロが起き,甚大な被害が出る。自身も巻き込まれた銭形警部(山寺宏一)は,現場から逃げ去るルパン三世を見かけ,爆破テロに怒りを滲ませる。ロビエト連邦は,容疑者であるルパン三世を“アルカ合衆国のスパイで国家の敵”とみなしカラシコフ(北西純子)率いる国家保安委員会に殺害命令を下す。しかしその頃ルパン三世(栗田貫一)は相棒の次元大介(大塚明夫)と共にロビエト連邦の首都ヴォロクアに向かおうとしていた。列車内で捕らえられるが,事件への関与を否定し,銭形の前から姿を消すルパン。

一方,峰不二子(沢城みゆき)はサーカス団に潜入し,空中ブランコの乗り手として最高指導者ブレーリン(壤晴彦)の寵愛を受けていた。捜索の手を緩めず,様々な手を駆使してルパンと次元を追い詰めていく国家保安委員会。軍縮条約パレードを目前に控えた首都で,カラシコフに追い詰められたルパンの前に立ちはだかったのは,彼の無実を信じる銭形だった。しかしその瞬間,新たな爆破が彼らを襲う。そこにいたのは,顔も姿も本物そっくりな偽ルパン(堀内賢雄)だったのだが…。

最後まで素性のハッキリしない偽ルパンだが,本物と対峙する場面はスリリング。そこに銭形やカラシコフに国際関係と政治家のエゴを絡めて,硬派でリスクフルで贅沢にさえ感じる54分。『LUPIN THE IIIRD』シリーズではいちばん好きな1本だ。

2022年に他界した小林清志を継承し,次元大介の声は大塚明夫が担当している。


映画クタ評:★★★★


右矢印『ルパン三世』シリーズ作品まとめ


◆シリーズ一覧◆

LUPIN THE IIIRD/次元大介の墓標』(2014年)

LUPIN THE IIIRD/血煙の石川五ェ門』(2017年)

LUPIN THE IIIRD/峰不二子の嘘』(2019年)

LUPIN THE IIIRD THE MOVIE/不死身の血族』(2025年)


■地上波OA情報■

7/10㈮ 21:00~ 日テレ系列
キングダム』(2019年)

7/18㈯ 21:00~ フジ系列
パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち』(2003年)

7/24㈮ 21:00~ 日テレ系列
モアナと伝説の海』(2017年)




原題:The Comeback Trail
監督:ジョージ・ギャロ
キャスト:ロバート・デ・ニーロ/トミー・リー・ジョーンズ/モーガン・フリーマン
配給:クラウドバースト・エンターテインメント/アルバトロス・フィルム
公開:2021年6月
時間:104分




今夜は,ロバート・デ・ニーロ,トミー・リー・ジョーンズ,モーガン・フリーマンのベテラン・オスカー俳優3人の豪華共演で話題となったコメディ『カムバック・トゥ・ハリウッド!!』を紹介。ハリー・ハーウィッツ監督がチャック・マッキャンとバスター・クラブをメインに作った1982年の映画『The Comeback Trail』のリメイク作品。往年のスター俳優デューク・モンタナの役名は引き継がれている。監督は『ミッドナイト・ラン』(1988年・ユニバーサル)の脚本や『バッドボーイズ』の原案などを手掛けたジョージ・ギャロ。原題の『The Comeback Trail』は「カムバックへの道のり」の意味になる。

1974年春のハリウッド。最新作『尼さんは殺し屋(The Head Nurse)』が宗教団体の抗議デモによって大ゴケしてしまい,ギャングのレジー(モーガン・フリーマン)からの借金が返せずピンチに陥っていたB級映画プロデューサーのマックス(ロバート・デ・ニーロ)。ライバルのプロデューサーであるジェームズ・ムーア(エミール・ハーシュ)は,マックスが権利を持つ『パラダイス』という名作映画の脚本と引き換えに,その借金を肩代わりすると持ちかける。マックスは渋々その提案を受け入れるが,映画スターのフランク・ピアース(パトリック・マルドゥーン)が死亡する現場を偶然目撃し,その後ムーアが500万ドルの保険金を受け取るのを知ると,考えを改めることに。

