篁牛人(たかむらぎゅうじん) ──




昨日、東京虎ノ門にある

大倉集古館に行ってまいりました。




生誕120年記念

篁牛人

~昭和水墨画壇の鬼才~


会期 : 2021年11月2日~2022年1月10日



孤独と酒を最良の友とした異色の水墨画家・篁牛人(1901~
1984)。
特定の師につくことも美術団体に属すこともなく、芸術に
至上の価値を置く自由奔放な生きざまを貫いた孤高の画家
あった牛人は、「渇筆」という技法(渇いた筆などで麻紙に
刷り込むように墨を定着させる)によって、独自の水墨画の
世界を開拓しました。大胆さと繊細さを併せ持つ渇筆は、
細くたおやかな筆線と共存し、中間色層が極端に少ない白と
黒の画面の中で、デフォルメされた特異な形態表現が不思議
緊張感をみなぎらせます。
本展では、牛人の画業を三章に分けて構成し、水墨画の大作
中心として、初期の図案制作に関連する作品なども含め、
水墨画の鬼才・篁牛人の世界をあまさず紹介します。

展覧会チラシより文章引用 ↑




確かに…


面白おかしい、どこか可愛らしい画が並びます。




デフォルメや技法、、、

目に映る表面的なことばかりを論じ合っても

なんにもならない。


目に見える世界のその奥深くを覗かねば。





あくまでもそれは、

“水墨画”という形式を借りただけ。


ひとつの表現手段として。





そもそも彼は万人受けなど求めていないのだ。


“簡単にわかられてたまるか”



社会の“おかしさ”からけっして目を背けない。

“おかしいものはおかしい” と、

だれよりも冷静に現実と向き合いながら。






人として立派かどうかなんてどうでもいい。


誰になんと言われようと、

どう思われようと、知らん。



そんなことより、

自分が表現したいことを表現できているか。


世間を、ではなく、

自分をどこまで納得させられるか。




龍になるその日まで模索し続けよう・・・


それ以上もそれ以下もない。




展覧会チラシより画像引用  ↑



作品の真価は、

“牛人の生きざまそのもの”


“彼が表現するもの”、だからいい。



彼の作品、というより、

会ったこともない“牛人というひとりの人間”に、

私はこの機会に興味をもちました。





目に見える世界と目に見えない世界。


観る度に画の奥行きが拡がってゆく・・・




何事も知ってからふれると楽しみは増しますね。


人生をより楽しむために、知る。





生きた時間ではなく、いかに生きたか。



迷いなき線、大胆かつ繊細な墨の表情、濃淡は、

生成消滅を繰り返す心中の陰陽。


ただの“黒”ではない。

それはすべての色を内包した姿の見えぬ(くろ)




あとは観る側の心の中で、


さらに奥へ、奥へと、


作品を完成させていってくれと言わんばかりに。







来月10日までの開催。


あと1回行けるかな…





平安如意


辛丑 冬至前七日

KANAME




【関連記事】


2021年11月26日 投稿


2021年10月23日 投稿


2021年9月6日 投稿


2021年8月13日 投稿

2021年7月28日 投稿
2021年7月21日 投稿
2021年5月2日 投稿
2021年4月29日 投稿
2021年4月17日 投稿
2021年3月2日 投稿


2021年2月17日 投稿


2021年2月13日 投稿