篁牛人(たかむらぎゅうじん) ──
昨日、東京虎ノ門にある
大倉集古館に行ってまいりました。
生誕120年記念
篁牛人展
~昭和水墨画壇の鬼才~
会期 : 2021年11月2日~2022年1月10日
確かに…
面白おかしい、どこか可愛らしい画が並びます。
デフォルメや技法、、、
目に映る表面的なことばかりを論じ合っても
なんにもならない。
目に見える世界のその奥深くを覗かねば。
あくまでもそれは、
“水墨画”という形式を借りただけ。
ひとつの表現手段として。
そもそも彼は万人受けなど求めていないのだ。
“簡単にわかられてたまるか”
社会の“おかしさ”からけっして目を背けない。
“おかしいものはおかしい” と、
だれよりも冷静に現実と向き合いながら。
人として立派かどうかなんてどうでもいい。
誰になんと言われようと、
どう思われようと、知らん。
そんなことより、
自分が表現したいことを表現できているか。
世間を、ではなく、
自分をどこまで納得させられるか。
龍になるその日まで模索し続けよう・・・
それ以上もそれ以下もない。
作品の真価は、
“牛人の生きざまそのもの”。
“彼が表現するもの”、だからいい。
彼の作品、というより、
会ったこともない“牛人というひとりの人間”に、
私はこの機会に興味をもちました。
目に見える世界と目に見えない世界。
観る度に画の奥行きが拡がってゆく・・・
何事も知ってからふれると楽しみは増しますね。
人生をより楽しむために、知る。
生きた時間ではなく、いかに生きたか。
迷いなき線、大胆かつ繊細な墨の表情、濃淡は、
生成消滅を繰り返す心中の陰陽。
ただの“黒”ではない。
それはすべての色を内包した姿の見えぬ玄(くろ)。
あとは観る側の心の中で、
さらに奥へ、奥へと、
作品を完成させていってくれと言わんばかりに。
来月10日までの開催。
あと1回行けるかな…
平安如意
辛丑 冬至前七日
KANAME
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