そう,マックスが思いついたのは,主演俳優を撮影中に事故死させ保険金を得るという起死回生の大トリックだった。早速ボツにしていたサイテーの脚本を引っ張り出すと,甥のウォルター(ザック・ブラフ)と共にスカウトに向かった老人ホームで,偶然出会った自暴自棄になっている往年の西部劇スターのデューク・モンタナ(トミー・リー・ジョーンズ)を担ぎ出し,西部劇の撮影を始める。ところがマックスの意に反して,撮影は順調に進んでしまうのだったが…。

ドタバタでブッ飛んだストーリーなのに,1970年代の設定がそれを許してしまうし,何より大御所3人が顔を揃えると,その存在感が作品の空気を満たし,妙な満足感にさえ包まれてしまう。まぁ,この3人あってこその1本だし,狙いでもあるんだろうけど,ハリウッド大物の凄さに感嘆。キッチリと3人の“溢れる映画愛”が伝わってくるのも魅力。

中でも,ロバート・デ・ニーロ扮するマックスのキャラがユル過ぎて秀逸。ちなみに現在の年齢は,R・デ・ニーロ82歳,T・L・ジョーンズ79歳,M・フリーマン89歳。3人とも今後の公開作品を控える現役だ。


映画クタ評:★★★★


右矢印T・L・ジョーンズ作品まとめ

右矢印モーガン・フリーマン作品まとめ

右矢印ロバート・デ・ニーロ作品まとめ




監督:城定秀夫
キャスト:瀬戸康史/さとうほなみ/河合優実
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
公開:2022年2月
時間:107分




『愛がなんだ』(2019年・エレファントハウス)アンダーカレント』の今泉力哉監督と,『性の劇薬』(2020年・フューチャーコミックス)『アルプススタンドのはしの方』(2020年・SPOTTED PRODUCTIONS)の城定秀夫監督がタッグを組み,互いに脚本を提供し合ってR15+のラブストーリーを競作するプロジェクト“L/R15”から,今夜は『愛なのに』を紹介。

小さな古本屋を営む30歳の多田浩司(瀬戸康史)。静かな店内で,いつもカウンターで読書をしながら店番をしている。ある日,近頃常連になっている女子高生が,多田の目の前で1冊の本を万引きすると,走って店外へ。追いかけるが途中で息切れする多田に,自販機で水を買って渡すと,また逃げようとする少女。ようやく店に連れ帰り理由を聞くと,「名前を覚えてほしくて」と,誓約書を書きながら答える矢野岬(河合優実)。そして「好きです。結婚してください」と告白される。それから,店に来る度に多田にラブレターを手渡しすようになる岬。

その頃,かつてバイト仲間だった頃に多田から告白され断ったことのある佐伯一花(さとうほなみ)は,忙しく結婚式の準備をしていた。しかし彼女の知らないところで,婚約者の亮介(中島歩)はウェディングプランナーの美樹(向里祐香)と関係を持っている。一方,同級生の正雄(丈太郎)から告白され秒で断る岬。その話を聞かされ,岬との齢の差と一花への未練の間で心が揺れ動くのを隠せない多田。やがて,いくつもの恋心の一方通行が交差し,複雑に絡まり合っていくだったが…。

これ,めちゃめちゃ面白い! コメディだけど,様々な立場や角度から“愛”の本質を問いかける秀作。脚本も素晴らしいが,それを映像化する中で,ちょっとしたシーンにさえ意味を持たせ,含みを持たせる構成が秀逸。

“恋”って感情がわりと判りやすいし自己分析しやすいのと較べると,“愛”ってやっぱ複雑で奥深い。そこに“世間”とか“性”って要素が絡むとなおさらで,だからきっとヒトは“愛”を探求し続ける。ひょっとすると“正解”なんかないのかもだけれど,きっと“不正解”ってのもないんじゃないか? って,そんなこと思い巡らせた。

一応注意しておくと,アダルト映画出身の城定監督だから,ラブシーンが本気。15歳未満は見ちゃダメだからね!


映画クタ評:★★★★


右矢印瀬戸康史作品まとめ

右矢印河合優実作品まとめ