帰ってきた あぶない刑事 | p・rhyth・m~映画を語る~

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監督:原廣利
キャスト:舘ひろし/浅野温子/仲村トオル
配給:東映
公開:2024年5月
時間:120分




1986年のテレビドラマ放映開始から38年。当時社会現象を巻き起こし,ドラマ史上・映画史上において“伝説”を作った『あぶない刑事』シリーズ。さすがに打ち止めだろうと思っていた前作『さらば あぶない刑事』から8年ぶりの新作のニュースには,とんでもなく歓喜させられた。先週公開され,週末興行でも堂々の1位となった『帰ってきた あぶない刑事』を今夜は紹介。

定年退職後,ニュージーランドで探偵事務所を開業していたタカこと鷹山敏樹(舘ひろし)とユージこと大下勇次(柴田恭兵)。ところが警官と問題を起こして探偵の免許を剥奪され,2人は8年ぶりに横浜に戻ってくる。一方,彼らを追いかけてニュージーランドへ行った真山薫(浅野温子)はどうやら行方不明。タカとユージが横浜港の埠頭で風景を懐かしむその夜,横浜で香港在住の日本人弁護士が何者かに殺される。事件に何かひっかかりを感じたタカは,埠頭で見かけたリウ・フェイロン(岸谷五朗)を訪ねるが,フェイロンのビジネス・パートナーであるステラ・リー(吉瀬美智子)は,タカの昔の恋人によく似ていた。

その頃,タカとユージが設立した“T&Y探偵事務所”に最初の依頼人となる永峰彩夏(土屋太鳳)がやって来る。彼女の依頼は,自分を産んで消えた母親の夏子を探してほしいというものだった。実は,夏子はタカとユージにとって旧知の女性。もしかすると彩夏は自分たちの「…娘か?」という疑惑が浮上。夏子の消息を調べるため,2人はかつての後輩で現在は横浜港署捜査課長の町田透(仲村トオル)のもとへ。誰よりもタカとユージを知る町田は,2人が“あぶない”調査をしないよう監視するため,部下の早瀬梨花(西野七瀬)に尾行を命じる。やがて,一連の事件の背後に,カジノ誘致を企てる元銀星会組長の息子・海堂巧(早乙女太ー)がいることが判明。タカとユージの愛する横浜の街に,未曾有の危機が忍び寄っているのだったが…。

冒頭から「わぁ!」って,ひとり声を上げてしまったのは,今回のユージの車が自車と同じシリーズだったから(周辺座席の方,失礼しました)。2人の顔がよく映るようにという選車だったらしいが,一段とシブ味を加えた七十路の2人。“セクシー大下”は“横浜でいちばん走り回った刑事”として,“ダンディー鷹山”は“横浜でいちばん拳銃をブッ放した刑事”として,“あぶタン(あぶない探偵)”バディが,そのレジェンドっぷりを発揮する。2人の間に挟まれる彩夏との3ショットが微笑ましく温かい。

薫も透も瞳ちゃん(長谷部香苗)もナカさん(ベンガル)も登場し,『さらば』で卒業した港署の同窓会。でもキッチリ“見せるとこで魅せる”辺りは,TVシリーズで演出・脚本を担当した原隆仁の実子・原廣利監督のシリーズへのリスペクトが感じ取れる。欲を言えば海堂にもっと破壊させたかったりとか,どうしても気になるDNA鑑定の結果とか,いやそれさえも“あぶデカ”らしいとか。

とにかく懐かしさと歴史と今を,存分に楽しめる1本。ぜひ劇場で!


映画クタ評:★★★★


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◆シリーズ一覧◆

あぶない刑事』(1987年)

またまたあぶない刑事』(1988年)

もっともあぶない刑事』(1989年)

あぶない刑事リターンズ』(1996年)

あぶない刑事フォーエヴァー THE MOVIE』(1998年)

まだまだあぶない刑事』(2005年)

さらば あぶない刑事』(2016年)