以前の記事の続きです。
今年出されたフィボナッチ数列の問題です。
その1(大宮開成2024)
数学の面白い規則性の1つにフィボナッチ数列というものがあります。フィボナッチ数列とは、直前の2つの数字を足した数字の列であり、以下のような数字の列です。
1、1、2、3、5、8、13、21、…
この数字の列について、次の各問いに答えなさい。
⑴ 14番目の数字はいくつですか。
1番目の数を①、2番目の数を②のように書くと、いま⑦が13、⑧が21とわかっているから続きをしらべると
- ⑨13+21=34
- ⑩21+34=55
- ⑪34+55=89
- ⑫55+89=144
- ⑬89+144=233
よって14番目の数字⑭は144+233=377
⑵ 2024番目までの数字の中で、8で割り切れる数字は全部で何個ですか。
小問⑴で求めたフィボナッチ数列
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55、89、144、233、377
から8で割ったあまりだけ書き出すと
1、1、2、3、5、0、5、5、2、7、1、0、1、1
とこれもフィボナッチ数列になっている。
そして⑬が1、⑭が1と最初にもどっており
- 周期12で同じ並びをくり返す
- さらに0については周期6であらわれる
ことがわかる。
よって2024÷6=337あまり2より337個
その2(大妻2024)
直前の2つの数の和が次の数になるという規則で数を並べます。例えば、1と1から始めると、1、1、2、3、5、…となります。
⑴ 4番目の数が19で、6番目の数が50のとき、1番目の数はいくつですか。
1番目の数を①、2番目の数を②のように書くと
- ④は19、⑥は50より⑤=⑥-④=31
- すると③=⑤-④=31-19=12、②=④-③=19-12=7
よって1番目の数①は③-②=12-7=5
⑵ 5番目の数が18で、9番目の数が123のとき、7番目の数はいくつですか。
⒈ ⑤が18、⑨が123より⑨+⑤=141…ア
⒉ ⑨=⑦+⑧、⑤=⑦-⑥、⑧-⑥=⑦より
⑨+⑤=(⑦+⑧)+(⑦-⑥)=⑦+⑦+(⑧-⑥)=⑦+⑦+⑦…イ
よってア=イより⑦×3=141だから⑦=47
その3(三田国際2024)
1番目の数と2番目の数を足したものを3番目の数とし、2番目の数と3番目の数を足したものを4番目の数とします。このような作業をくり返して数の並びを作ります。
1番目の数と2番目の数をそれぞれ1とすると、数の並びは1、1、2、3、5、…となります。この数の並びについて、次の問いに答えなさい。
⑴ 10番目の数を求めなさい。
1番目の数を①、2番目の数を②のように書くと、④が3、⑤が5とわかっているのでその続きをしらべると
- ⑥3+5=8
- ⑦5+8=13
- ⑧8+13=21
- ⑨13+21=34
よって10番目の数⑩は21+34=55
⑵ 30番目の数は、32番目の数から31番目の数を引いた数です。1番目から30番目までの数の和を求めなさい。ただし、32番目の数は2178309です。
「30番目の数は、32番目の数から31番目の数を引いた数」をヒントに式で書いていくと
- ㉜-㉛=㉚
- ㉛-㉚=㉙
- ㉚-㉙=㉘
- ④-③=②
- ③-②=①
これらをぜんぶ足すと
- 右辺は①から㉚までの和となる
- 左辺は(キセル算と同じように真ん中の部分がちょうど消えていって)㉜-②だけ残る
よって1番目から30番目までの数の和は
㉜-②=2178309-1=2178308
⑶ 並んでいる数をそれぞれ4で割った余りを並べ、新たな数の並びをつくります。その数の並びの1番目から2024番目までの数の和を求めなさい。また、どのように考えたかもあわせて答えなさい。
小問⑴で求めたフィボナッチ数列
1、1、2、3、5、8、13、21、34、55
から4で割ったあまりだけ書き出すと
1、1、2、3、1、0、1、1、2、3
とこれもフィボナッチ数列になっている。
そして⑦が1、⑧が1と最初にもどっており「1→1→2→3→1→0」という並びを周期6でくり返すことがわかる。
このとき1つの周期の和は8(=1+1+2+3+1)だから、2024÷6=337あまり2より
- 1~2022番目(337周期)の和が8×337=2696
- 2023番目が1、2024番目も1で和は2
よって1~2024番目までの数の和は2698 
