うちの子学習障害かもしれない、と思う前に | お受験ブルーズ

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現役講師がお受験を通じて世間を眺めています。
大手塾勤務→独立→プロ家庭教師と変わって来ました。(作曲・編曲、戦国シンフォニックメタルバンド「武士メタル~Allegiance Reign~」のベーシストとしても活動しています。どっちも本気です)

 「うちの子、学習障害とか発達障害かなんかじゃないでしょうか」と毎年、10件くらいは言われます。最近はIQテストなどの各種知能テストが個人でも受けられるようになっていてそのデータを一緒に提出してくださる方も多いです。5年くらい前からその件数が急激に増えています。

 

 言えますことは、そのようなデータを提出されましても、僕は実際に見たり指導したりした経験からの方が確かなことは言えるし、関連も多少はあるものの、「もっと大事なことがある」としか言えません。

 

 自分の子供が明らかにほかの子と比べてできない場合や、頑張っているのに成績が上がらない場合、そう疑ってそのようなテストを受けさせる心情も分からなくはないです。

 僕も感情移入しすぎた生徒には、そのように疑ってしまう時期もあるにはありました。(でもそういう生徒でも後年、早稲田政経行けた例が昨年出たことで、すべてが崩壊したw)

 

 この我が子の知能指数を調べてしまう親御さんの心理は痛いほどわかるものの、やはりあまりおススメはできません。といいますのも、プロ的にも人道的にも「意味を感じない」からなのです。日常生活もままならないほどの、明らかな場合にのみ必要性はあると思います。

 

 ここから、子育てや受験にとって大事なことを示唆できると思いますので、以下に理由を書いてみたいと思います。

 

 

失礼にあたるから、親の安心のためだけなのではないか

 ……まず、僕からみて「障害があるな」と思える子はごくごくわずかであり、そもそも仮にそうであれば「一瞬で」わかります。それくらい全く違います。

 

 ずっとサピなどでAクラス(最下位クラス)だったとしても、それは持っていき方や導き方、こじれてドツボにはまってしまった(原因への解決エネルギー<毎週のカリキュラムになっている)ことが原因かもしれません。

 

 遺伝的要因も、もちろんある程度はあるでしょうが、幼少期ほど遺伝的要因は少ないことを考えると、やはり親御さん側に原因があったと考えるべきです。そんな成績しか出せなくて、「申し訳ないな」と思える親御さんの方が、結局はうまくいくことでしょう。

 思えてないのならば、色々な問題の原因は、その想い癖です。

 

 そもそも、遺伝的要因であった場合は、言ってもどうしようもないばかりか、まさに親御さんの遺伝子そのもの、つまり親が原因であるわけです。

 

 父母のうち、学歴などが低い方のパートナーの(遺伝の)せいにするパターンもよく見受けますが、それも非常に失礼です。そのパートナーを選んだのは自分であり、自分に「センスがなかった」といっているようなものです。

 親の自分がダメ(に見える)な子供とは全く違って、良い大学などに行けていた場合は、いろんな人たちの助けを借りて、やっとこさ行けたのでしょう。また、時代の追い風もあったのだと思います。そのような視点が欠けています。

 

 今の中学受験は、平均レベルが戦後最強を更新し続けていますから、すべてをフラットに見ることも必要です。

 

 ということで、「子供に」原因を求めるのは、非常に失礼にあたると思います。その考え方では、特に中学までは伸びないでしょう。

 

 誰にでも苦手な分野はあるものです。その苦手がたまたま現代社会に生きていく上でクリティカルな(重大な)ものであったとしても、その状況から「どう頑張ったか」の方が大事ですし、これからの時代ではより一層大事になってくるのではないかな、と僕は思います。(学歴の重要性は落ちる。RSTなどが直接図れるようになるため。鍛えて置けば何の心配もない)

 

 すでにこの10年を見ても時代は変わりまくっています。今、できない子も、10年後まで努力をしていれば、社会で必要な能力は変わります。これからはわかりませんよ。また、中学受験も、大学共通テストの変化から急速に新傾向が出てきています。

 

 

 過去には、非常にできの良いお子さんでも、身体が弱いばっかりにせっかく中学受験で受かった学校を退学になった例もあります。喧嘩や精神的に繊細でやめざるを得なかった子などもいます。頭がよかったとしても、悩みはその子なりに必ず何かしらあります。

 

 まずは、普通に元気に塾や学校に通えているだけでOK、という視点を持ってはいかがでしょうか。

 

 

・能力が低いとして、だから何なのか? 「幸せ」とは無関係、そして受験の意義

 

 ……また、大体みせていただいたときに気になるのは、いくつかの認知能力のうちのひとつ、ないしふたつは平均以上のものがある、ということです。(IQですと100が真ん中)

 

 ということは、弱点となる能力を補うような努力をし、長所を使うような勉強法をそのデータから行う、というのであれば、意外とよいデータになりうると思います。例えば、計算能力が高くて読解能が低いなら、算数の計算はさっさと終わらせて、読解力を鍛える練習に時間を割くべきでしょう。

 

 ですが、ほとんどの親御さんは、障害でなくてちょっとがっかり? のような感じになっていることが多いです。つまり、そのデータを活かそうともしていない、出しただけ、ということが多いのです。

 

 これも僕のポリシーといいますか、いろんな悲喜こもごもを見たうえでの持論なのですが、

 

 志望校に行きたいこと、行けたことよりも、そこに行くべく努力すること、その経験の方が大事

 

 だと思っています。また、志望校がはっきりしないなら、とにかく毎週のカリキュラムをこなしながら走ることが大事だと思います。

 

 努力をしたかどうか、ある目標に向かってがむしゃらに走ったかどうか、が大事であって、その結果は後からついてくるものである、というのが、僕の指導からの実感でもあります。

 

 もちろん、一生懸命やっても、結果が出ないことは普通にあります。でも、数年間、そこに向けて家族で走った、という事実は残ります。それは後から振り返れば、「良い思い出」になっています。(信じて~)

 

 小6の1年の努力で麻布~、などの華々しい話も聞きますが、それは、あの小4後半から始まる、絶望やらなんやらのめちゃくちゃな期間を1年しか経験していないことになります。

 子供はここで、大きな成長を見せることも多いですし、努力してもむくわれないこともあることや、(競争の)下の人間の気持ちになれたりもします。なによりもまず、親御さんが成長しています。

 

 それが、全生涯のうちたった1年、兄弟がいても2,3年だなんて、もったいないとは思いませんか、笑? 

