前々前回からの続きです。
タイトル「なぜ書くのか」(小説、シナリオなどの物語を)に対する私自身の答えは「楽しいから」、でもしんどくて嫌になることの方が断然多いと書いた。
創作をやめてしまった仲間もたくさん見た。そうなる理由は私にも山ほどある。
だけれども、まだ書くことをやめていない私は、それらをクリアしたわけではなく、適度に折り合うことを覚えただけ。
やめたくなる理由を7つあげて、前回まで4つのことにどう折り合ったかを書いた。
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今回は5つ目、「賞に受からない、受かってもデビューにつながらない」問題について。
私は投稿歴が異様に長いので、掃いて捨てて灰が飛び散るほどの落選経験がある。
いくつもの公募関係の講演も聴講したが、その中のあるときに出た質問に驚いた覚えがある。
「応募しても受からないのですが、やめた方がよいでしょうか?」という趣旨だった。
質問された講師が「何度くらい応募しました?」と聞き返すと、「2回」という答え。
私はぶっ飛んだ。
詳細はもう数え切れないが、たぶん私はその百倍は応募している。
おそらく周りで苦笑していた方も、そういう意味で私のお仲間かと思う。
公募はたくさんあるけれど、応募作を書くのには時間がかかる。一年のうち私が応募できたのは、過去作焼き直しを含めせいぜい一桁。10本は書けなかった。長編ならば半年はそれにかかりきりだし。
で、それぞれの公募は年一回のところがほとんど。
他の公募と並行応募しているにせよ、それぞれ年に一回しかない通過のお知らせを、ほぼ横目で見送るわけである。次はまた来年ね~、となる。
だから、あっという間に年月が過ぎ、今では「書くこと(創作)を仕事にしたい」という夢はあきらめた。
それでも細々とでもいいから書き続けたい。
ということで、非正規雇用だけど定収入を得られる仕事に就いた。
時間の制約は増えたけれど、ほとんど収入のなかった夢だけの頃よりは気持ちが安定し、書く気力が出るという皮肉な感じにはなった。
それに、どんな形でも仕事を持つことで時流に合ったネタが増える。日々実感しているので、私みたいなピンキリのキリの書き手は、これで良いのだと思うことにした。
で、まあ焼き直しを含め数百回も応募していると、数撃ちゃ当たる。ごくたまに賞をいただけることもある。
これがくせになるのだ。
全く箸にも棒にも掛からないよりも、0.1%でも引っかかることがあると、その喜びが何百もの落選の気落ちを凌いでしまう。妙にやる気が起きて、
また何百もの落選を繰り返すのである。
1次、2次、3次、と順次通過者を発表する公募の場合、下手に1次に通るとドキドキし、2次にも名前があったりなんかすると、もう期待が膨らむ膨らむ。
が、2次通過の10人前後の少数から3次で落ちると、その落胆は半端ではなく。
1次で通らず「またかあ」とさっさか次へ向かえるときと比べたら、ダメージが大きい。
けれども私はまだ書き続けている。
その1%に満たないような奇跡みたいな確率の当選時の嬉しさが、どうしても忘れられないから。
落ちても当然、当たったら超ラッキー。
そういう心持ちが挫けなかった秘訣かも。
まあそんな宝くじ気分になれたのは最近だけれども。
受からなくてもデビューできなくても仕事にならなくても。楽しいんだからいいか。
そんな感じで続いている。
6つ目、「賞に落ちた理由がわからないので自分の欠点が直らないまま落選の繰り返し」以降はまた次回。
(了)
「お別れ」がお題の新作短編2本です。
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バラを育ててはいけません (ファンタジー)











