続きもの6回目、最後です。
タイトル「なぜ書くのか」(小説、シナリオを)に対する私自身の答えは「楽しいから」、でもしんどくて嫌になることの方が断然多いと書いた。
創作をやめてしまった仲間もたくさん見た。
そうなる理由は私にも山ほどある。
だけれども、まだ書くことをやめていない私は、それらをクリアしたわけではなく、適度に折り合うことを覚えただけ。
やめたくなる理由を7つあげて、前回までそのうち5つにどう折り合ったかを書いた。
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今回は最後の7つ目、「文章力など、才能がない実感から無理な気がしてくる」について。
これももう、何度も何百回も感じたことで。
元々、書く側ではなく完全な読み手側だった少女時代は、本や漫画やドラマが好きで息抜きとして楽しみで。
嫌なことや面倒なこと、受験だの仕事のプロジェクトだのを乗り越えたご褒美でもあって。
純粋に物語を楽しんでいた。
ところが、自分でも書いてみるようになって、大好きだった作家さんの文章の癖や展開の速さ、ディテールの細やかさなんかが目に入るようになる。
すると自分の書くものがどれだけ稚拙でどれだけ雑かを肌で感じてしまう。
一時期、そのせいで、息抜きだったはずの読書をすることがちっとも息抜きじゃなくなり、むしろしんどくて避けるようになったこともある。
まあ、プロの作家さんと比べても。
と、周りからは笑われたが、その頃は本気でプロになりたかった。書くことでお金を稼げるようになりたかった。
ちょっとだけそういうラインに手が届いたから余計に欲も出て、だから笑われて傷ついたりもした。
ただ、やっぱり書くことで食べていけるレベルを目指す段階の時間がかかりすぎる。
毎年あちこちに挑戦しているうちに、いい年齢になってしまった。
結局は、バイトで小金を稼ぎながら書き続けるというスタイルに落ち着き、それが「趣味」という呼び名ならそれでもいいさ、という開き直りの現在である。
商業的な雑誌だと、どうしても最大公約数の読み手を意識し狙った作品を求められる。
それが要求された頃(そうなれたこと自体幸運なのに)、私には答えられる技量も引出しもなかった。苦し紛れで書いたものが多く、だからだろう、あまりウケもよくなかった。
自由に書ける。
それが、アマチュアの最大の特権。
そんな中で今現在サイトに公開中の自分の作品は120を超える。
まあ数撃ちゃ何とか、で、気に入っているものも捨て去りたいものも混在しているけれど、フォロワーさんの反応や、たまに賞に当選したりする嬉しさがある。
そして読み返してみて「これ好きなやつ」と思える物語が描けているな、と感じるのは楽しくて仕方ない。
それがたぶん、才能がなくても書き続けていられる理由なんだろう。だからたぶん、これからもきっと続けていける。いけるとこまでいってみようと思う。
(了)
「お別れ」がお題の超短編です。1分で読めます! (詩、童話、絵本)
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「お別れ」がお題の短編もう1本。12分で読めます! (青春)
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「贈り物/ギフト」がお題の短編です。7分で読めます! (ホラー)
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「涙の理由」がお題の短編です。11分で読めます! (コメディ)
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「冬の朝」がお題の短編です。14分で読めます! (恋愛)←ちょっと無謀なジャンル挑戦でした……_| ̄|○
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********以下受賞作です*****
第231回超妄想コンテスト「天使」で、佳作をいただきました。9分で読めます!(現代ファンタジー)
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第213回コンテストで佳作に選んでいただいた「ポケットの中」がお題の短編はこちら↓ 11分で読めます。
第185回コンテストで入賞作に選んでいただいた、「○○解禁」がお題の短編はこちら↓ 14分で読めます。
バラを育ててはいけません (ファンタジー)