 

 つまり、能力の高い低いより、その与えられたカード(才能)の中で、どれだけ粘れたのか、頑張ったのか、のほうが大事だといえるのです。

 

 知能が低いと親御さんからみて思えるのであれば、それはそうなのでしょう。であれば、もう勉強はさせなくていいのか? 社会に適応する訓練はいるのではないか? その中でも手に入れられるものを考えるために、どこかで粘るべきではないのか? そのように思います。

 

 もちろん、本当に学習障害があるなら、中学受験は無理にはおススメできませんが、99%のそうでない方々は、現状「平均より低い」ことに悩んでおられることにまずは気づきましょう。

 自分のお子さんがそういう状態だと、こう考えるのは難しいでしょうが、どのような能力の人間にも、古神道的に「お役目」があると思うのはいかがでしょうか。その一見古い考え方が、最先端の生物学や量子物理学にも通じる真理でもあるようです。

 

 

 例えば、これは僕が20代のころによく思っていたことなのですが、この世の中全員が東大生だった場合、どんな社会になるでしょうか。

 

 おそらく、誰も地道な仕事はしたがらず、町は汚れ、権力闘争に明け暮れるようになるかもしれません。なにせ全員が優秀ですから、優越感も持てませんし、安心感もありません。殺伐として国どうしで競争しまくり、あっという間にとんでもない殺人兵器を作り上げて、理屈をつけて自己を正当化し、使って割とあっさり滅んでしまうのではないでしょうか。

 

 賢い人間ばかりいても、うまくいかないのが社会です。これを社会学では「余裕のある社会」の意義、生物学では「生命を存続させる平衡」に通じます。

 

 この理屈は、学者(文学)の内田樹さんや、動的平衡の福岡伸一さん、シュレーディンガーなど、いろんな方の本を読んでいると共通して出てきます。つまり、たとえ障碍者であろうとも、無駄なもの・存在はこの世には存在しえない、という理屈です。(おススメは下記)

 

 能力が低くても、ブオトコで結婚できなくても、存在していいのです。その意味があるからこそ、存在しているのです。世界を安定させているのは、そういう人間たちかもしれないのです。

 そう考えた方が、科学的にも合理的、思想的にもしっくりくるのです。

 

 元気づけられませんでしょうか。

 

 歯車のような人間なんて、とロックンローラーは歌いそうですが、そのロックシンガーも視聴してくれる日本人に生かされている時点で思いっきり歯車なのです。誰とも嚙み合わない歯車は、空転(死)します。

 

 

 近代合理主義的な見方、勝ち負けの基準だけですと、この社会がどうやってうまく回っているかがわからないものです。

 

 ただ、その中でも、僕は「努力」をおススメいたします。どうせなら良い歯車になろうではありませんか。そして、我が子を良い歯車にしてあげようではありませんか。

 

 生物も他の物も、それなりの競争原理の中だからこそ、意味があるのです。(え、じゃあ障碍者も競争に揉まれているのかって? それは各自考えてくださいw)

 

 

 努力の末敗れたならば、その人間は「てめえらに譲ってやったんだ」くらいに思っても良い権利があります。その変わり、受かった人間には、その責任が伴うのです。

 立派にそれなりの責務を果たさねばなりません。東大や医学部にまで行くと、そのプレッシャーは壮絶です。だらしない生活そのものが罪かもしれません。

 

 少なくとも僕はそう思って、日々練習に励み、ブログも更新しております。だらしない東大出身の方も多いようですが、罪深いと思います。

 

 収入や暮らし向き、世間体のことばかり考えて、塾や学校に行かせているから、知能検査をしようなどという貧しい発想になる可能性を覚えておいてください。「育てる」視点がそこにはありません。そりゃ親はストレスばかりがたまり、病みます。

 

 我が子がどんな子供だろうと、誰かっぽくなくてよいので、育てていきましょう。

 

 

・もっとも成功に関係するのは「非認知能力」

 ……最後に、そもそも元々アメリカの軍事用に考案されたIQの信憑性は今となっては低く、アバウトなものになっていると言われていますし、それがもうそんなに大事ではないことが言われています。(最近のテストはワーキングメモリーなども出してくれますが)

 

 

 この本の著者のポール・タフさんの見解では、成功しているかどうかなどの能力は、「非認知能力」の方が大事だと言われています。非認知能力とは、「やり遂げる力」「思いやり」など数値にできない能力です。

 

 思いやりなどは、読解力に通じるものがあると、実際的な部分でのつながりも僕は感じています。

 

 今現在、成績が悪いと、弱気にもなるし、大変でしょうが、子供を罵倒し、礼を失するまえに、考えたりできることを、親御さんも自問自答していただければと思います。

 

 いつも読んでくださってありがとうございます。

 

 

 

おススメ読書タイトル100、問題集など https://ameblo.jp/jyukuko/entry-12589194343.html

 

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<追記>

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是非ご覧になってください。僕は烏帽子かぶってるヤツです。

◆MV
https://youtu.be/tI4YvWd8sz0

 

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